我々が保険でキズを処置する場合には「創傷処置」、
ヤケドを処置する場合には「熱傷処置」という項目を
算定します。そしてそれぞれ創の面積によってランク
分けされています。
これがまた不思議でして、熱傷処置は創傷処置に比べて
同じ面積でも3倍の点数なんです。要するに高いんです。
恐らくこのルールが設定された時には、「熱傷の処置は
大変で普通のキズとは訳が違うぜ!」という事情があった
んじゃないかと思います。実際、広範囲のすりむきキズで
死亡することはありませんが、熱傷ではそれがありえます。
そんな背景が勘案された結果、こうなったのではないかと
推察します。
けれども湿潤療法をやっていると、いかに過去の熱傷処置が
とんちんかんだったかが分かりますし、処置そのものも拍子
抜けするくらい大変じゃない。(^ ^;)
3倍の点数をもらうのに気が引けるほどです。
夏井先生の症例を見てみると、広範囲3度熱傷でも決して
死に至るような状態ではないことが分かります。
もしもこれから湿潤療法が熱傷の標準治療になったら、この
「熱傷処置」というのも随分変わるんじゃないかな、と思います。
安くなるのは経営的には困りますけど(笑)、無駄な点数は
削るべきです。
そうそう、経営的なことと言えば、この「熱傷処置」は初診から
2ヶ月以内しか算定できないんですよ。なので、他の病院で消毒、
ガーゼで処置されて一向に治らなかった患者さんが湿潤療法を求めて
やって来た場合、2ヶ月を経過していると自動的に「創傷処置」に
なっちゃうんですね。
もし、他の病院から逃げてくる場合は是非2ヶ月以内にしてください。(笑)