院長室

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「探偵はBARにいる2」

待ってました!洋ちゃん主演ハードボイルド映画の第2弾です。僕の第2の故郷、

札幌を舞台に地元出身の大泉洋さんが大活躍する様はそれだけで楽しいです。

 

今回もアクションあり、ギャグあり、セクシーあり、のハードボイルドサスペンス

で全方向性の娯楽作に仕上がっております。が、無駄なアクション、無駄なセクシー

も多くあまりに八方美人的で、内容が薄味になっているのもまた事実。前作を

上回るスケール!という宣伝は完全に言い過ぎでしょう。

 

脚本もサスペンスパートは何のひねりもないわけで、もっと相棒役の松田龍平さんや

ヒロイン役の尾野真千子さんとの絡みを増やして人間ドラマ的な方向に持って行った方

がよかったかな。渡部篤郎さんも味のある演技をしていたし。というのも、この作品は

探偵が奇想天外な推理を展開したり、超人的に強かったりするのではなく、前作も今作も

テーマは「やるせなさ」なんです。(多分)どうにもならない現実とのギャップを探偵

が悲哀を込めて慰める作品なんです。(多分)

 

洋ちゃんのエンターテイナー性は一級品ですから、どうも弾けたコメディと誤解

されがちですが、作品のためにはその方向性は捨てた方が良いでしょうね。どうも

3作目もあるような雰囲気だし。僕みたいな洋ちゃん大好き補正と札幌懐かしいね

補正が入る人には楽しい作品ですが、それのないノーマル(?)な人には、ちょっと

物足りないかもしれないです。

 

なまらざんぎがはんかくさい!が解読できる人にはオススメしときます。(笑)

 

 

2013年5月16日 木曜日

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「HK 変態仮面」

全国の安田顕ファンの皆さまこんにちは。先週のレビュー作品と落差が

ありすぎて、情緒不安定じゃないのかと疑われそうですが(^ ^;)、そんなの

全く気にならないほどオモシロかったです。ヤスケン、ついにやったな…!

 

この作品、冗談抜きで300回くらい「変態」という台詞が出てきますが、

もう本当に下らないしお下品で、完っ全に変態なんですが、泣けるくらい

笑えます。女性のパンティーをかぶると超人的な力を発揮する主人公の

活躍を描く、と聞いただけで引く人には向いていませんが、ドリフのコント

やひょうきん族で育った世代にはゾクゾクしますよね。よね?

主人公を演じる鈴木亮平さんはこの作品のためにわざわざ肉体造りをしたと

いうまさに変態。(笑)肉体だけでなく、声も素晴らしく変態仮面を完璧に

演じ切りました。敵の変態達もお見事で、客の引くギリギリラインで

うまく演出した手腕に拍手を送りたい。だって、股間を押しつけて回転する

のが必殺技なんですもの。これだけでゾクゾクし…(略)

惜しむらくはラストでヒロインがとるある行動です。ここに羞恥と遠慮が

あった!ド不真面目なことを超真剣に描く映画なのだから、最後の最後に

遠慮しては台無しというもの。ここだけでももう1回撮り直して欲しい。

そうすれば満点の映画になるのに…。

 

で、ですよ。安田顕です。ヤスケンです。最大のライバル変態役なんですが、

何を隠そう彼はリアル変態なので、もう水を得た魚です。ブリブリ泳ぎまくって

ます。ヤスケンの持ち込み企画なんじゃないかと思うくらい泳いでます。この映画

で彼の魅力にとりつかれてしまった人は是非、「マッスルボディは傷つかない」

を鑑賞していただきたい。映画じゃないけど。

来週には洋ちゃんの主演映画も公開されるし、NACSファンには堪らない5月

の幕開けとなりました。

 

ちなみに題名に「HK」と入れることでチケット購入時の事故(笑)を防ぐ

配慮がなされておりますが、男はもちろん堂々と「変態仮面1枚!」と宣言して

買いましょう。20年前に原作を読んでいなかったのが悔やまれる…!

 

眞野くん、ありがと−!(私信デス)

2013年5月2日 木曜日

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「舟を編む」

15年にも及ぶ辞書編纂作業にまつわるエトセトラ、な映画。辞書編纂が

そんなに大変だってことを知るだけでも「ヘーヘー」なんだけど(古い)、

全編抑えめな表現で、言い過ぎず、それでいてしっかり情熱が伝わる大変

素敵な映画でした。

 

原作は未読ですが、結構変更点もあるようなので原作ファンにも楽しめる

のではないでしょうか。辞書編纂を知ることは新鮮ではありますが、その

作業は極めて地味。激しく地味。それでもこの映画が飽きさせず、その上

強い感動を呼ぶのは人物描写の巧さの賜物でしょう。冴えないけど、集中力

はある主人公を松田龍平が、その恋人を宮崎あおいが、主人公とは全く反対

の性格の上司をオダギリジョーが、皆さんとても良かった。特に宮崎あおいは

登場シーンこそ少ないものの、圧倒的な存在感(とかわいさ ^ε^)で魅了

しまくりです。

 

