糖尿病や高脂血症と並ぶ生活習慣病の3巨頭(?)の
ひとつ、が高血圧症です。健康情報誌などでも、盛んに
「血圧が○○を超えたら△△」みたいに危機感を煽ります。
それってホント?
血圧が高いと頭痛やめまいが起こり得ますが、それ即ち
脳出血や心筋梗塞のリスク、というわけではありません。
恐ろしい病気を挙げておけばみんなビビるやろ的なニオイ
がするので、こういうちょっと飛躍した論には注意が
必要です。
そもそも血圧は身体中に酸素などを行き渡らせるために
血液を押し出す力です。例えば短距離走をして急激に酸欠
になるような場合は誰だって血圧は上がります。また
血管は自律神経に支配されますから、緊張して交感神経
興奮状態になればこれもまた血圧が上昇します。
つまり血圧は必要に応じて変化するものであり、それが
病的なのかどうかをまず考えなくてはいけません。治療に
際して、まず数値ありき、なことが多く病的かどうかの
判断をせずに降圧剤を処方して、却ってその方にとって
必要な血圧を維持できず不調にさせている場面も見られ
ます。
ウチでも血圧の薬は処方しますが、本当に必要かどうか、
を定期的に判断することを怠ってはいけないと思います。
気温が上昇すれば生理的に血圧は下がるものですから、
この季節は減薬できる場合が多いはずです。高血圧症に
限りませんが、生活習慣病は生活習慣で治すものです。