栄養療法の骨子が食事指導であることは周知の事実であります。
その補助としてのサプリメントであり、その方針決定のための
各種検査であることもお伝えしてきた通りです。
まあ毎回「あれ食え」「これ食うな」と言われるのも鬱陶しいこと
だとお察し申し上げますが(笑)、実はその大前提としてさらに
重要なのは「よく噛むこと」です。意外とここが盲点なんですなぁ。
例え非の打ち所のない食事を用意しても、咀嚼がしっかり為され
なければ、そのぶん胃腸の負担は増えることになります。食材の
まま吸収されるわけじゃないですからね。もともと日本人は胃酸が
少ない民族でもありますから、より噛むことが重要になります。
もしもしっかり咀嚼されない食材が胃腸に落ちれば、吸収不全を
招くだけではなく、腸内細菌のアンバランスをも来しかねません。
また噛むことは満腹中枢への刺激にもなりますから、過食を防ぐ
効果もあります。
もしも良い食事をしてるはずなのに、腹が張る、とか腹痛が出る、
とか便臭やガス臭が強い、と感じたら一度咀嚼習慣を見直してみる
必要があるでしょう。費用かからんし。また歯科治療中であったり
顎関節症があったりすれば、それも咀嚼不全につながりますから、
より吸収に気を配らねばなりません。消化酵素剤を使用するのも
一つです。
昔から食事の際に「一口20噛み」なんて言いますが、まさにその
通り。既に腹に不調がある場合はさらに噛んでもいいくらいです。
忙しい最中ほど、食事はごゆるりと。