院長室

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蹴るのではなく残す

足が原因となる諸症状があり、足のアーチ構造がとても重要

な役割を果たす、というお話をすると、次によく聞かれるのが

どんな歩き方が良いのか?という点です。

 

アーチ構造が良くなるとクッション性が増すので、自然と良い

歩き方になるものではありますが、アーチ構造改善は一朝一夕

には達成できないのでもちろん歩き方は大切です。また、悪い

歩き方をしていれば余計な負担が増えるので、アーチ構造障害

とは別に悪影響もあります。

 

さて、歩き方に関しては実に色々な意見があります。例えば

踵から着地するのか、爪先から着地するのか、などの着地論に

始まり手を振って歩くのか、手を振らない“なんば歩き”が良い

のかとか、肩幅で歩くのか、一直線上を歩くのか…etc.

 

どの論にもそれぞれの理があるのは確かです。でも逆にそれは

芯の通った理論がないから百花繚乱になってしまう、とも言え

ます。こういう時はどれが正しいのか、よりも何を優先に

考えるか、がポイントです。もちろん治療の一環でやること

ですから、自覚症状の改善が最優先であることは当然ですが、

次に来るのはやりやすさ、です。何故なら歩くことは呼吸と

同じくらい無意識にやっていることだからです。

 

もし完璧な理論であっても、その手順が10個もあって煩雑

ならば到底日常生活には落とし込めません。あれこれ考え

ながら歩くなんてできないですよね。ですから、僕的には

歩行の際に気を付けることは一つだけ!にするのが最適だと

思います。

 

で、やっとこさ結論ですが(笑)、良い歩き方を達成する

ためには「足の親ゆびを残すこと」としたいです。これは

地面を蹴るということではなく、あくまで最後まで残す、

離さないということです。これの最大のメリットは足首の

力が抜けることです。足首に力が入った状態で歩くと疲れ

やすいですし、すねの前面に負担がかかります。これが

巡り巡って良い歩行を妨げます。

 

詳細なメカニズムは割愛しますが、アーチの再構築と共に

足首の力を抜く=親ゆびを残すという意識で歩くのが簡単

かつ効果的です。

2020年6月25日 木曜日

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