アレルギー疾患と言えば花粉症、と誰もが連想するくらい当たり前
になっていますが、他にもじんま疹やアトピー性皮膚炎、喘息など
も含み、実に多彩な症状を呈しますね。
アレルギーとは異物に対する排除反応であり、それに付随する症状
が鼻に出れば鼻炎、皮膚に出れば皮膚炎、となるわけです。これは
言い換えれば自身にとって害になり得る物から身体を守ろうとした
反応なので、防衛手段の一つと捉えることもできます。行き過ぎた
防衛が自身をも攻撃する、とでも言いましょうか。
そう考えるとアレルギーの治療とは、正常な防衛反応に戻すこと、
となります。漢方薬を含む薬物療法はアレルギー反応そのもの、
あるいは随伴症状を緩和しているだけなので、本質的な治療には
なりません。症状が一過性ならば、それでも構わないでしょうけど、
通年性に症状が出続けている場合や、症状が多岐に亘ったり薬が
効きづらくなっていれば、アプローチを再考すべきでしょう。
とは言え、一筋縄ではいかないのも事実です。正常な防衛反応を
目標と定めても、どこから手を付ければいいかは個人差があるから
です。それでも、常に食材や細菌という異物と接している腸粘膜を
治療のターゲットにするのは近道だとは思います。アレルギーと
腸内環境の関連はかなり認知されるようになって来ましたが、
今後はさらに詳細に「どこを、どのようにするか?」を明確化
することが求められます。漠然と「ヨーグルトがいいらしいよ」
では時代遅れになるでしょう。
あるいは抗炎症や抗ストレスを一手に担う副腎という臓器にいかに
負担をかけないか、も議論が進むといいですね。こちらはまだ
腸内環境についてよりも遅れていると感じます。こういった視点を
持つことでアレルギーを「体質」として片付けないようにしたい
ものです。腸と副腎が良くなると、アレルギー以外にも良いことが
起こるので一石十鳥くらいの恩恵があると思いますし。
もしかすると活字アレルギーや数学アレルギー、はたまた仕事
アレルギー(?)も良くなっちゃうかもよ?!(笑)