我々が処方する保険漢方薬のほとんどは顆粒状になっています
よね。これは均一性や携帯性、保存性を良くする目的があり
ます。診療ではよく「インスタントコーヒー」なんて表現
しますが、飲み方も同様、熱湯で溶くのが基本です。
また用法には「食前」となっていますが、これは昔からの慣例
みたいな部分があり、最近ではそれほど重視するものではない
のでは、という意見もあり、僕もそう思っています。しかし
湯で溶くのは結構重要です。なんせ顆粒のまま腸をするわけ
ないので、吸収直前には液状になっていなくてはいけません。
ならば最初から液体にしておく方がベターなわけです。
まあ漢方薬の中にはクッソ苦いものもあるので、どうしても
溶いて飲むのは無理、というのもあるんですが薬味も薬効の
一つとして捉えるので、一度はやってみて欲しいところです。
苦いと言われていたものが意外と飲み易ければ、病態にマッチ
している可能性が高いです。
それとは別問題として、この季節は熱いまま飲むのに抵抗を
感じる場面もあります。あるいは体内に熱がこもっていて、
熱いまま飲むのが却って不調を招く、なんてこともあります。
こういう場合は、一旦熱湯で溶いたものを氷などで冷やして
飲むのもアリです。これを冷服と言います。
脱水予防の水分補給に!とまでは言えませんが(笑)溶かした
漢方薬を補やして水筒に入れて携帯するのは、この季節ならでは
の方策なんですね。お子さんはこちらの方が良い場合もあり
ますので一度お試し下さいませ。