院長室

« 2月 2024 11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

生薬高騰

2日前の新聞に生薬価格高騰の記事がありました。中国国内

での消費が亢進していることなどが原因だそうで、それに

よって当然日本の漢方薬はコスト高となり、メーカーは大変。

対策として国内での生薬生産を模索中、ということでした。


特に人参は4倍以上の値段になっており、人参を使用した

漢方薬はもの凄く高くつくようになっています。補中益気湯

なんてとても良い薬ですが、人参が主薬なので無いと困って

しまう方剤の一つです。日本は漢方薬も保険適応なので、

厚労省が定めた金額で処方されるためこのような高騰は

患者さんには実感がないでしょう。


しかも昨日の新聞には次回の診療報酬改定で薬の値段はさらに

低くするとの記事が。医療費が税収をはるかに超えているという

異常事態なので、医療費削減の目的で薬価を下げるのは致し方

ないのでしょうけど、漢方薬メーカーからすると生産コストは

上がるけど、売値は抑えられるというこれまた異常事態な

わけです。実際に経営が立ちゆかなくなって生産をやめた

メーカーもあるようです。


国内に生薬畑を作る案は数年前からありますが、生薬によって

生育環境が異なることや、そもそも薬効成分がしっかり備わって

いるかなど、通常の農作物とはまた違った難しさがあります。

恐らくそう簡単に国内生産はできないでしょう。


この1面だけを見ても日本の医療が崩壊しかかっていることは

明白です。漢方薬だけ薬価を上げるなんてありえないでしょう

から、さらにメーカーは苦心することになるでしょう。仮に

漢方薬が保険適応から外れても国内の薬剤使用割合からすると

医療費削減には大して貢献しません。まあ平たく言えば日本人は

薬飲み過ぎなんですよ。だから海外メーカーにも狙われるのね。


やはり根本的には国民全体で薬に頼らない治療を重視すべきだし、

直近の対策としては問答無用に増税するか自己負担割合を増やして

税収を確保するしかないでしょうね。もしくは薬を異常に高く

設定して使いづらくする、なんて荒業もありかもね。今飲んでいる

薬が本当に必要なのか、を見直す機会なのかも知れません。

2015年11月26日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「コードネームU.N.C.L.E」

「今年はスパイ映画が当たるぞよ!」と占いに出たのかどうか

知りませんが、多いですな。「M:I」、「キングスマン」そして

本作、「007」…。まあ好きだから良いし、しっかり面白いので

何の文句もありません。はい。

 

しかも本作は「スナッチ」のガイ・リッチー監督ですよ。テレビ

ドラマのリメイクとは言え、監督のらしさ炸裂で素敵です。

実際意味不明な作品もあったりするので、アベレージヒッター

ではなくホームランバッター的監督さんですが、今回はアタリ。

 

アメリカとソ連の冷戦時代にCIAとKGBの腕利き同士が

一時的にタッグを組んで共通の敵に立ち向かう、というストーリー。

あまりシリアスではなく、性格の違う2人の活躍を描くバディ

ムービーの様相が強いです。細かい設定はスルーしてあげるのが吉。

ではありきたりの感動アクション映画かというと、そこはガイ・

リッチー監督。海猿的仕上げはしておりません。(笑)皮肉と

外しの演出で飽きさせません。

 

主演はCIAの方がヘンリー・カヴィルさんで、KGBの方が

アーミー・ハマーさん。まあ頑張ってはいますが、アーミーが

ロシア人に全く見えないのが厳しい。ヘンリーはカッコええ。

正直もう少しクセのある人選でも良かったかな、と。BGMも

イカしてますが、何から何まで「スナッチ」に及ばない感じなん

ですよ。一つ傑作があると較べられて大変ね。(^ ^;)

しかも今年は「キングスマン」というぶっちぎりにイカした

作品の後なので、どうしても見劣り感がしてしまう。

 

今年スパイ映画は初めてで、ガイ・リッチー監督作品未見であれば

文句なくオススメできます。そんな人いる?あ、うん、結構いるか。

 

 

2015年11月19日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

あいうべ本

当院ではBスポット治療という聞き慣れない治療を行って

おりますが、この「B」は英単語の頭文字ではなく「鼻咽腔」

の頭文字だというのはあまり知られていない事実。


この鼻咽腔に慢性炎症があると身体中に炎症が引き起こされ、

鼻炎症状だけでなく腎炎や皮膚炎の原因になり得ます。これを

治療するのがBスポット治療なわけです。で、さらにその

鼻咽腔の炎症を引き起こす原因の一つが「口呼吸」です。


本来人間は「鼻呼吸」優位でなければいけないのですが、

「口呼吸」優位になってしまうと、鼻咽腔の炎症が起こり

やすいのです。そしてその「口呼吸」を改善する体操が

「あいうべ体操」です。やっとタイトルに繋がった。(^ ^;)


