自分でもうっかり整形外科医であることを忘れている今日この頃
ですが、標榜している以上腰痛や肩こりの患者さんはもちろん
みえるわけで、中でもヘルニア…と言われている方は結構います。
ヘルニアとはもともとは「飛び出る」という意味で腰椎椎間板
ヘルニアと言えば腰の椎間板が飛び出ている、ということです。
他にも鼠径ヘルニア、食道裂孔ヘルニアなどなど部位によって
色々あります。
我々が扱うのは腰や頚のヘルニアなわけですが、椎間板が
ヘルニアって(?)何が起きるかというと、すぐ傍の脊髄を
押すので、その神経支配領域の症状が出るのです。腰の神経
は足に、頚の神経は手に行くので椎間板ヘルニアというのは
基本的に四肢の症状がメインなんです。
例えば腰痛だけで足の症状が何もなければ、恐らくヘルニア
ではありません。現在ではMRIが発達して神経の圧迫状況が
画像で確認できますが、昔はレントゲンしかなかったので
何でもかんでもヘルニアと診断されていた事情があります。
さらに四肢の症状=ヘルニアというわけでもなく、例えば
梨状筋症候群や胸郭出口症候群のように筋肉などによる圧迫
が原因の場合もあります。これにはハイドロリリース注射や
筋膜リリース的徒手療法が効果的です。
当然鉄やマグネシウムなどのミネラル不足により筋緊張が
出ている場合はそれらの補正が治療になりますが、これを
言うとまた整形外科医であることを忘れるので今回は触れず
におきましょう。(笑)少なくとも、腰痛=腰のヘルニア
ではない、と覚えてください。