年末年始、各種イベントや宴会が増えて糖質を摂取する機会が
増えますね。なんとも栄養療法泣かせな季節です。既に2回忘年会
をこなしたという猛者もみえました。(^ ^;)
さて糖質制限については度々紹介していますので繰り返しになる
部分もありますが、まず重要なのは糖質制限は手段であって目的
ではないということ。糖質制限は基本的に糖過剰の場合にやる
もので、糖過剰では様々な不調が出るから、それを改善するための
ツールとして存在します。
栄養療法的に言えば「血糖値の乱高下を防ぐために糖質制限を
行う」となります。あくまで戦うべきは血糖値の乱高下なんです。
糖そのものが悪党というわけではありません。糖質制限をしても
思うような効果が出ない場合、血糖乱高下の原因が他にもある、
と考えるべきが、ついつい糖質制限は効果がない!と否定派に
なってしまったりするのは残念なところです。
例えば脂肪肝では血糖が安定しません。ウィルス性であっても
アルコール性であっても脂肪肝であれば容易に血糖変化が生じる
ので糖質制限が奏功しない場合があります。またビタミンB群
不足においては糖過剰でなくても血糖が安定しないので、不足が
ある場合は優先的に補うことになります。
血糖が安定しないとタンパク質を糖に変換して賄おうとするので
筋肉や血液が分解され、体形が崩れて貧血気味になります。健康
やトレーニング目的にプロテインを摂取されている方がいますが、
血糖の安定化を同時にしなければタンパク質本来の働きは望め
ません。
仮に血糖が不安定でもエネルギーが十分作られれば、タンパク質
を無駄使いする必要はないわけで、そこで有用なのが脂肪酸です。
エネルギー変換が高効率な中鎖脂肪酸を選び、エネルギーを安定化
させ、タンパク質を温存し、糖依存を解消する。ここが目的です。
そのための糖質制限であるべきです。近視眼的にならずエネルギー
代謝全体を俯瞰して見ることがとても重要です。