院長室

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脱水を見抜くには

屋内でも脱水や熱中症になり得る、というのは随分一般化

してきた感があります。屋外の炎天下じゃなきゃ大丈夫、

なんて認識は危ないですからね。また、対策としてこまめな

水分補給や塩分摂取の重要性を説くのも以前より広まった
ように思います。

 

では、そもそも脱水や熱中症の徴候とは何でしょうか?これ

を知っておかないとせっかく処置方法を知っていても後手に

回ることになってしまいます。

 

一番分かり易いのは口の渇きですね。ただ高齢者では口渇を

感じづらくなっていたりするので、尿の色が濃いとか便が

いつもより硬いなんてのをチェック項目にすると良いです。

むくみは一見すると脱水とは真逆のように感じますが、血管

の中の水分が外部に移動しているわけで、むしろ血管内は

水分不足=脱水になっていることがあります。むくみがある

から脱水ではない、というわけではないんですね。

 

あと、特に理由のない倦怠感や食欲低下も結構頻度が高い

症状です。そして筋肉の痙攣。頻度が高いのはふくらはぎや

足のゆびですが、肩コリや腰痛の悪化、筋肉痛が改善しない

というのも同系列の症状です。これらは水分不足に加えて

ミネラル喪失も併存しているサインだったりします。必ず

ミネラル補給も同時にすべきです。

 

定期的に血液検査をされている方は、ビタミンB群不足との

関連も留意してください。ビタミンB群が明らかに不足

しているのにタンパク質不足が見られない場合、脱水を

疑います。ビタミンB群はタンパク質合成に必須ですから、

不足すれば即ちタンパク質不足に繋がります。なのに

タンパク質正常ならば逆におかしいと見るべきなんですね。

さらに亜鉛やマグネシウムなどの不足所見が見られれば

ミネラル不足も併存している証拠になります。

 

脱水・熱中症はコロナウィルスとは違って充分に対策が

できるものですから、徴候を知り正しく対策しましょう!

2020年6月29日 月曜日

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メンテナンス大事です

先日、車のエンジンオイルを交換しました。

エンジンオイルを定期的に交換するのは、エンジンが悪くならないようにするため。

交換後、整備士の方から、タイヤがひび割れているしバッテリーも弱っているから、そろそろ交換時期ですよ。と教えて頂きました。

おかげで、タイヤがバーストしたりバッテリーが上がったりなど、大きな問題になる前に対処することができました。

 

さて、身体についても同じことが言えます。

痛みが出てから、不調になって動けなくなってから、治療を受けていると治るのも時間がかかるし、何より身体がしんどいですよね。

そうなる前にメンテナンスをして、良い状態をキープしていくことが大切です。

 

テレビやインターネットでは、「腰痛に効く○○」「○○健康法」などさまざまな情報があふれています。

しかし中には、テレビでやっていた健康法を試して、余計に腰が痛くなった…なんて方もいらっしゃいます。

なぜでしょうか?

 

それは、自分の身体に合っていない方法を選択しているからです。

 

まずは自分の身体の状態を知ることがスタートです。

仕事や生活習慣、体の使い方などは人それぞれ違いますので、一口に腰痛と言っても、その原因と対策は人それぞれ異なります。

 

そのため、まずは専門家に相談することをおすすめします。

オイル交換でタイヤやバッテリーの問題が見つかったように、自分では気づかなかった問題を見つけてもらえるかもしれませんよ。

 

当院の鍼治療は、さまざまな不調の原因は「内臓の働きやバランスの問題」と考えますので、西洋医学とはちょっと視点が異なります。

生活習慣や便通、ストレス状況などをお聞きし多面的に身体を捉えていくのが、東洋医学の特徴です。

そして、身体の状態に合わせた生活習慣の見直し方をお伝えしていますので、無駄なく取り組めます。

 

また、理解が深まれば、体調をひどく崩す前に自分で対処できるようになっていきます。

 

興味がある方は、一度ご相談ください。

2020年6月27日 土曜日

カテゴリー はりの部屋

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蹴るのではなく残す

足が原因となる諸症状があり、足のアーチ構造がとても重要

な役割を果たす、というお話をすると、次によく聞かれるのが

どんな歩き方が良いのか?という点です。

 

アーチ構造が良くなるとクッション性が増すので、自然と良い

歩き方になるものではありますが、アーチ構造改善は一朝一夕

には達成できないのでもちろん歩き方は大切です。また、悪い

歩き方をしていれば余計な負担が増えるので、アーチ構造障害

とは別に悪影響もあります。

 

さて、歩き方に関しては実に色々な意見があります。例えば

踵から着地するのか、爪先から着地するのか、などの着地論に

始まり手を振って歩くのか、手を振らない“なんば歩き”が良い

のかとか、肩幅で歩くのか、一直線上を歩くのか…etc.