監督は石井裕也氏。この監督の作品は評価は高いものの、アクが強いので僕は

あんまり相性が良くなかったのですが、今回はこれまでとガラリと変わって

上品そのもの。なんだ、どうした?と思ったら今回脚本は兼務してなかったよう

で、これが大正解だったんでしょう。分業して新たな境地に至る、と言った

ところでしょうか。これからもこのスタイルでいて欲しいです。

 

地味な題材をここまで面白く、感動的に仕上げた点だけをとっても今年度屈指の

作品です。ずっとこの世界を観ていたいと思わせてくれる素敵なデキですので

強くオススメしときます。(なんせ宮崎あおいがかわいい ^ム^)

2013年4月25日 木曜日

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「ライジング・ドラゴン」

きっと次のレビューは「ライジング・ドラゴン」だな、と予想していた方

こんにちは。ちっ、また映画の話かよ、と思った方もこんにちは。(笑)

ジャッキー・チェン最後のアクション映画と宣伝されたこの映画、ジャッキー

に育てられた(?)僕としては観ないわけにはいきますまい。

 

どうせ客寄せの過大宣伝だろうと高をくくっていましたが、なんとエンドロール

でジャッキー自らナレーションで最後宣告をしております。ホントだったんか…!

確かに彼ももう59歳(!)で近年の映画ではアクションは控え気味でした。

あの身体を張ったアクションの数々をこなして、この歳まで現役でいること

自体驚愕なんですが、その集大成として作成したこの映画はもちろん彼らしい

アクション満載でした。

 

ストーリー的には、失われた十二支像(日本の十二支とは違う。豚がいる。 笑)

を集めるってだけなんですが、単純なようで実は結構分かりにくい。中国から

世界に散逸した貴重な遺産を取り戻すという活動は実際に行われているらしく、

ジャッキーもそれを支援してのこのテーマなのかも知れないですが、中国の

正当性を主張する姿勢にはちょっと違和感。パクリ大国のくせに!と思ってしまう

のは否めないところです。ただ劇中ジャッキーが遺産を偽造してオークションで

儲ける悪玉に「偽造するな!」と一喝するシーンが盛り込まれている辺り、良心の

呵責があるのでしょうか。(^ ^;)

 

なぜそこで戦うのよ?みたいに脈絡のないアクションシーンが多いですが、その

アクションはトリッキーであったり、殺陣のようであったり、もうまさにジャッキー

にしかできないものばかりです。ストーリーは軽く流して(ええっ)ジャッキーの

アクション祭りと思って観るのが正解かもしれません。いやぁ、もう観られないと

思うと途端に過去の作品が走馬燈のようによみがえりますね。名シーンを集めた

DVDとか出たらバカ売れするでしょうな。(ファン目線)

 

シュワちゃんみたいに10年くらいしたらリアルに l’ll be back しちゃうかも知れません

が、ジャッキーなら大歓迎です。(^ ^)あと吹き替え版が字幕版よりも上映回数が多い

ってのも笑えました。石丸博也さんももう70歳ですって。改めてすごい歴史を感じ

ました。

2013年4月18日 木曜日

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「クラウド・アトラス」

ウォシャウスキー兄弟(今は姉弟らしいですが ^ ^;)による壮大な転生の物語。

中世から未来までの6つの世界の物語中、それぞれのキャラクターがある時代

では悪人だったり、別の時代では善人だったりと転生していく様が面白い。

 

原作では時代順に物語が描かれているそうですが、映画版では6つの時代を同時

並行で描きます。ここがこの映画の一番の見所でしょう。冒頭、いきなり6つの

世界がバラバラに描かれて、さっそくチンプンカンプン。やべぇ!ついて行けない

かも!的なスリルを味わえます。(笑)さらに3時間に及ぶ尺なので、途中で

気持ちが折れてしまうと(?)苦痛の時間となること請け合いです。まあ、つまり

この演出は長所でもあり短所でもあるんですね。

 

しかしさすがはウォシャウスキー、それぞれの物語のリンクする点を上手に

つなぎ合わせることで、見事に一つの作品に昇華させています。6つの

クライマックスが同時に迫るラストのカタルシスは圧巻です。僕的にはこの演出は

大成功でした。

 

あとは役者の七変化(?)が面白いです。後から、えっこの役はアイツだったんかい!

で盛り上がるでしょう。ハル・ベリーにあの役はないだろ…。みたいな。(^ ^)

トム・ハンクスさん、ヒューゴ・ウィーヴィングさん、ヒュー・グラントさんなど

そうそうたる顔ぶれが特殊メイクで笑わせてくれます。

どうも日本では宣伝もしていないし、配給会社も極端に少ないですよね。アメリカでの

興行成績が不良だったらしいですが、むしろ原発批判している内容が問題なのかな?

と勘ぐってみたり。鑑賞前のトイレは必須ですし(笑)、ある程度心構えも必要な作品

ですが、是非とも体験してみて欲しいです。

2013年3月29日 金曜日

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