適材適所という言葉がありますが、栄養素もまさにコレで身体に
均一に存在するわけではないのです。
例えばビタミンCがシミに良い、とよく耳にすると思いますが
それはシミが皮膚の酸化の結果であり、ビタミンCに抗酸化作用が
あるからです。でも身体は常に酸化しているので、酸化しやすい
部位に最もビタミンCが使用されています。そして最も酸化しやすい
臓器が副腎なので、ビタミンCは副腎から順に消費されます。
となると、シミに効かせるためには副腎が元気になる必要がある、
となりますね。さらに副腎の次にビタミンC消費が激しいのが
脳や眼の水晶体です。皮膚は結構後回しなんですな。残念ながら。
じゃあ大量に摂れば皮膚にも届くじゃん、となりますが、実際に
どのくらいの量が適正なのかはかなり個人差があります。特に
ビタミンCはまとめて大量に摂っても吸収上限があるので、全て
が吸収されるわけではないのがもどかしいところです。
ビタミンB群についても同様で、ビタミンC以上に多様な効能を持ち
ますが、ミトコンドリアでのエネルギー産生にまず使用されるので、
ここがうまくいかなければ他には回されにくいです。ただビタミンB群
はB2の作用で摂取すると尿が黄色くなりますから、これがある程度
身体に行き渡っているかの指標になります。B群を摂っているのに
尿が透明になった場合は不調の前兆かも知れません。
その他、鉄も亜鉛も栄養療法ではメジャーな栄養素ですが、この
優先順や偏在があることを前提に病態を見ることがとても重要です。
各栄養素の効果効能だけをもって摂取するのは危険とは言いませんが
無駄になることはあり得ます。このあたりはまだAIにはできない
部分だと思うんだけど、いや、そのうち我々も不要になるのかな?
まさに適材適所。(^ ^;)