せいしょえっきとう、と読む漢方薬です。暑気あたりに使用
するとされているので、この時期よく使う処方ではあるん
ですが、今夏は猛暑のせいか品薄、品切れ、使用制限、という
事態がありました。
ウチでもよく使う処方ではあるのですが、この薬には
ニンジンとオウギという生薬が配合されており、主とする
効能は消化不良や食欲低下です。つまり正確には暑気あたり
によって胃腸の機能障害が出ている時に使う薬なんですね。
なので、これを「おお、熱中症の漢方薬があるのか!」なんて
ノリで使っても効かないことがあるわけです。熱感が強くて
脱水症状が出ている時は当然輸液が先決ですので、漢方薬に
こだわって治療を遅らせてしまう、という事態も想定され
ます。ちなみにそういう時には白虎加人参湯という漢方薬
がありますので、使うのならこちらでしょうね。
毎年この時期には品薄になることがしばしばなのですが、
今年のように顕著だと正しく使われているのかな、と不安に
なったりもします。ネットの情報でも「○○病にこの漢方!」
とかありますが、少なくとも「○○病の△△症状に〜」くらい
は書かれていないとちょいとアヤシイ。却って不調になる
可能性もあるので安易な服用には十分気を付けて欲しいです。
漢方薬に限りませんが、クスリは正しく使ってはじめて
薬です。誤った選択や、間違った服用法ではリスクにしか
なりません。あ、いやこのオチを言いたかっただけでは
ないっすよ。ホントだって。