院長室

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今こそMgを!

毎日ほとんどの患者さんに「足つならいですか?」と聞いて

ウザがられていないか内心不安ですが(笑)、いいんです、

マグネシウム(Mg)不足を知る、あるいは知ってもらう

手掛かりになるのですから。

 

Mgは1年を通して重要なミネラルですが、この時期は発汗

が増え浪費しやすいのでさらに重要となります。Mg不足症状

はこむら返りだけでなく多岐に亘りますが、こむら返りは

典型的であり、また、わざわざ申告することでもない、と

思われていたりするので頻回に尋ねるようにしています。

 

Mgは発汗だけでなく、ストレス負荷でも尿から排泄されて

しまいます。睡眠不足や夜勤、コロナストレス?でも身体

から出て行ってしまうでしょう。イライラしながら肉体労働、

なんてハイリスクですよ。で、Mgが不足すると精神的にも

過緊張になりますので、さらにストレスに拍車をかけ悪循環

となります。

 

またMgは絶対的不足だけでなく、相対的な不足でも症状が

出ます。その良い例が女性の更年期と乳製品摂取です。女性

ホルモン減少により血中カルシウム(Ca)が増加し、協働

するMgが相対的不足になります。乳製品もCaとMgのバランス

が悪いので同様です。年齢と共に月経周期が乱れてきて、

骨粗鬆症予防に牛乳毎日!なんてのもハイリスクとなります。

 

一般的には1日300mg程度のMgを、と言われますが

相対的不足でも症状が出るため、上記量を摂取しても安心

ではありません。ストレス負荷も一定ではないので、1日

の必要量にも波があるでしょう。少し乱暴な考え方ですが、

あまり摂取量に囚われず、摂取して軟便や下痢になる一歩

手前が至適量、というのが間違いないかも知れません。

 

その補給ツールとしては天然塩(ぬちまーすがオススメ)、

海藻類、硬水、エプソムソルト、です。もちろん取り除ける

リスクは排除した方が効きが良いです。上手に食事や仕事

に取り入れて下さい。

 

…なんてのも耳タコでウザいっすか?!(笑)

2020年7月30日 木曜日

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漢方薬解説-20 その他の参耆剤

十全大補湯と補中益気湯が参耆剤の双璧であると紹介しました。

胃腸の機能を回復させることは “気” の増幅に繋がるので、漢方

医学ではとても重要な位置づけとなっており、この2剤以外

にも保険で使用できるものが数種あります。若干マニアックに

なるので、人参と黄耆の配合量だけ記載します。

 

・清暑益気湯(セイショエッキトウ 136番)

…人参3.5g+黄耆3g

・加味帰脾湯(カミキヒトウ 137番)

…人参3g+黄耆3g

・清心蓮子飲(セイシンレンシイン 111番)

…人参3g+黄耆2g

・半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ 37番)

…人参1.5g+黄耆1.5g

 

補中益気湯が人参4g+黄耆4g、十全大補湯が人参3g+黄耆3g

ですから上2剤は参耆剤として引けを取らない効能を持つこと

なりますね。136番は夏バテに、137番は不眠に、なんて

紹介されますが、胃腸機能低下が条件です。下2剤はそれぞれ

頻尿、頭痛に使用されます。参耆剤としての効果は落ちますが、

配合意図を知っておくべきです。

 

我々が使用する保険漢方エキス剤は便利である反面「不要な

生薬を抜けない」という弱点があります。本来漢方は必要生薬

を足していく方式ですが、既にできてしまったエキス剤からは

引くことができません。上記4剤も人参+黄耆以外の生薬が

不要、もしくは邪魔になることもあるので、使いやすくはない

のです。

 

よし、じゃあ作っちゃお!ってことで、極力不要な生薬を含ま

ない合方なんてのを紹介しましょう。

 

・六君子湯(リックンシトウ 43番)

構成:人参+茯苓+半夏+陳皮+蒼朮+大棗+甘草+生姜

・防已黄耆湯(ボウイオウギトウ 20番)

構成:黄耆+防已+蒼朮+大棗+甘草+生姜

 

43番は以前紹介しました。人参は4gです。20番は黄耆が

5g配合されている上に、蒼朮以下は43番と共通なので、合方

しても実質生薬が2つ追加になるだけです。それでいて参耆剤

としては最強クラスになるのです。消化器系に特化した合方と

言えますね。イエーイ。

 

これはほんの1例ですが、生薬構成を知るとこういう芸当も

普通にできるようになります。面白いですね。面白いですね?!

強要。(笑)

2020年7月27日 月曜日

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感染拡大

全国的なコロナウィルス感染者数の増加で、また自粛なのか?!

