院長室

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大麻の是非

また著名人が大麻で逮捕、となりました。著名人に留まらず若年層

での使用も増えているそうなので、他の薬物に比して広く使われて

いるのが実情なんでしょう。

 

是非、と問われれば法律的にはもちろんNGなので、「非」に

決まっているのですが、度々大麻の規制緩和が叫ばれますよね。

高樹沙耶さんの訴えなんかが有名です。曰く、医療用大麻は

危険どころか有益なんだ、と。世界では普通に治療に使用されて

いるのに日本は遅れている、救える可能性があるのに無慈悲だ、

と言ったところでしょうか。

 

まあ実はその通りなんですが、医療用大麻というのは存在しません。

大麻にはカンナビノイドという様々な成分が含まれるのですが、

その中のカンナビジオール(CBD)というカンナビノイドが治療に

有効だというのが分かっているのです。しかも癌やうつ、

各種免疫疾患など一般には難治と言われている疾患に効果が

あるってんだから、そりゃ使いたくなるわけです。

 

一方でテトラヒドロカンナビノール(THC)というカンナビノイド

は精神への影響があり、これが中毒性などの問題になります。

これがあるために日本では規制が厳しいのです。実際にラリって

運転したら事故に繋がるでしょうし、本人の身体もおかしく

なるでしょう。

 

栄養療法をやる医師の間でも、大麻の医療応用は度々話題になり

ますが、純粋にCBDだけの製品が作れるのか、どのくらいの

容量がベターなのか、どういう人に向いているのか、など解決

すべき問題は色々ありますから、いきなり合法になることは

ないと思います。特にこういう嗜好目的での使用が乱発すると

医療応用なんて夢のまた夢、なんてことになるでしょう。個人的

にはまだ静観かな、と思っています。

2019年5月23日 木曜日

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