今年はもうそんなに期待作がねーなー、と思っていた矢先、
良い意味で裏切られた2作品です。
まず「ブレードランナー2049」。80年代のSF映画の
金字塔(と言われている)の正統続編。35年後の世界を
描いています。正直僕は、タイムリーで観ていない上に主人公
が大して格好良くないし世界観も好きではなかったので、
今や売れっ子のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がよくこんな
ハードルの高い続編作品を引き受けたな、で、どう仕上げた?
的へそ曲がりな興味で鑑賞しました。(^ ^;)
…いや、すげー。そして、すげー。なぜ2回言うか、まずは
この続編の方が面白いという点、そしてしっかりこの監督の
作風になってしまっている点。脱帽です。リドリー・スコット
も腰抜かしたんじゃないかしら。オープニングの構図から
前作を踏襲していて、アジアンチックな雰囲気も引き継ぎ
ながら物語の核である人間とレプリカントの関係をしっかり
描きかつ自分の色で演出し切るという超偉業を成し遂げました。
恐るべし。主演のライアン・ゴズリングさんも見事に期待に
応えています。前作鑑賞が必須なのが難点ですが、今からでも
観て今作を鑑賞する価値は十二分にあります。さらに2回目
も観たくなるでしょう。
そして「ローガン・ラッキー」。2013年に引退宣言したのに
もう撤回しちゃったスティーブン・ソダーバーグ監督の作品です。
でもやはりこの監督は面白い。今作は不運な人生を打破すべく
現金強奪を目論む兄弟たちのお話。これだけ聞くとむしろ
反感を買いそうな設定ですが(^ ^;)、これがまた不自然に
感じることなく引き込まれます。これは出演陣の上手さに
依るところが大きいかな。いきなり子役が上手いもの。
主演のチャニング・テイタムさんとアダム・ドライバーさんに
加え、ダニエル・クレイグ、ライリー・キーオ、トドメの
ヒラリー・スワンク、と技巧派目白押し。犯罪ものですが
脚本がテクニカルでサスペンスとしてもなかなかのものです。
さらにコミカルな演出もあって意外と全方向性に楽しめる
作品に仕上がっています。ちょっと終盤展開について行け
なくなる感はありますが、こちらもとても楽しい作品でした。
いやー、拾いモノどころかどちらも必見の作品でした。
あぶないあぶない。でもジャスティス・リーグは観ない
かな。(笑)