「膝が痛いので運動した方がいいですか?」
と質問されました。
…しない方がいいです(^_^;)
「運動して、膝の痛みが無くなった」
と、お友だちが言っていたので、自分もやってみようかと考えたみたいです。
膝の痛みといっても、人によりその原因や歴史はまちまちです。
お友だちが良くなった方法が、自分にも当てはまるとは限りません。
なぜ、運動しない方がいいのか、東洋医学的に考えてみます。
東洋医学では、さまざまな症状は
「内臓」の働きやバランスに問題があるために起こる、
と考えます。
内臓とは五臓六腑のことで、とくに「肝・心・脾・肺・腎」の五臓が重要で、各臓にはそれぞれ関係が深い身体の部位があります。
腎は、膀胱、腰、髪の毛、歯、骨などです。
この方の症状は、「膝の裏側の痛み」で、以前ぎっくり腰を経験しています。
膝裏をみてみると、硬く腫れたような感じです。
硬い、腫れるといった症状は、潤すことができていない状態と考えられます。
身体の中で潤す働きと関係するのは、「腎」です。
また、膝裏は「膀胱」も関係します。
腎は、膀胱、腰と関係が深いですから、このことからも「腎」の働きをしっかりさせることがポイントになります。
施術で「腎」にアプローチするのはもちろんですが、生活習慣でも「腎」に負担をかけないようにします。
例えば
・早く寝る
・温め過ぎない
・パソコン、スマホを控える
などですね。
痛みは「傷めてるから動かさないで~」という身体からのメッセージです。
それを無視して動かしていると、さらにひどくなってしまいます。
運動よりも、必要以上に負担をかけないようにして、「腎」に負担をかけない生活をしていくことが先決です。
ここからは、少し専門的なお話しです。興味がある方は読んでみてください。
「腎」は「陰中の陰」と表現されるように「陰」と関係が深い臓です。また、水を主る(つかさどる)役割があり、身体の水と関係が深いです。
そのため腎の働きが悪いと、むくみや乾燥、便秘といった問題が出ます。
次に、膝裏がなぜ「膀胱」と関係するか?
ですが、体の中には五臓六腑とそれぞれ連絡する「経絡(けいらく)」が通っています。
経絡とは、体の中でつながっている各臓腑の氣血の通り道です。エネルギーや栄養の通り道だと思ってください。
膀胱の経絡は、顔~頭~背中~腰~脚の裏側を通っています。
そのため、通り道である膝の裏側に、「膀胱」の問題が顔を出すことがあるんですね。
また、膝を大きく捉えると「肝」も関係してきますので、実際には「腎・膀胱」だけではなく、「肝」も視野に入れた施術をしていきます。