もちろん格闘技の話ではありませぬ。「関節がすり減ってる」
とか「関節がねじれている」とかの表現をされますが、そもそも
関節って何さ、というお話。
解剖学的に関節という物体があるわけではなく、骨が連結して
いる部分一体を指します。その構成要素として、軟骨や関節液、
腱や靱帯、などがあるわけです。要は種々の組織の集合体です。
関節というと肩や膝などよく動く部分を指すと思われがちですが
骨が連結している部分は全部関節ですから、ほとんど動かない
関節もあります。
骨が外れないように連結部は関節包という袋で包まれており、
その中に関節液という潤滑油があります。この関節包の中に
病変がある場合を関節内病変、関節包の外に異常がある場合を
関節外病変として分けたりします。軟骨がすり減ったり関節に
水が溜まるのは関節内病変ですね。靱帯損傷などは主に関節外
病変です。
またそういう内外の損傷が無くても痛むことはよくあります。
それは「動き」に問題がある場合に起こり得ます。関節内では
骨は微妙にねじれたり滑ったりしてスムーズな動きを完成させて
います。これを関節包内運動と言いますが、ここに障害があると
画像検査で異常が無くても痛みます。あと関節の中には圧を
感知するセンサーがあるので、ここに異常があっても症状を感じ
ます。気圧変動で痛む場合はコレです。
少なくとも、関節の痛みなどの異常を診る時には関節内外の損傷?
動きの異常?それ以外なのか?という眼を持って治療方針を
立てないとうまく行かない可能性があります。さらにここに
栄養を絡めたいけど、また整形外科医の自覚が薄れるからやめて
おこう。(笑)そしてさらに関節同士はネットワークみたいな
もので繋がっているので、痛む場所と離れた所に原因があるかも、
という視点もとても大事です。