栄養療法をしていると、お子さんの発達の問題や自閉症について
相談を受けることがあります。現代医学ではこれらに対しなかなか
有効な治療手段が提示できない中で、ネットで検索すると意外と
栄養療法でヒットするせいかも知れません。
確かに、メチレーションという代謝に遺伝子異常が見つかったり、
水銀や有機毒、カビ毒と言われる有害物質の蓄積が原因だったり
する場合があり、これらは栄養療法的アプローチをして初めて
判明するものです。
しかしながら決して「自閉症用のサプリメント」があるわけでは
なく、上記異常があったとしてもやるべきことは通常の栄養療法
の治療方法と大きく変わりません。そういうお話をすると落胆
されるのですが、重要なのは子供の代謝の特性を知ることだと
思います。
それはつまり「成長」です。成長はもちろん喜ばしいことなのです
が、想像以上に大量の栄養素を必要とすること、そして止められ
ないこと、が問題です。例えば栄養状態があまり良くない状態の
まま急激に背が伸びたり初潮を迎えたりすると、栄養消費が供給を
容易に上回り、また止められないために一気に症状が悪化したり、
思いもよらない新たな症状が出たりします。
さらに部活動などで激しい運動をすることも過度な栄養消費を招く
こともあります。子供は放っておいても大きくなりますが、どうやって
大きくなっているのかは大人が注意してあげねばなりません。子供に
血液検査をするのは難しい場合が多いので、成長期に入る前から
栄養の知識を身につけてもらうことが大事だな、と思っています。