見渡してみると「○○療法」ってホントたくさんありますよね。
そして効能には「アンチエイジング」「細胞を活性化」「免疫強化」
といったボンヤリしたものから「痛みを消す」「花粉症撃退」と
いう具体的なものまであります。そりゃあ、皆さん目移りするわ。
で、実際にやってみると効果がなかったり、一時的であったり、
完全ではなかったり、となかなか満足が得られるものではない
ことも多々あります。そしてまた次の治療法へ…と。(^ ^;)
もちろん全然ダメではありません。むしろ自分で情報を収集し挑戦
することは良いことだと思います。医療への不信の裏返しでも
あるけれどもね。
ウチも色々な治療を扱う都合、それらを望んで来院される方は
多いわけですが、必ずお伝えするのはその治療法の理屈です。
つまり「効果効能」を推すのではなく、どういう病態の時に
この治療法は効果が出るのか、ということです。要は適応です。
いくら素晴らしい「効果効能」があっても、その方が適応外なの
であれは無意味です。
例えば糖質制限ひとつとっても、糖質過剰で不調があるから
制限すると好調になる、という理屈をとばして「ダイエット」
という効能のみを目指すと失敗するわけですな。さらに同じ
効能を持つ治療法を無闇に組み合わせて混沌としてしまう場合
もあります。
逆に治療の理屈が分かって、その方の病態が明らかであれば
治療を組み合わせることで相乗的な効果を発揮することがあり
ます。糖質過剰で血糖値の乱高下により血管が収縮して酸欠に
なっているがために痛みが出ている、と分かればベースとして
糖質制限食を選択しながら血流改善効果のある漢方薬を飲む、
というのは無駄のない治療になりますよね。
効能だけを謳って商品を売ったりするのは不誠実ですし、実際
に時間とお金を無駄にすることも多いですから、全てを明らか
にはできないまでも理屈を重視して治療選択して欲しいと思い
ます。