院長室

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「そして父になる」&「謝罪の王様」

またも無謀なダブルヘッダー。したくてしてる訳ではないんですが、次が

詰まっているのでね。仕事か。

 

さてまずは是枝裕和監督の「そして父になる」ですが、福山カッコイイとか

福山カッコイイとか噂は聞いてますが、福山カッコイイです。(笑)でも

それは、見た目ではなく良い演技をしているという意味で。子供を取り違え

られた2組の夫婦の物語ですが、中心になるのは福山さん演じるプライドが

高く、自分の価値観を子供にまで押しつける自己中な父親。彼が事件を

通じて本当に“父になる”様は静かな感動を与えてくれます。実生活で父では

ない彼がここまで演じられるのは素晴らしいですね。

 

是枝監督の作品は実は初めてでしたが、周防正行監督の「それでもボクはやって

ない」に雰囲気が似ていました。台詞は少なめで抑揚を抑えた演出、登場人物

にも寄りすぎることなく、そして答えは明示しない。そんなだから見ように

よっては冷徹で退屈に映るかも知れませんが、僕は好みでした。

 

そして宮藤官九郎監督の「謝罪の王様」。いやもう「バカでねーの?!(拍手)」

的なネタだけで構成された作品です。1本目の静かな感動が全て吹っ飛ぶという

希有な経験をさせて頂きました。(^ ^;)謝罪を代わりに請け負うという架空の

職業を生業とする主人公の物語ですが、沢尻エリカから田中元防衛大臣までイジり

倒して、超絶バカバカしい謝罪の数々を繰り広げ、挙げ句 EXILEとE-girls の

ダンスで締めるというやりたい放題。…大好きです。

 

それでも物語構成はオムニバス形式になってはいるものの、それぞれが伏線になり

まくっていてウマイです。まさか三谷幸喜監督と北野武監督までパロったのか?!

と思ってしまいます。そこまで深みはないですが、こういうドアホウ(喝采)な

作品もよいですね。

 

いやしかし、2本とも良かったけど別の日に観るのをオススメします。温度差が

ありすぎて鑑賞後のテンションがハチャメチャになります。(^ ^;)

2013年10月31日 木曜日

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冷えの栄養学

今日の朝は冷えましたねー。今週はずっと寒いそうです。実は僕は寒いのは結構

好きなので嫌じゃないんですが。でも寒すぎるのはキライ。何だただのワガママ

野郎かよ。(^ ^;)


さて、冷え症の方は多いですが、冷え対策グッズを使用するだけで根本的になぜ

冷えるのかを考えたことは少ないと思います。ちょっと栄養学的に冷えの原因を

探ってみます。熱量というのはカロリーですから、冷えるということはカロリー

が産み出せない、ということです。ではカロリーを産み出すには?


食事をすれば即ちカロリーになるかというと実はそうではありません。栄養素から

カロリーになるためには最終段階で酸素が必要なんです。酸素で燃やす!みたいな

イメージですね。ですから酸素の量が少ない、あるいは運搬効率が悪い、という

人は冷えるわけです。呼吸している以上、酸素の絶対量が不足すると言うことは

考えにくいので、運搬に問題がありそうです。酸素を運搬するトラックが赤血球の

中にあるヘモグロビンです。で、ヘモグロビンを構成するのがタンパク質と鉄なん

ですね。


ですから鉄とタンパク不足が冷えの原因と考えて良さそうです。月経のある女性は

毎月鉄をわざわざ捨てているので、男性に比べて冷える人が多いんでしょう。で、

更年期になると鉄を捨てなくなるから一気にのぼせる、と。(これはウソです ^ ^;)

そうすると鉄とタンパクを同時に摂れる食材が理に適っていることになります。

それが赤身の肉なんですね。診療で赤身の肉をお勧めするのは肉屋の回し者なのでは

なく(笑)、こういう理由があるんです。ひじきやホウレン草やプルーンでは鉄不足は

解消されませんから、是非赤身の肉を積極的に摂って下さい。

2013年10月28日 月曜日

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「トランス」

「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督最新作です。映画館に行く前は

「そして父になる」を観る気マンマンだったんですが、「トランス」がもうすぐ

終わってしまいそうな気がしたので急遽変更。そんな基準なら「R100」観ろよ、

というブラックなツッコミはなしの方向で。

 

オークション会場で強盗団にまんまと高額な絵画を盗まれるが、強盗団が中身を見る

と空だった…さて絵は一体どこへ?!というお話。クールな演出でスタイリッシュな

サスペンスが展開される…と思いきや話はあらぬ方向へ。現実と夢想が交錯しまくる

ので混乱必至です。題名からしてアンフェアでも何でもないんですが、サスペンスで

これやるともう何が何だか分からなくなってしまいます。R15指定なのでエグい場面

も多々ありますが、必要なエグさでもあるのでこれは仕方ないでしょう。

 

