痛みに限らないかも知れませんが、なかなか良くならない症状と
遭遇した時、つい「ストレスが原因」と片付けてしまいがちです。
外的要因は正確にはストレッサーと言うべきですが、まあそれは
さておき。
確かにストレス反応で痛みが軽減しない、あるいは増強すること
はあります。慢性化すればなおさら。こういう場合、痛み止めは
あまり効かないことが多いので抗不安剤や抗うつ剤などが処方され
ます。漢方でも「気を緩める」系統の薬を使うことになります。
そもそもなぜストレスで痛みが悪化するのか、というと痛みを
抑える物質の低下と酸欠が起きているからです。痛みを抑える物質
の代表がセロトニンです。セロトニンの低下があると痛みを感じ
易くなるということです。抗うつ剤を痛みに使用するのはこの
機序があるからです。しかし抗うつ剤でセロトニンの絶対量が
増えるわけではないので、効果は部分的であることが多いです。
そして酸欠を来すのは血流障害ですが、これは血液の質の問題と
血管の問題に分けられます。血液の質の問題としては鉄をはじめ
とした栄養素が関係し、血管の問題は血糖乱高下が関与します。
セロトニンの合成もアミノ酸や鉄、ビタミンB群が関与しますから
ストレスは栄養の問題である、と言い換えられるでしょう。
抗うつ剤使用を否定するわけではないですが、並行して栄養問題
を見つけ出して解決することがとても大事です。