とか、GoTo とか言ってる場合じゃねー!とか、夜の街はイカン

とか、にわかに騒がしくなっております。

 

ウチとしても健康教室再開のタイミングでやめてよね、と言った

ところです。(^ ^;)メディアは危機感を煽るような内容が多く、

国や県の対応を非難する場面が散見されます。報道が事実を

伝えることを主目的とするなら、恣意的な誘導はアカンわけです

けど、まあ視聴者を獲得する仕事、の側面もあるのである程度は

仕方がないのかな。

 

とすると、我々は情報を与えられる立場ではなく、こちらから

求める立場でないと、知らず間違った行動に出てしまうかも

知れません。ネットなどができない高齢者を情報弱者と表現

する向きもありますが、これは決して年齢だけによるものでは

なく、受動的か能動的か、という情報に対する態度の問題では

ないかと思います。

 

コロナウィルス感染症はまだ不明な点も多いです。当初は気温

が上がれば収束するなんて言われてましたが、現状そんなこと

は言えないですね。東洋人に感染者、重症者が少ない理由も

分かっていません。そうこうしているうちにウィルスが変異して

また違う性質を獲得してしまうかも知れません。

 

では一律また自粛!とやってしまっては経済活動停止による

死者が出てしまうことも学習しました。そう、未知のモノと

相対する時は学習が大事です。この数ヶ月で得た知見をフルに

活用して誰も死なせないようにすることが一番大事なはずです。

自暴自棄にならず、事実を冷静に個々人で分析する姿勢が求め

られます。例えばこんなサイトは事実だけが網羅されており、

分析に有用です。こういった事実を踏まえれば、至近距離での

会話ではマスク装着を徹底し、手洗いを怠らないようにして

経済活動を続ける、が正解かと思います。重症化のリスク群

は加えて人混みを避ける工夫が必要でしょう。

 

栄養学的な対処はさておき、情報との付き合い方を確立

させることは極めて重要です。それがそのまま安心に繋がる

と思います。

2020年7月20日 月曜日

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明日19日からです

明日、19日は土用入りです。

8月7日が立秋ですので、それまでの期間が土用の時期となります。

 

土用に土いじりをすると土の神様が怒ると言われ、間日(まび)以外は土いじりはしない方が良いと伝えられていました。

ちなみに、今年の間日は7/23、24、28、8/4、5の5日です。

ガーデニングが趣味の方は、参考までに。

 

さて、この時期に気をつけていただきたいことがあります。

それは「胃に負担をかけないこと」です。

 

土用の時期は、次の季節に向けて身体を整える時で、明日からは秋に向けて身体を整える期間となります。

このとき、働くのが「脾・胃」なんです。

(※脾・胃はひとまず、胃だと思ってください。)

 

身体を秋モードにするために、脾・胃ががんばっています。そこにたくさんの飲食物が入ってくると、それを消化するのにエネルギーが注がれてしまい、秋モードに移行するのがおろそかになってしまいます。

その結果、秋に不調が出てしまうんですね。

 

ですから、土用は食べ物の量と質に気をつけてください。

腹8分目どころか、7分目でもいいです。

質については、「旬で新鮮なもの」を摂ってください。

今なら、夏野菜、いわし、ほたてなどがいいですね。

2020年7月18日 土曜日

カテゴリー はりの部屋

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なぜ健診をしないか

血液検査を勧めるのに、なんで健診はしないのよ?とたまに

チクリと言われることがあります。まあ別に嫌味ではなく、

単純に疑問に感じるのだろうと思いますし、ごもっともな意見

だとも思います。

 

健康教室に参加頂いている方にはくどい内容だと思いますが、

これには理由がありまして。健診は国の事業ゆえ自己負担なく

行える面では大変ありがたい仕組みなのですが、だからこその

縛り事項も多いのです。特に栄養療法実践医からすると、非常

に検査項目が少ない。これで精確な診断をするのは無理があり

ます。

 

また健診の判定は「基準範囲」によって評価されます。基準

範囲からの逸脱が大きいほど判定は悪くなるわけですね。この

基準範囲というのが曲者で、検査会社の社員の平均値から作成

されるため、会社によってバラツキがあります。それでも

「A」判定なら間違いないやろ、と思われるかも知れませんが

それは社員さんの平均値と同じ、と言ってるだけで必ずしも

正常!と言っている訳ではないんですね。

 

以上2点により、健康診断の “診断” が非常に心許ない、という

ことになるのがウチが健診をしない理由です。ついでに言うと、

もしも判定が悪かった場合、「指導」をしなければいけない

のですが、これまた厚労省の推奨する食べ方でなければいけま

せん。そこでは「炭水化物6割」が理想とされていますので、

まあ相容れないわけですよ。(^ ^;)

 

診断の精確さが揺らげば、疾病を見逃したり薬剤の過剰投与に

繋がったりします。決して患者さんの利益になりません。そう

言う意味では栄養療法的な分析は、完璧ではないにしろ精確さ

では遥かに上です。ここが一番の売りと言っても過言ではない

でしょう。というわけで、健診の結果を見せて頂く場合はあり

ますが、こちらから健診を勧めることはありません。

 

ただ、乳癌や子宮癌検診、胃カメラや大腸カメラなど血液検査

以外のものは有用ですので、施行できる場合にはお勧めしてい

ます。

2020年7月16日 木曜日

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