まあでもこの監督の演出がセンスフルなのは相変わらずで、かつ挑戦的である点も

衰えていません。傑作「スラムドッグ〜」もラストシーンで観客を欺くかのような

演出をしましたしね。だからつまりこの映画はダニー・ボイル初心者はやめた方が

よいです。多分イライラして終わります。(笑)なぜ冒頭のクールなノリで最後まで

作らなかったのか…うん、監督自身がつまらないからだな。(^ ^;)

 

そして夜は大学時代の友人と久しぶりに会って食事。というか飲み過ぎ。最近、あまり

飲酒しなくなっていたので応えましたよ。(+_+)勤務医の彼はそろそろ開業を考えて

いると。そのための準備だとかお金のやりくりだとかの苦労を聞くと、僕は恵まれて

いるな、と改めて思います。特に負債を負わずに開業できちゃってるし、自分の好きな

診療内容で通しているし。医局のしがらみもないし。(笑)

 

何か還元しなければいけない感に駆り立てられたので、もうすぐ引退らしい共通の恩師

を豪勢に温泉旅行でも連れて行こうと計画しています。

2013年10月24日 木曜日

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被覆材あれこれ

徐々に寒くなってきて、既にカイロのお世話になっている冷え症の方もみえる

かも知れません。なんせ「殺人的猛暑」のあとは「絶望的寒波」ですもんね。

ウマイこと言うもんだ。(^ ^;)


我々としてもヤケドの患者さんが増えるので戦々恐々とするわけですが、中でも

低温ヤケドだけは避けて頂きたいところです。治療経過が長くなることや痕が残る

こともさることながら、低温ヤケドは防ぐことが可能だからです。とにかくカイロ

や電気毛布、湯たんぽやストーブに長時間直に当たらないことです。これにつきます。

寒さが厳しいとついつい肌に直接当ててしまいがちですが、これだけはNGと覚えて

おいてくださいね。


さて通常のヤケドは事故みたいなもんですから、逆に予防するのは難しいです。不幸

にもヤケドを負ってしまったらもちろん湿潤療法を行って欲しいですが、自己処置で

使える被覆材の使い分けを簡単にまとめます。


・ラップ

これは最も安価で身近な被覆材です。水ぶくれのない軽いヤケドならラップを巻く

だけでも随分痛みが楽になります。注意点は吸収能力がないことです。これにより

過湿潤になり感染を起こすことはしばしばあります。対策としてはラップに穴を

開けてその上から吸収素材(ティッシュやタオルでも可)をあてることですね。


・ハイドロコロイド

キズパワーパッドの素材です。これも軽傷ならば貼るだけで治ってしまうことも

ありますが、やはり欠点は吸収能力が低いことです。また、これそのものが粘着力が

あり、追加の固定材などが不要なのは良い点ですが、いかんせん粘着力が強すぎる

感があります。この粘着によってかぶれを起こす場合も散見されます。ズイコウハイ

ドロコロイド包帯はこのあたりが改良してあるので使いやすいですが過信は禁物です。


・プラスモイストシリーズ

これは吸収能力が非常に高く、粘着もないのでとにかく安全です。自由に大きさを

カットできる点も良いですね。難点は若干値が張るという点ですが、プラスモイスト

TOPなんかは吸収素材だけにすることで安価になっていますし、ズイコウパッドも

形の自由度は低いですがかなり安いです。あとは入手経路が主に通販になる点が

不便でしょうか。


以上、もしもヤケドしちゃったら参考にしてみてください。オトナの火遊びには

効きませんぜ。(←言ってみたかっただけ 笑)

2013年10月21日 月曜日

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風邪シーズン

朝晩が急に寒くなって昼間は日差しが強く、でもまだ来週にはまた台風が来る

らしくてと、めまぐるしく天候が変わるので風邪を引く患者さんが増えてきました。

真冬よりもこういう季節の変わり目の方が多い気がします。


さて風邪には西洋薬よりも漢方薬の方が実は効果的です。その一つの理由が、

「症状の細かな変化に対応できる」という点が挙げられます。皆さんも経験が

あると思いますが、風邪の最初は「ぶるっ」と来てそれから高熱が出ます。

その時は関節も痛くて、咳や頭痛も激しいですね。その後解熱しても、食欲が

すぐれないとか、倦怠感が続くなんていう症状に変わります。要は風邪は時期に

よって随分と症状が違うと言うことです。


漢方薬はこういう時期による症状の違いにそれぞれ対応できるので、風邪の治療

に適してると言えるのです。例えば「ぶるっ」と来た時は身体の表面が冷えた感じ

がするわけですから、「表寒」の状態と表現されます。この表寒に使う生薬が

桂枝や麻黄です。この桂枝と麻黄が配合されているのが有名な葛根湯です。

だから「風邪の引き始めに葛根湯」となるわけですね。


症状が進行して、食欲低下や下痢なんかが出てきたらこれは「裏熱」と表現され

ますが、このステージでは桂枝や麻黄はもう効果がないんですね。裏熱に適した

生薬を選択せねばなりません。ですから、「風邪に葛根湯」では間違うわけです。

西洋医学は日々進歩していますが、いまだに風邪の特効薬は存在しません。この

分野ではまだまだ漢方薬が活躍しそうです。(^ ^)

2013年10月17日 木曜日

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