アカデミー賞受賞作品ばかりが目立っておりますが、こちらも
侮れませんぞ、という2作品。
まずは「ナイブズ・アウト」。著名な高齢ミステリー作家が豪奢な
自宅で死体で発見される。自殺と見られるも探偵に匿名の捜査依頼
が届き…というお話。これだけで白メシ2杯はいけそうですが(笑)
単にミステリー好きに向けた映画ではないのが特徴。
古めかしい館も、遺産が欲しくて堪らない何か隠してそうな家族も、
無意味にカッコつける名探偵も、無能な警察も(笑)すべて古典的
ミステリーに不可欠なツールなのですが、これが既にミスリード。
序盤でほぼ事件の全貌は明らかになってしまい、なんだコロンボ方式
か、と思わせるのもこれまたミスリード、という驚きの作品です。
しっかり伏線も張られており、俳優陣の名演もさることながら練りに
練った脚本が一番の見所です。ドンデン返しのためだけの無理くりな
トリックに走りがちな昨今、これを完全オリジナルでやってのけた
手腕はアツデミー賞(←ナニソレ)では何らかの賞を獲得すること間違い
ないでしょう。
そして「前田建設ファンタジー営業部」。いやこれも凄いぞ。ある
建設会社がPRとして空想世界の建築物を現代の技術で実際に作ったと
したらどうなるか、というのをシミュレーションする企画を立ち上げ
ます。最初はイヤイヤだった面子も次第に熱くなり…というお話。
今回はマジンガーZの格納庫を作ります。(笑)
バカバカしいんだけど、何故か泣ける。マジンガーZを知らないと
分からない単語も出ては来ますが、そんなことはあまり問題になら
ないくらいブレストファイヤーなんです。あ、熱いってことね。(^ ^)
実は前田建設もファンタジー営業部も実在しておりホームページも
あります。書籍化、舞台化もされているそうで、実は人気のコンテンツ
のようです。僕も本作を観るまで知らんかった。悔やまれるぜ。
撮影は本社の建物や工事現場、社員さん(!)を使用しておりリアル
さは半端ないです。現実と比べれば随分脚色されているそうですが、
これは下町ロケットより面白いかもよ。観てないけど。(オイ)
主演は最近急に上手くなった高杉真宙さん、脇を上地雄輔さんや、
おぎやはぎの小木博明さん、岸井ゆきのさん、六角精児さん、と
何となくコメディー寄りではありますが、これがまた良い雰囲気を
出しているのです。なんと永井豪先生もチラッと出演されております。
これもまたアツデミー賞では(略)、、マジンガーZ好きには失禁
モノですが、そうでなくても熱くなれる良作です。
多分、2作品ともそんなに長く上映されないでしょうから、もし
興味を持ったら即映画館へ、マジンゴー!です。(^ ^)