前回、成長期について触れましたが、反対に老年期の加齢変化を
栄養療法的に見るとどうなるでしょうか。これは一言で言うと
「タンパク質の異化亢進」です。
人体は皮膚も毛髪も筋肉もホルモンも酵素も、すべからくタンパク質
から作られます。さらにタンパク質はアミノ酸で構成されますが、
アミノ酸からタンパク質への合成、タンパク質を分解してアミノ酸
にする、という作業が日々体内で行われて維持されています。
このタンパク質への合成のことを「同化」、アミノ酸への分解の
ことを「異化」と言います。前回書いた成長期というのは何も
しないでも背が伸びたりするわけですから、「同化」が亢進して
いる状態です。逆にシワや抜け毛は否応ナシに進むものですから、
老化は「異化」亢進状態と言えるわけです。
異化亢進の行き着く先が死ですから、誰しもこの現象を避ける
ことはできません。しかしながら「同化」を促進させれば相対的に
異化のスピードは緩まるわけですから、老化の速度を遅くすること
は理論的に可能です。これがアンチエイジングです。巷ではこの
単語がキラーワードになっていて、アンチエイジング○○と書けば
売れるわけですが、その仕組みは異化抑制あるいは同化促進かと
言えば、全然違ったりします。
では同化を促進させるのに必要なものは何かと言えば、それが
ビタミンやミネラルです。これらの過不足を分析するのが栄養療法
のキモでもありますから、栄養療法は老化に対抗できるとも言え
ますね。
反対に異化を亢進させるのがストレスや糖過剰です。凄いストレス
を感じる仕事の後で老けて見える、というのは本当に老化が
進んでいるのです。糖過剰も同様です。ご注意を。(^ ^)