院長室

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1食?2食?3食?

栄養療法や食事療法に興味を持った方ならば必ず

ぶつかるであろう壁、「1日何食がよいのか?」

ある先生は「3食キッチリ」と言い、また別の先生は

「1食が良い」と。はたまた「不食」の人まで本を

出す始末。さて、どうしたもんか?

 

答を先に言ってしまうと、「人それぞれ」。おーい!

なんじゃそりゃー!という声が聞こえて来そうですが、

別に答を放棄しているわけではなくて、そう考えるのが

ベターだからです。

 

人は自前でエネルギーを産生できる生物ではないので、

必ず外部からの供給が必要です。それが三大栄養素なのか

プラーナなのかは置いておいて、外部から取り入れる

ならば原料を分解して吸収する作業が必要です。さらに

それを細胞に運搬し利用して初めて活動ができる、

という仕組みになっています。

 

つまり活動には「原料」「分解吸収」「運搬」「利用」

という要素が必要なわけですね。これにさらにその人の

「需要」が関係します。活動にどれくらいのエネルギーを

要するのか、ということです。これらのパラメータに

よって食事の量と頻度と内容が決定されるわけです。

 

例えば、「利用」が落ちている人は一度にたくさんの

食事をしても無意味どころか「分解吸収」に負担がかかり

ますから、少量頻回の食事が必要になるでしょうし、

「分解吸収」に問題がある人は「原料」に配慮しなければ

いけません。こういった状態は千差万別なので、「人

それぞれ」が答になるのです。

 

怖いのは、「○○先生が言っていたから」というだけの理由

で色々な食事制限、あるいは偏った食事をしてしまうこと。

食事こそ、その時の状態に応じて相談しながら決めねば

なりません。本来は医師がその道先案内人になるべきなん

でしょうけど、まだそれは大分先の話でしょうね。

 

ちなみに僕は、職務形態、血液データ、自身の感覚、など

から勘案して今のところ朝夕の2食が良いようです。

2016年6月23日 木曜日

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便秘に下剤はダメなの?

最近腸内環境ネタが流行っている上に、下剤の副作用

なんてのも知られるようになって、下剤を控える風潮に

なっているようです。これ自体は歓迎すべき現象なんですが、

だからと言って便秘を放置するのはマズイです。

 

下剤に限らないですが、対症療法的な薬剤使用は「その場

しのぎ」であることに異存はないと思います。つまり効果は

限定的だと言うことです。しかも薬剤は異物ですから肝臓

での分解負荷が必ずあるわけで、そもそも限定的な作用

しかない薬を続けることはリスキーな治療とも言えます。

 

ただ、便秘は腸内環境を悪化させますし、腸内環境の悪化は

万病の元とも言えます。なので、下剤を利用して腸内環境の

助けになるようにするのは間違いではありません。問題は

下剤が次第に増えていくこと、腸内環境のケアを同時に

行わないこと、です。

 

要は「その場しのぎ」を延々としないために何をするかと

言うことなのですね。下剤はサブ的な治療で、メインとして

他の根本に近いケアをするのが正解だと思います。ここに

関しては薬物療法ではダメかも知れません。食事療法、

運動療法などと組み合わせて広い視野で対策を練るべきです。

 

特に食事については、これまでの習慣を変えることにもなるし

研究成果によっては情報が更新されることもしばしばで、

受け入れがたい部分もあると思いますが、極めて重要です。

診察でも結構鬱陶しがられますが(笑)、しつこく言い続けて

いこうと思っています。

 

2016年6月20日 月曜日

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「デッドプール/エクス・マキナ」

どちらもR15指定なのでよい子のみんなは観られないよ!

 

まずは「デッドプール」。マーベルヒーローの脇役ですが、

この度堂々の主役に。自身の病がきっかけで不死身になって

しまったというオバカ設定でかつシンプルな勧善懲悪モノ、

というシンプルさ。そしてセリフは超下品。これだけ聞くと

大して興味も湧かないかも知れませんが、いやはやどうして

めっちゃオモロイ。

 

と言うのも、映像の見せ方の工夫が素晴らしく、また他の

作品をイジりまくったり、自分をディスったり、観客に

語りかけたり(これをメタフィクションと言う)、まあ

派手にやりたい放題で爽快なんです。全編にわたる下ネタ

や、お下劣言動も主人公が純粋なのであまり嫌悪感はあり

ません。女性は引くかも知れませんが。(^ ^;)「マト

リックス」に比肩…とまでは言いませんが、次作も期待

してしまう良作です。

 

