最近は安価かつ終日営業のマッサージ店が増え、気楽に徒手治療を
利用できるようになりました。整体の先生方は戦々恐々としていると
思いますが、治療の機会が増えること自体は悪いことではありません。
ただ、治療は効果があってナンボですからマッサージを受けても不変
であったり、却って悪化してしまっては治療の質は悪いと言わざるを
得ません。徒手治療は効果を他覚化しにくい面があるので質を維持する
のが難しいのは確かです。確立した評価軸がないとどうしても症状の
強さを評価基準にしてしまうので、治療手技は強く長くなりがちです。
その結果、効果をあまり感じない、のであればやる方も疲れ損ですし。
となると、こういう治療のキモはテクニックそのものではなく、どう
評価するかです。つまり診断ですね。それがしっかりしていれば予測を
立てながら手技を選べるし、やり過ぎることもないので安全です。乱暴
な言い方をすれば「肩が痛いからそこを揉む」なんて小学生だってでき
るわけです。また、人間は顔と性格はみんな違いますが構造は同じです。
この構造に従えば自ずと間違いは減る道理です。
例えば、ピンと張ったシーツの中央をくしゃくしゃと握ると四隅は
引っ張られますよね。痛みとして感じるのはこの四隅ですが、治療すべき
は中央のたわみです。こういう構造と診断を無視して四隅をグリグリ
やり続ければもしかしたら破れてしまうかも知れません。
まあ徒手治療に限ったことではありませんが、目の前の症状のみに
捕らわれると治療の機会を逸してしまうことがあります。俯瞰しつつ
論理的に考えることがとても大事だと思います。そんなことを伝え
たくて今月から「健康教室・徒手編」を始めます。達人的なワザの
伝授!…を期待されるともの凄い加速度の肩すかしを感じますが(笑)
逆に誰にでもできる!というコンセプトです。気軽に参加してくだ
さいね。(^ ^)