さていよいよ梅雨に向かって気圧変動の季節になって
きました。例年、五苓散をはじめとする「利水」効果
のある生薬を配合した漢方薬で対処していますが、
これだけではダメ、という場合もあります。
西洋医学的には乗り物酔いなどに使ういわゆる「酔い止め」
の薬が効果アリ、とされています。耳鼻科で処方して
もらえます。栄養療法的には自律神経バランスや
タンパク代謝を整えることで対処しますが、これは
速効性はないのでオンシーズンに始めても効果を感じ
ないかも知れません。
薬物療法、食事療法、とくれば残るは運動療法ですね。
え?運動が気圧病に?と思うかも知れませんが、意外
にも対策があるんです。それはズバリ頚。しかも後頭部
のすぐ下、髪の生え際辺りが狙い所です。
脳は脳脊髄液という液体の中にぷかぷか浮いている状態
ですが、これは脳だけでなくその名の通り脊髄周囲も
満たしています。つまり脳から脊髄をオタマジャクシに
例えて、オタマジャクシの全身が水の中に浮いている、
というのが正常状態です。この脳脊髄液の流れが悪くなる
と気圧病が出やすいので、一番くびれている部位=
頭と頚のつなぎ目、が運動療法的な治療対象になるわけ
です。
専門的な手技はさすが自分ではできませんが、簡易版と
して、後頭部と頚の境目に指をあてがって顎を引きながら
真上に引き上げる、という操作で脳脊髄液の流れを改善
する効果が期待できます。頚凝りなんかにも良いので、
是非試してみてください。