院長室

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栄養をバランスよく

何となく聞こえの良いフレーズですが、それを言うだけでは何の

意味もありません。偏った食事内容は当然悪いわけで、その対義語

としての役割はありますが、一体どんなバランスが良いので

しょうか?

 

一応、厚生労働省は栄養の指針を発表していて、それによると

米やパン、うどんなどの主食が食事の半分以上を占めるように指導

されています。つまり国が「バランスの良い栄養を」と言う場合

には、これが前提になるので結構な量の糖質摂取を勧められる

ことになります。

 

これと併せて、1日の活動量からどのくらいのカロリーを消費して

いるかを概算し、それに見合った食材を選ぶようにも指導されて

います。活動量以上のカロリーを摂取すると生活習慣病のリスク

になりまっせ、ということだそうです。

 

もちろん過剰なカロリーが肥満につながるのは確かですが、そもそも

カロリーとはエネルギーの単位のことなので、正確には「この食材

が体内でエネルギー変換された場合の量」ですから、カロリー摂取

という表現自体がおかしいんですな。

 

食材によってエネルギー変換効率は違いますし、人によっても変換

できやすさには差があります。特に、既に不調になっている方はここに

問題があるので狙ったようなエネルギー変換がうまくいかないから、

体調も改善しないと考える必要があります。

 

となれば、バランスの良い栄養とは “人それぞれ” と言うことに

なります。身も蓋もないけどさ。(^ ^;)老若男女、好不調、

日常生活強度、などなど同じ人であっても現在の状況によって

変化し得るということでもあります。

 

だからこそ栄養療法では分析を重視します。糖質制限が良い悪い

とか、タンパク摂取の是非とかを一元的に指導することはあり

ません。巷間の健康情報に惑わされませぬよう。

2019年2月25日 月曜日

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「アクアマン」/「ファーストマン」

似たタイトルですが、180度真逆な上に1光年くらいかけ

離れた対照的な作品でした。

 

まずはDCコミックのキャラの実写化である「アクアマン」ですが、

アトランティス王国の女王と人間の間に産まれたアクアマンが海の

覇権をかけて異母弟と争う、というもう設定だけでお腹いっぱい

になりそうな作品です。

 

で、実際に胸焼けと口内炎を併発しそうな内容で(笑)、細かい

ことはいいから派手なアクションで気持ち良くなってね!と

いう映画。が、このアクションがよくできていて飽きさせない

工夫がてんこ盛りです。カメラワークが大変おもしろい。単に

バトルするだけでなくアイテムを求めて冒険したり、怪獣が

出てきたり、とまあ楽しい。

 

出演陣も無駄に(?)豪華で脇役にニコール・キッドマン、ウィレム・デフォー、

ドルフ・ラングレン、と別の映画が1本作れそうな勢いです。個人的

にはあまり好きなタイプのアクション映画ではないですが、

爽快感は保証できます。

 

そして「ファーストマン」は月面に人類史上初めて降り立ったアームストロング

船長の伝記映画です。超有名な史実をどう娯楽作品に仕上げるか、

が見所になるわけですが、デミアン・チャゼル監督、見事にやってのけ

ました。

 

飛行機やロケットに乗るシーンは徹底して主人公視点になって

いるので、とんでもない緊張感です。閉所恐怖症の人には辛い

レベルですね。反面、現状どういう状態なのかが分かりづらい

ので、イマイチ乗り切れないのもありますが。

 

この未見性に満ちた緊張感と共に軸になるのが、死生観、です。

脳腫瘍で幼くして亡くなった娘、宇宙に挑戦する中で命を落とす

仲間、そして自分もまた生きて帰ることが困難なミッションに

挑む。それは命をかけることなのか?死に場を探していないか?

自己中心的な考えなのか?セリフは少なめの作品ですが、雄弁に

語りかけてきます。偉大な成功の裏には多くの悲劇もまたある

んですな。

 

主人公をライアン・ゴズリングさんが演じますが、この映画は監督さん

の作家性が売りなので、ここに共感できないと退屈に感じるかも

知れないです。「アクアマン」の間口の広さとはここでも対照的。(^ ^;)

 

共に結構長尺の映画ですが、全く違う所が疲れます。どちらの

疲労感を心地よく感じるでしょうか?

