以前紹介した経産省現役官僚の古賀茂明氏と
ジャーナリスト須田慎一郎氏の対談本です。
公務員制度改革を叫ぶがため閑職に追いやられている
古賀氏に須田氏が質問する形式で進みますが、
まあ内容は古賀さんの前著「日本中枢の崩壊」の
二番煎じ的なもの。でもやはり日本の政治の現状が
ひどいのはよく分かります。政治家や官僚が聖人君子で
ある必要はないと思いますが、日本のために働く仕事な
わけですから、純粋にプロとして少なくとも私情を挟まず
職務を全うして欲しいと思います。政治家は政局、官僚は
省益しか頭にない、では発展しようがないですよね。
本文中では若手官僚には改革に賛同する人もいる、とか
日本全体を通して若い世代を育てなければいけない、と
繰り返し述べられています。日本は超高齢化社会であって、
選挙権は成人に平等、というルールですから自然と高齢者に
優しい政策を言う政党や政治家が人気になるわけです。
そうなると若い世代への保障や援助は後回しになり、結果また
国全体の若い力が衰える、という悪循環に陥っています。
だからこそ若い世代が十分に力を発揮できる社会にしなければ
いけないという論点です。
古賀さんの意見は単なる批判だけではなく、必ず彼なりの提言が
あるので非常にフェアだと思います。駅前の書店を覗いたら、
「日本中枢の崩壊」が目立つところに平積みされていました。
古賀さんの本が社会の耳目を集めるというのは良い傾向なんでは
ないでしょうか。
古賀さんは最近新書で「官僚の責任」という本も出版しました。
次はこれを読もう。
って言うか、こんなハイペースで官僚批判を続けてたら、本当に
彼の身の安全を心配してしまいます。
正しいことほど耳障りに感じる人も少なくありませんからね…。