西洋医学の限界、あるいは適応外、という場合などに他の医療と
組み合わせて治療することを統合医療と言ったりします。保険
診療内であっても、西洋薬と漢方薬を併用する場合も統合医療
と言ってよいでしょう。
すると全人的医療とか包括医療とかと言って、とても聞こえが
よい感じで宣伝されますが「ごちゃ混ぜ医療」になってしまう
弊害もあるので注意が必要です。なかなか難しい症状があれば
効果があると言われるもの全て試してみたいのが患者心理です。
そこにつけ込んで非論理的な商品を販売することまで統合医療
と言ったりするんですよね。
人間の体はまだ分からないことも多いし、西洋医学の歴史も
浅いものですから、治療に際して必ずしも科学的である必要は
ないと思いますが、であれば尚更その治療を選択する論理性は
確保するべきです。患者さん側も「小難しいことは分からん」
とか「知人が勧めたから」という理由だけで採用するのは控える
方がいいでしょうね。一番多いのは「TVでやってたから」
だけど。(^ ^;)
ごちゃ混ぜ医療にしないようにするには、やはりその治療法の
仕組みや効能を論理的に理解することです。例えば花粉症に対し
西洋薬の抗アレルギー剤と漢方薬の小青竜湯を併用することは
ありますが、抗アレルギー剤はアレルギー誘発物質のブロックで
小青竜湯に含まれる生薬には水っぽい鼻水や咳を抑える効果が
ある、というのがこの場合の論理です。
メディアの情報が氾濫し、効能だけを切り取って宣伝することが
多々見られる上に、統合医療という便利な言葉が上乗せされる
ことで結局損するのは患者さんですから、難しい状態であるほど
論理性を蔑ろにしてはいけないと思います。