高齢化社会において、加齢変化による諸症状が増えるのは致し方
ないところではありますが、中でも筋肉量の低下による転倒や
活動性の低下などを特にサルコペニアとかフレイルと名付けて
啓蒙が行われています。
また運動をされる若い世代でもパフォーマンスアップのために
筋肉をつけたいと思っている方は多いでしょう。最近では中高生
でも部活動の一環でプロテインを摂取していたりするので、老若
男女問わず筋肉は興味のあるところだと思います。
筋肉は身体を支えたり、運動を円滑にする作用があるだけでなく、
エネルギー産生の中心なので冷え症に関係したり、血糖安定化に
寄与します。栄養療法においても筋肉をつけることはとても
メリットがあるので大きな目標の一つです。筋肉はタンパク質から
できていますから運動をする方はにプロテインを、消化機能が
低下しがちな高齢者にはアミノ酸を勧めることは間違いではあり
ません。
しかしながら、プロテインやアミノ酸が筋肉に変換されるには
いくつかハードルを越えねばなりません。まずはビタミンB群が
十分あること。プロテインはアミノ酸に分解されて、その後に
筋肉に再合成されますが、ここでビタミンB群が必須となります。
またミトコンドリア機能が低下しているとエネルギー産生効率が
低下するため、アミノ酸がエネルギーに利用されてしまい筋肉
になりません。
糖質過剰の方はビタミンB群を過剰消費してしまいますし、脂質を
摂らない方はミトコンドリア機能が低下しがちです。つまり筋肉
を増やすには糖、脂質、タンパク質すべてが重要ということになり
ますね。「筋肉成分が入った○○」とか「アスリートも使ってる
プロテインサプリ」とか、釣り文句の多い商品(^^;)に気を
付けてください。
もちろん吸収の現場である腸内の環境も大事です。もしもプロテイン
やアミノ酸を摂取して腹が張るとか、ガスや便臭が強くなるようで
あれば十分吸収されていないどころか腸内環境を悪化させています
ので、中止する必要があります。並行して腸内環境改善ツールの
摂取が望まれます。
これらのハードルを越えねば効率の良い筋肉量増加は望めません。
プロテイン飲んで筋トレ!…の前に栄養療法的分析をしましょう!