今月はインソールをキャンペーン対象にしていますが、あまり
馴染みがないのか結構質問を受けます。「自分は必要なのか?」
「外反母趾が治るの?」「インソールって何?」(笑)など。
治療用のツールとして紹介しているので、集約すれば結局は
「何に効くのか?」ということでしょう。それを知るには足の
機能を理解することが先決です。足はついつい無視されがち
ですが、体重を支えている土台です。本来、足にはアーチと
言って緩やかなカーブがあり、それがクッション作用を有する
ので重さや衝撃を緩和することができます。
このアーチが何らかの原因で損なわれると、緩衝作用が減少
して足で相殺されるべき衝撃が上方へと伝わります。足首、膝、
腰、背中、頚…と。つまり体のあちこちの痛みは足に原因が
あるかも知れないのですね。
で、インソールというのは靴の中敷きのことで、通常は足に
フィットするようなものが快適で好まれます。しかし、アーチの
「機能」に着目すると、このフィットする快感(?)は必ずしも
良いことではないのです。枕もそうですがフィットさせると
いうことは包み込むことでもあり、これは動きを抑制する
ことに繋がるのです。
アーチをしっかり効かせるには実はフィットさせてはいけない
んですねぇ。そんなことを軸に開発されたのがウチで扱い
始めたインソールの特徴です。クッション性はないので入れて
立ってみると硬い感じがしますが、動いてみると楽なんです。
これがアーチが効いている、という感覚です。となると、痛み
だけでなく運動のパフォーマンス向上にも期待できそうですね。
残念ながら矯正器具ではないので変形は治りませんが、悪化を
防ぐことにはなると思います。また昨今注力されている子供の
足育の一助にもなるでしょう。仏教用語で脚下照顧という言葉
がありますが、医療においても足元から全身を見直すことは
とても大事だと思います。