 

どの論にもそれぞれの理があるのは確かです。でも逆にそれは

芯の通った理論がないから百花繚乱になってしまう、とも言え

ます。こういう時はどれが正しいのか、よりも何を優先に

考えるか、がポイントです。もちろん治療の一環でやること

ですから、自覚症状の改善が最優先であることは当然ですが、

次に来るのはやりやすさ、です。何故なら歩くことは呼吸と

同じくらい無意識にやっていることだからです。

 

もし完璧な理論であっても、その手順が10個もあって煩雑

ならば到底日常生活には落とし込めません。あれこれ考え

ながら歩くなんてできないですよね。ですから、僕的には

歩行の際に気を付けることは一つだけ!にするのが最適だと

思います。

 

で、やっとこさ結論ですが(笑)、良い歩き方を達成する

ためには「足の親ゆびを残すこと」としたいです。これは

地面を蹴るということではなく、あくまで最後まで残す、

離さないということです。これの最大のメリットは足首の

力が抜けることです。足首に力が入った状態で歩くと疲れ

やすいですし、すねの前面に負担がかかります。これが

巡り巡って良い歩行を妨げます。

 

詳細なメカニズムは割愛しますが、アーチの再構築と共に

足首の力を抜く=親ゆびを残すという意識で歩くのが簡単

かつ効果的です。

2020年6月25日 木曜日

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漢方薬解説-17 六君子湯

人参湯、四君子湯と来れば次はこの処方、六君子湯です。こちら

の方がはるかにメジャーですね。その構成を見てみましょう。

 

・六君子湯(リックンシトウ 43番)

構成:人参4g+蒼朮4g+茯苓4g+甘草1g+大棗2g+生姜0.5g

+陳皮2g+半夏4g

 

上の段が四君子湯ですので、六君子湯は四君子湯に陳皮(チンピ)

と半夏(ハンゲ)を追加した処方となります。四君子湯加陳皮半夏

とネーミングしなかったのは陳皮も半夏も君子並みの素敵な生薬

だったんでしょう。知らんけど。この手法は抑肝散でも見られ

ましたね。陳皮、半夏ともに嘔気嘔吐を抑える生薬ですので、

これらを加えて胃腸機能を回復させるという方法は常套だった

のかも知れません。

 

四君子湯はそもそも胃腸の薬でしたから43番はさらにそれを

強化していることになります。陳皮と半夏は痰がらみの咳にも

効果があるので、消化器系と呼吸器系の症状が併存する場合は

尚よい選択になります。注意点は半夏に乾燥作用があること。

副作用がなく効果が高いのが君子たる所以でしたが、半夏だけは

注意が必要です。口渇や舌の乾燥がある場合、基本的には適応外

です。こんな処方があります。

 

・小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ 21番)

構成:半夏6g+生姜1.5g+茯苓5g

 

妊婦のつわりによく用いられてきた処方ですが、よく見ると3種

の生薬全て43番に入っているものです。用量はこちらの方が多い

ので、嘔気嘔吐に特化した薬と言えるでしょう。また、こんな処方

もあります。

 

・二陳湯(ニチントウ 81番)

構成:半夏5g+生姜1g+茯苓5g+陳皮4g+甘草1g

 

21番に陳皮と甘草を追加していますが、これまた5種全てが

43番に配合されています。当然これも嘔気嘔吐の薬です。じゃあ

21番も81番もいらなくね?と思われがちですが、まあ僕もそう

思います。(オイ)言い換えれば43番は21番も81番も内包した

人参を主薬とした処方、となり、重宝される理由が分かります。

疲れて食欲がなく悪心があったり咳が続く、と来れば43番が

第1選択でしょう。もちろん口渇には注意です。

 

余談ですが、43番は海外でも臨床研究されている国際的にも

認知度の高い漢方薬です。そこでも高い安全性が報告されている

ので、安心して使用できます。さらに余談ですが、以前43番の

プロモーションで「りっくん」なるゆるキャラ(?)が作られ

ました。よく見ると顔が胃袋の形をしているというキモ…シュール

な造形で一部のニッチな界隈で人気を博したとかしないとか…。

2020年6月22日 月曜日

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湿気が多い時期の養生法

湿気が多くなる時期に体調が悪くなることはありませんか?

 

東洋医学では、水分でもどちらかというと粘液質のものを「湿(しつ)」と呼びます。

湿はサラサラとした液体ではないため、

重く下にたまり、

流れが滞りやすく、

熱を持ちやすくなる、

といった特徴があります。

 

梅雨時に体が重だるくなったり、むくみが出やすくなるのもこういった「湿」の影響が考えられ、身体に悪さをすると「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。

症状としては、重だるさやむくみ以外にも
関節の腫れ・痛み
痰(たん)
便がべとつく
などがあります。

 

湿は、気候の影響もありますが、体の中でも生み出されます。

その主な原因は食事です。

・脂っこいもの

・味が濃いもの

・甘いもの

・アルコール

などを摂り過ぎると、湿が生じやすくなります。

 

また、内臓では「脾・胃」に負担をかけます。

梅雨時は、外的に湿が「脾・胃」に負担をかけやすい時期ですので、食事の内容や量に気をつけ、湿を体内に生み出さないようにすることが養生のポイントになります。

 

さやえんどう、セロリ、レタス、これからの季節は、きゅうり、とうもろこし、枝豆などが水分代謝を促進してくれます。

 

2020年6月20日 土曜日

カテゴリー はりの部屋

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