何となく聞こえの良いフレーズですが、それを言うだけでは何の
意味もありません。偏った食事内容は当然悪いわけで、その対義語
としての役割はありますが、一体どんなバランスが良いので
しょうか?
一応、厚生労働省は栄養の指針を発表していて、それによると
米やパン、うどんなどの主食が食事の半分以上を占めるように指導
されています。つまり国が「バランスの良い栄養を」と言う場合
には、これが前提になるので結構な量の糖質摂取を勧められる
ことになります。
これと併せて、1日の活動量からどのくらいのカロリーを消費して
いるかを概算し、それに見合った食材を選ぶようにも指導されて
います。活動量以上のカロリーを摂取すると生活習慣病のリスク
になりまっせ、ということだそうです。
もちろん過剰なカロリーが肥満につながるのは確かですが、そもそも
カロリーとはエネルギーの単位のことなので、正確には「この食材
が体内でエネルギー変換された場合の量」ですから、カロリー摂取
という表現自体がおかしいんですな。
食材によってエネルギー変換効率は違いますし、人によっても変換
できやすさには差があります。特に、既に不調になっている方はここに
問題があるので狙ったようなエネルギー変換がうまくいかないから、
体調も改善しないと考える必要があります。
となれば、バランスの良い栄養とは “人それぞれ” と言うことに
なります。身も蓋もないけどさ。(^ ^;)老若男女、好不調、
日常生活強度、などなど同じ人であっても現在の状況によって
変化し得るということでもあります。
だからこそ栄養療法では分析を重視します。糖質制限が良い悪い
とか、タンパク摂取の是非とかを一元的に指導することはあり
ません。巷間の健康情報に惑わされませぬよう。