 

2019年2月21日 木曜日

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治療の組合せ

見渡してみると「○○療法」ってホントたくさんありますよね。

そして効能には「アンチエイジング」「細胞を活性化」「免疫強化」

といったボンヤリしたものから「痛みを消す」「花粉症撃退」と

いう具体的なものまであります。そりゃあ、皆さん目移りするわ。

 

で、実際にやってみると効果がなかったり、一時的であったり、

完全ではなかったり、となかなか満足が得られるものではない

ことも多々あります。そしてまた次の治療法へ…と。(^ ^;)

もちろん全然ダメではありません。むしろ自分で情報を収集し挑戦

することは良いことだと思います。医療への不信の裏返しでも

あるけれどもね。

 

ウチも色々な治療を扱う都合、それらを望んで来院される方は

多いわけですが、必ずお伝えするのはその治療法の理屈です。

つまり「効果効能」を推すのではなく、どういう病態の時に

この治療法は効果が出るのか、ということです。要は適応です。

いくら素晴らしい「効果効能」があっても、その方が適応外なの

であれは無意味です。

 

例えば糖質制限ひとつとっても、糖質過剰で不調があるから

制限すると好調になる、という理屈をとばして「ダイエット」

という効能のみを目指すと失敗するわけですな。さらに同じ

効能を持つ治療法を無闇に組み合わせて混沌としてしまう場合

もあります。

 

逆に治療の理屈が分かって、その方の病態が明らかであれば

治療を組み合わせることで相乗的な効果を発揮することがあり

ます。糖質過剰で血糖値の乱高下により血管が収縮して酸欠に

なっているがために痛みが出ている、と分かればベースとして

糖質制限食を選択しながら血流改善効果のある漢方薬を飲む、

というのは無駄のない治療になりますよね。

 

効能だけを謳って商品を売ったりするのは不誠実ですし、実際

に時間とお金を無駄にすることも多いですから、全てを明らか

にはできないまでも理屈を重視して治療選択して欲しいと思い

ます。

2019年2月18日 月曜日

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整形内科

整形外科ならぬ、整形内科という言葉をご存知でしょうか?

手術をしない、あるいは手術適応でない疾患に対する筋骨格系への

アプローチをする科、という定義になるかな。

 

整形外科に限らず外科系は基本的には手術療法をメインとする科

ですが、だからこそ手術適応の判断や、術後のフォローなんかも

重要になります。その過程で、手術的な手技以外でもより多くの

治療選択肢や方法論があれば治せる率は上がるはずです。

 

実際には、残念ながら手術ばかりが進歩して手術以外の方法は

遅れていると言わざるを得ません。しかも手術適応外であったり

術後の経過が芳しくない例が増加している現実もあります。整形外科

を受診しても痛み止めと湿布が出るだけだから行かない、なんていう

言葉を聞いたりもします。そんな中、手術療法以外の治療に重きを

置こうぜ、と提案するのが整形内科です。

 

これまでも例えば骨粗鬆症に対する薬物療法なんかはしてきた

わけで、これも広い意味では整形内科と言ってもいいかも知れません。

ウチみたいに漢方薬を使用したり栄養的指導をするのも整形内科

と言えるでしょう。まだ正式名称ではないので、言ったもん勝ち

です。(笑)

 

現状では、肩こりや腰痛に対するエコー下生理食塩水注入療法

(ハイドロリリース、ハイドロダイセクション)のことを主に

整形内科的アプローチとしていますが、それに拘泥せずもっと

色々な範囲に治療のチャンスを増やせるといいな、と思っています。

 

それには柔軟な発想と挑戦する勇気が必要かと思いますが、整形

内科に関して言えば、整形外科の医師が言い出した、ということに

価値があると思います。これまでの業績に安住していない、という

ことですから。整形内科という標榜ができるようになったら、

アタマが柔らかい医師が増えたという証拠になるでしょう。

2019年2月14日 木曜日

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ウィルスが悪いのか?

やっとインフルエンザウィルスの流行が落ち着いてきました。

一宮地区ではまだ数百人単位で発症しているので「終息」では

ないですが。

 

全国的にも過去最高の感染者数だったので、各メディアでも

こぞってその原因や対策を特集しています。今年の報道で目立つ

のはウィルスの変異、新薬、耐性株、という単語です。インフル

エンザのウィルスは毎年変異しているので、予想してワクチンを

作っても奏功しない、1日1回内服で済む新薬が爆売れ、でも

それが効かないヤツも結構いて余計に感染拡大…などなど。

 

いつものことですが、ヒト側の免疫力についての言及はあまり

ありません。ウィルスの型によって症状に差が出るのはもちろん

否定しませんが、毎年変異しうるものに対抗するにはウイルスを

攻撃するよりも防御力を高める方が効果的なのは自明なのでは

ないでしょうか。

 

しかしながら免疫力を数値化するのは難しいわけで、何を指標に

どこを目標とすればいいかは明示できません。だから毎年後手に

回ってしまうのですが、それでも免疫に必要な因子は分かって

いるわけですから工夫のしようはあるではないかと思います。

 

もちろん僕も、コレという秘策があるわけではないんですけど、

栄養療法的知識を駆使すれば、やはり日頃からビタミンCを摂取し

ビタミンDが低値であれば補正し、空腹時に糖質を摂らないように

して鼻うがいをする、ってのが提案になります。要はコレ、副腎

疲労への対策なんですね。

 

現代人は老若男女、原因は様々でもみなさん副腎が疲弊している

ことが防御力の低下につながっているように思えます。結果、

感染症やアレルギー、癌に罹患しやすいと考える方が新たな

取り組みが見えてくる気がします。

2019年2月7日 木曜日

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