何度かこのブログでも取り上げていますが、この「あいうべ体操」

の総集編とも言うべきムック本がこの度発売になりました。


自律神経を整えて病気を治す-口の体操「あいうべ」


驚くべきは改善症例の写真の数々。ホントに?!と疑ってしまう

ような例がたくさん収録されています。また、体操方法だけで

なく、口テープのやり方や効果も紹介されています。僕も診察で

極力説明していますけど、時間的にも難しい部分がありますので、

是非一度この本を参考に自身の生活に取り入れて頂きたいと

思います。っていうか、やって、お願い。(笑)


特にこれから冷えて乾燥してくると、インフルエンザや風邪との

戦いになります。鼻呼吸でいつも口腔内が潤っている人ほど、

これらの罹患率は低いものです。さらにはアレルギーや精神疾患も

この季節悪化しやく、口呼吸と関係しているかも知れません。

薬を飲むよりも先に、自分で自分の身体を守る手段を手に入れて

頂きたいと思います。っていうか、やって。(笑)

2015年11月16日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「ヴィジット」

ぼくらのナイト・シャマラン監督最新作だよー。言わずと

知れた「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督

が仕掛けるサスペンス・ホラー。初めて会う祖父母の家に

訪れた(visit)姉弟は次第に2人の行動に不信感を持ち

始めるが…?

 

さて、売れっ子監督だったのも今は昔。現在では一瞬話題には

登るけれど、公開も素早く終了し、コアなファンの間でしか

話題にならない(しかもディスられる)シャマラン監督。

結構僕は「シックス・センス」以外の作品も好きで、今作も

密かに期待していました。

 

この監督の作品は意外な展開が売りなので、ネタバレ厳禁。

実はどんでん返しがない、というのも意外な展開だと思う

けど、そういうひねくれ者は淘汰される運命なので、彼も

大変だなぁ。変な感想。いやこういう映画はレビューが大変

なのよ。別に頼まれて書いてるワケじゃないけども。

 

正直、シャマラン監督にしては切れ味が鈍いというか、標準

レベルというか、あまりこれまでの彼の味は出ていません。

まあそれもまた意外な展開…(略)少なくともPOV方式

(1人称視点、ハンディカメラみたいな演出のヤツね)を採用

したのは他作品と類似性が出るだけで、あまりプラスになら

なかったと思う。内容がベタなだけに(あ、言っちゃってるし)

POVを採用しない方がむしろ斬新だったかも。いやベタ

だからPOVにせざるを得なかったのか?(また言った)

 

低予算の方が興行成績が良いのは有名ですが、今作は最も

低予算作品ながら法則を打ち破るでしょうな。変に期待を

裏切ろうとしないくていいから、「アンブレイカブル」や

「ヴィレッジ」みたいなシャマラン流B級映画が訪れる(visit)

のをまたじっと待つとします。

2015年11月12日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

アンチのアンチは

「ウソのウソはホントなの?」「裏の裏は表?」。世の中

相反、対立するものはたくさんあります。そもそも二元論

なんて理屈があるくらいですから、全てのものが二分される

のかもしれません。では、その境界は?


漢方にも陰陽、虚実、寒熱など診断の理論として二元論が

採用されています。でもこれはどちらが正しいというもので

はなく、またどちらか一方だけということもないのです。

つまり混在する、併存するものなのですね。ただ単にどちら

寄りなのか、ということです。だから境界も非常に曖昧です。

なぜならどちらか一方があって初めてその反対も成立する

からです。シーソーは両側におもりがあって初めて成り立ち

ますよね。


さて、だからと言って今回は漢方の話ではなかったりします。(笑)

世の中、善悪や男女など二元論で成り立つけど、どちらか

一方では成り立たないと言うことを忘れてないかい?という

話です。つまりシーソーの端っこに立って反対側を罵っている

構図が多いんでないの?反対側がなくなったら真っ先に立場が

なくなるのは自分でしょう?って思いませんか?


政治であれば与党と野党、思想であれば保守と革新、伝統で

あれば正統と異端。これらの論点は双方の差そのものではなくて、

どの辺が相反している境界なのか、なのだと思います。境界を

知ることが双方の存在を可能にするわけですから、境界の位置

こそが論議される価値のあることではないかと思うのです。

両極端な位置からお互いを批判しているのは境界に支配されている、

いわば同じ穴のムジナなのではないかな、と。校則を遵守する

生徒会長と、校則くそったれな不良も校則に支配されている

点で同類なのですね。例えが子供っぽい所はスルーで。(^ ^;)


TPPにしても安保法案にしても、是非を問うても恐らく答えは

出ないでしょう。是と非の間はどこなのか、一歩進んで、なぜ

その境界は生まれたのか、を直視しなければどうも進展しない

ように思います。

2015年11月9日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