そして「エクス・マキナ」。これは問題作です。ある研究者

が開発したAIを搭載したロボットのテスト、という設定で

ほぼ密室劇かつ登場人物は4人、でもとってもスリリングな

センス効きまくりの作品。AIものは一つのカテゴリになる

くらい古来数々の名作があるので、どこに新鮮味を持って

くるのか興味がありましたが、一つは視覚効果。この部門で

アカデミー賞を受賞したのも頷けます。

 

そしてもう一つは「性」でしょうか。ここがR指定になる要素

かも知れないですが、でもだからこそ若者にも観て欲しいな

と思います。AIものは人間の存在、意識が俎上に上るので、

どうしても哲学的な流れになってしまいますが、ここに「性」

を持ってくるのは必然でしょう。新進気鋭の女優さんのヌード

が拝めるぞい!なんていうゲスい大人の目線ではなく(笑)、

純粋な若者の感性でこれを観て欲しい。そして衝撃を受けて

欲しい。もしかすると覚醒者が出るかも?!難点は上映館が

少なすぎること。観に行こうと思うと軽く半日つぶれます。

 

第3者の厳格公正な視点で見ても違法ではないが不適切な

表現だらけなので(←言ってみたかっただけ)、R指定は

仕方のない2作ですが、それだけドンガった作品でもあり

ます。観る価値アリです。

2016年6月16日 木曜日

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足し算と引き算

TVや雑誌、巷に氾濫する健康情報はどれを選べばいいか、

あるいは使用して効果があるのか、皆さん興味深いところ

だと思います。健康意識が高い人ほど悩むのではないで

しょうか。

 

健康になって何をしたいのか。あくまで健康関連商品は

目的のためのツールであるべきですが、一つ注意すべき

点があります。健康を左右する因子は大きく2種類ある

ということです。それは過剰のものと不足しているものです。

 

現在の不調は、何かが不足して起こるのか、はたまた

何かか過剰で悪さをしているのか、あるいはその両方か。

こういった視点が重要なんです。不足していれば補充

すべきだけれど、過剰ならば削らねばならないですよね。

 

巷にあふれる健康関連商品は得てして不足を補うための

ものです。「中高年に不足しがちな○○をなんと△△g配合!」

とかね。彼らも商売ですから何かを売らないと利益が

出ません。すると、常に「足し算」の健康法に偏ってしまう

わけです。「□□を摂らない方がいいよ!」ではお金に

ならないですから。

 

「断捨離」なんて習慣が流行りましたが、まさに「引き算」

です。足りないものだけでなく、過剰なものはないか、

という意識がとても大事です。

2016年6月13日 月曜日

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コレステロールと中性脂肪

何かと話題に上るこの2つの脂肪、皆さんチェックして

ますか?最近では腸内環境と絡めて、コレステロール値が

下がるヨーグルトとか便乗商品が増えています。それって

ホント?

 

そもそもコレステロールはタンパク代謝を、中性脂肪は

糖代謝を反映する項目なので、同じ脂肪でも意味合いは

全く違います。コレステロールは動脈硬化の原因とされて

いますが、同時にホルモンの材料になったり細胞膜の

構成成分になったりと、極めて重要な物質です。低コレス

テロールとうつ病の関連性も指摘されているくらいです。

 

じゃあ、数値は高い方がいいの?低い方がいいの?アタシ

分かんない!(←キモチワルイ)その答は、高い方がいい、です。

日本の検査結果の基準範囲はかなりシビアな設定なので

上限を少し超えたくらいがちょうどいいでしょう。では

動脈硬化は心配しなくていいのか?

 

実はコレステロールが動脈硬化の原因になる状況という

のは中性脂肪が高い時なんです。つまりコレステロール値

と中性脂肪値が両方高い人はリスクが高い、ということに

なります。ですから、コレステロールは緩くていいですが、

中性脂肪は厳格にコントロールすべきです。そして中性脂肪

が上昇するのは糖質過剰、アルコール過剰の時でしたね。

 

ヨーグルトにすがるよりも先に、これらを制限して中性脂肪

を監視する、というのが正解です。

2016年6月9日 木曜日

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