「血液ドロドロだと血管がつまるぞ!」と言われれば、おお、
サラサラにしないといかんな、と思ってしまいますよね。それは
確かにそうなんですが、ドロドロって脂肪のせいだと思って
いませんか?
血管がつまる、というのは血栓という塊ができて血流を阻害
することです。血栓は赤血球が凝縮したり、血管の内側の細胞が
剥がれたりして形成されますが、血栓ができやすいのは血液が
濃縮された状態、つまり脱水状態の時です。
エコノミー症候群に代表されるように、狭い場所で同一姿勢が
長時間続き、発汗すると血栓ができて血管がつまり易くなります。
震災時の車中泊でも注意喚起されました。脂肪が多いわけでは
なく、あくまで脱水が前提の病態です。
高脂肪食を食べた後に採血すると血液中に脂肪が見えることは
ありますが、これが血栓形成を促すわけではありません。でも
何となく脂肪が悪者にされています。コレステロールを下げる
サプリとか内臓脂肪を溶かす○○とか、ちょっとピントがずれて
いると思います。
では脱水を起こさないためにはどうすれば良いかと言うと、水を
飲む、のではなくタンパク質をしっかり増やすことです。血液中
のタンパク質はスポンジのように水を引きつけるので、タンパク質
不足状態だと水分が維持できず脱水傾向になります。脱水は決して
夏場だけに起きるわけではありません。
西洋薬で血液サラサラにする薬、というのもありますがこれは
血小板機能を抑制すること血栓形成を抑えています。そのため
出血しやすくなる、という副作用もあります。もちろん脱水が
治るわけでもありません。血流改善には脂肪制限、ではなく
タンパク質摂取、なんですね。