最近の洋ちゃんの活躍はめざましい。北海道時代から人気者
だったけど、ここまで全国区になるとは思わなんだ。しかも
やたらめったら露出するのではなく、しっかり作品を選んで
いるところが好ましい。舞台出身ゆえの大袈裟、わざとらしさ、
が鼻につかないでもないけれど、素がああなんだもの、仕方
がない。(笑)
さて本作は江戸時代のお話で、事情あって離婚したい女性
の駆け込み寺に、故あって居候することになった主人公の
物語。その寺にも容易く入れるわけではなく、入れたと
しても離婚するまでに相応の苦難が伴うわけなんですが、
そこで生まれる数々のハプニングが楽しい。そもそもこんな
お寺があるの知らんかったし。3人の訳あり女性と、洋ちゃん
扮する駆け出し男のやりとりがメインなんだけど、原作が
しっかりしているからか、“舞台装置”がきめ細かくて、むしろ
そっちの方に感心します。当時の食事風景だったり、風呂屋
の描写、書物の管理、などなど…。安心して観ていられる
良作です。
訳あり女性陣は戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名さんが
演じていますが、戸田恵梨香が特によい。ほぼ主人公です。(笑)
若手カメレオン女優の称号を与えよう。いや、褒めてます。
満島さんは役にやや無理があり内山さんは出番が少ないせいで
全部持ってかれてます。対抗馬は女将さん役のキムラ緑子さん
かも?!周辺も堤真一、山崎努、樹木希林など名優がズラリ。
出しゃばらない演技でこちらも安心して観ていられる要因です。
堤真一のなで肩は主張し過ぎの感がありますが。(^ ^;)
とまあ、激賞していますが安定感がありすぎて優等生的な
映画であるのも確かです。だから洋ちゃんは出演作に選んだ
のかも知れないけどね。ただ「鉄練り」や「労咳」など当時の
言葉を特に説明なくバンバン入れてくるのにはニヤリとしました。
近年、お笑い番組も字幕で楽しむ時代になっちゃってますから
ねぇ。
観客は結構ハイエイジの方が多かったですが、洋ちゃんの
アップでしっかり笑っておられました。いやー、ホント愛されて
ますわ。一部、ドリフのサクラやってたおばちゃんかと疑うほど
に笑っていたご婦人軍団にはやや閉口しましたけども。(^ ^;)