森博嗣ブーム到来なのか?!テレビドラマ「すべてがFになる」が
終了した矢先に今度はスペシャルで「瀬在丸紅子の事件簿」が放送
されました。これは「すべて〜」の犀川&萌絵シリーズの後に刊行
された瀬在丸紅子を主人公とした「Vシリーズ」と言われる作品群
です。シリーズ第1作の「黒猫の三角」が先日スペシャルドラマに
なったんですねぇ。
このシリーズは作者が最初のシリーズを書き終えて安心したのか、
かなり森博嗣ワールドに振り切れた作品達です。主人公の紅子さんは
没落貴族のお嬢様で科学者、サブキャラは女装癖のある武道家少年と
男勝りで名古屋弁バリバリの女子大生、そして謎の探偵、もうやり
たい放題なわけです。(笑)これを実写化したんだから、まあ勇気は
称えましょう。
ドラマは主人公を檀れいさんが演じ、お嬢様っぷりはさすがでしたが
頑固な科学者の側面は残念ながら表現されず。本人も設定を見て、
「こんなんできるか!」って思ったかも知れません。(笑)そして
女装癖の少年を千葉雄大さんが。女装は取って付けようなもので、
戦隊出身だからと言ってアクションが得意なわけでもなくこちらも
何とも中途半端。「こんなんできるか!」って…(略)あと紅子の
前夫の刑事が3枚目キャラになってしまっているのもよろしくなかった。
綾野剛の犀川先生もかなり無理がありましたが、げに森作品は映像化が
難しいのですよ。特に今シリーズはトリックの妙よりも設定や会話で
楽しませるので、森作品を知らないミステリーファンには物足りない
でしょうし、森博嗣ファンからすると演者に不満が募る、という
図式になってしまいます。まあ作品自体が多分に実験的でもあるので
今回はシリーズ化しないで、演者を毎回変えるとか、ドラマなのに
吹き出しで台詞を視覚化するとかの実験をしても面白いかも知れません。
…そこまでの勇気はないわな。(^ ^;)