天然モノと合成モノを比べたら、そりゃ天然モノの方が良さそう
に感じます。害になる物をなるべく摂らない、という栄養療法の
立場からしても、天然モノに拘るべきとは思います。
ただ、真の天然モノというのは野にあるそのままで無加工です
から「自然の毒物」を含有しているかも知れません。それを
取り除くのも一つの加工ですから、一概に天然モノが無害で
合成モノが有害とは言い切れません。
サプリメントに関しても同様で、食品添加物てんこ盛りの商品は
もちろん有害ですが、天然素材を利用して吸収効率や利用効率を
上昇させる“加工”をしたものは無害ですし、化学的に合成したもの
でも有害物質を含まなければ安全です。むしろ重要なのは各栄養素
の体内での働き方です。つまり製造段階での天然・合成の差より
も栄養素別の作用を優先に考慮した方がいい、ということです。
例えば脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は体内でホルモンの様な
動きをするので、なるべく自然界に存在する形で摂取すべきです。
これらが保険薬で代用しにくいのは、保険薬が自然界の姿では
ないため却って不調を招くことがあるからです。対して水溶性
ビタミン(B、C)は違う動き方をするので、天然素材にあまり
拘る必要はありません。別の理由で保険薬は使用しませんけど。
また栄養素を使用する時、それが治療なのか予防なのか強化
なのかで量も変わってきます。腸内環境の良し悪しも左右するで
しょう。ツールの品質はもちろん重要ポイントですが、同時に
そのツールを使う目的と適切な評価がさらに重要です。目的を
達成する最短距離を探ることに繋がりますし、余計なコストを
減らすこともできるからです。