抑えられないほどのイライラがあり困っている、という方がいらっしゃいました。
他にも、数年前から寝汗、かゆみ、目や口の渇き、吹き出物などの症状にも悩んでいたようです。
東洋医学では、自然界の現象を人の身体にも当てはめて考えました。
その根本にあるものは、陰陽の概念です。
陰陽というと、分かりづらいので例を挙げますと
陽…動、昼、熱、火、天、夏
陰…静、夜、寒、水、地、冬
となります。
何となくイメージはつかめたでしょうか?
これを人の身体に当てはめてみると
陽…動、男、背、左、上部
陰…静、女、腹、右、下部
となります。
相談に見えた方の症状をみてみると、
イライラ、寝汗、かゆみ、目や口の渇き、吹き出物
はすべて陽に分類されます。
イライラや身体をかく、というのは落ち着いている(陰)というより動き(陽)が伴いますよね。
また、一般的に汗は暑いときや運動時にかきます。つまり陽の時に発汗します。
そして、吹き出物は赤く腫れます(陽)し、目や口の渇きは熱・火(陽)のようなイメージです。
つまり、この方の身体の状態は
陽>陰
といえます。
身体が陽>陰ということは、
1.陰の働きが弱い
2.陽が過剰
となっているわけです。
これを内臓にあてはめると、陰に分類される「腎・肝」の働きが悪い、と捉えることもできます。
お話しを聞いてみると、健診で血液検査をしたら、肝炎であることが分かったそう…。
「炎」は火が二つ。
まさに陽>陰
の状態ですね。
東洋医学では、感情と内臓は関係しており、
肝…怒
心…喜
脾…思
肺…憂
腎…恐
このような関係があります。
イライラなど怒りと関係する内臓は、「肝」です。
数千年前に考えられた医学と、現代の医学が一致したことに驚くとともに、改めて納得もしました。