患者さんからこのような希望を聞くことがままあります。
これは整形外科に限ったことではなく、一般内科でも耳に
するようです。それだけ広く使用されている薬剤と言うこと
ですね。
で、患者さんに「貼ると効果あるの?」と聞くと「うーん、
ま、気休めかな。」と返されることもしばしば。(^ ^;)
どうも安心材料として使っている節がありそうです。
痛みに使用する湿布薬は抗炎症薬という歴とした薬です。
抗炎症薬というのはその名の通り、炎症を鎮める薬です
から赤みや腫れ、疼痛、熱感がある時に適応となります。
転んで足首が腫れている、急な寝違いで首が痛い、など
は適応になろうかと思いますが、慢性に続く膝痛とか、
冷えると悪化する神経痛、なんてのはそもそも適応外なの
ですね。
まあ安全だからいいんじゃね?的に思われてる方もいますが、
抗炎症薬というのは血管を縮めます。そうやって腫れや
赤みを引かせているわけですから、冷えが原因で痛みが
出ている人はむしろ悪化させる可能性があります。実際に
漫然と使用していた湿布を中止したら痛みとしびれが楽に
なった例もあります。是非知っておいてください。
ちなみに湿布薬は保険適応から外される可能性があります。
知人の先生から「整形外科で湿布が保険適応外になったら
大変だね。」なんて言われますが、全然そうは思いません。
市販薬と大差ないものを保険適応にする理由はあまりない
ですし、漢方薬を保険適応外にするのに比べたら、医療費
削減にもメリットがあるからねー。