栄養療法をやる場合、血液検査は必須ですが、その時「朝食抜きで
来て」とお伝えします。女性の場合は「月経じゃない日に」とも。
患者さんからは「朝食べてないからフラフラじゃー」と恨み節を
頂戴することしばしばですが(^ ^;)、これは血液データの正確さを
担保するため必要なんです。例えば中性脂肪という項目は食事の影響を
受けやすく、食後だと上昇してしまいます。糖質摂取量の目安になる
ので、食事の影響がない空腹での数値を見たいんですね。
食材中の脂質は血液中から消えるまで12時間くらいかかるので、
前日の夕飯後から朝食を抜いて行うのが楽なんです。朝も昼も抜く
のはもっと苦情をもらいそうですし。(笑)
また生理中は出血した状態の血液データになってしまうので、
鉄不足の評価が狂ってしまいます。鉄の過不足も栄養療法では重要な
因子ですのでこれも正確を期したいのです。生理中に健診して貧血の
結果が出ると、「まあ生理中だからしゃーないわね」で済まされて
しまいますが、普段の状態が分からなければ診断になりませんので、
とてももったいないことです。
厳密には生理と生理の中間がベターですが、不順な場合や更年期で
いつ来るか分からない場合は、出血中でなければ良いです。食事を
抜くことに関しても、どうしても朝は来られないという場合は、
ゆで卵や豆腐など糖質や脂質が極力少ないものを食べてからおいで
下さればセーフです。僕も八つ当たりされないで済むし。(笑)
診断が正確でないと治療方針もはっきりしないことがあるので、
是非ご協力を頂ければと思います。