院長室

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「グランド・イリュージョン」

デヴィッド・カッパーフィールドのイリュージョンに度肝を抜かれてかれこれ20年。

以来すっかりマジックファンになってしまったのですが、そのデヴィッドさんが

アドバイザーに参加している作品です。ちなみにDaigoが字幕の方のアドバイザーで

参加してるそうですが、特にその気配は感じませんでした。(笑)

 

4人のマジシャンが大がかりなイリュージョンで実際に銀行から金を消した!これを

事件として捜査に乗り出す警察と、マジシャンのネタばらしを生業とする人物の

三つ巴の騙し合いが始まった…!ってもの凄いドキドキするストーリーですよね?!ね?!

正直、「いくら何でもそりゃねーだろ」と思えるご都合主義的展開が多く、また

マジックより催眠術に頼り切ってるよね?というブチ壊し感もあったりで、ツッコミ

疲れするくらいなんですが、テンポがよく、演出もイカしているのであんまり

気になりません。これもイリュージョンなのか?!(笑)

 

冒頭からタイトルまでのシークエンスなんてめっちゃカッコいいです。4人のマジシャン

もとっても雰囲気がよく、またネタばらしもちょいちょい出てくるので、飽きません。

原題は「Now you see me」で、マリック風に言えば「よく見てて下さい!」なんですが

これは劇中何度も出てくる「近づきすぎると見えなくなる」という台詞にリンクして

います。なので、邦題のセンスのなさにまた閉口するわけですが、この映画はマジック

を題材にはしながら実は人間関係の距離感がテーマだったりするところがニクいです。

 

とかくこういうミステリちっくな作品はキャスティングが難しいです。あまりに有名な

俳優をちょい役で使うはずないので、小説よりも前情報が多く色々と予想されてしまうん

ですよね。今作ではモーガン・フリーマンがそうです。ネタばらしを生業とする役なん

ですが、どうしたって重要な役だと最初から思ってしまいますよね。さてその真相は…

観てのお楽しみ。(^皿^)

 

個人的“イリュージョン”度では「レッド・ライト」の方が上ですが、マジックファンならず

とも楽しめる見事な“ショー”に仕上がっております。

2013年11月7日 木曜日

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「そして父になる」&「謝罪の王様」

またも無謀なダブルヘッダー。したくてしてる訳ではないんですが、次が

詰まっているのでね。仕事か。

 

さてまずは是枝裕和監督の「そして父になる」ですが、福山カッコイイとか

福山カッコイイとか噂は聞いてますが、福山カッコイイです。(笑)でも

それは、見た目ではなく良い演技をしているという意味で。子供を取り違え

られた2組の夫婦の物語ですが、中心になるのは福山さん演じるプライドが

高く、自分の価値観を子供にまで押しつける自己中な父親。彼が事件を

通じて本当に“父になる”様は静かな感動を与えてくれます。実生活で父では

ない彼がここまで演じられるのは素晴らしいですね。

 

是枝監督の作品は実は初めてでしたが、周防正行監督の「それでもボクはやって

ない」に雰囲気が似ていました。台詞は少なめで抑揚を抑えた演出、登場人物

にも寄りすぎることなく、そして答えは明示しない。そんなだから見ように

よっては冷徹で退屈に映るかも知れませんが、僕は好みでした。

 

そして宮藤官九郎監督の「謝罪の王様」。いやもう「バカでねーの?!(拍手)」

的なネタだけで構成された作品です。1本目の静かな感動が全て吹っ飛ぶという

希有な経験をさせて頂きました。(^ ^;)謝罪を代わりに請け負うという架空の

職業を生業とする主人公の物語ですが、沢尻エリカから田中元防衛大臣までイジり

倒して、超絶バカバカしい謝罪の数々を繰り広げ、挙げ句 EXILEとE-girls の

ダンスで締めるというやりたい放題。…大好きです。

 

それでも物語構成はオムニバス形式になってはいるものの、それぞれが伏線になり

まくっていてウマイです。まさか三谷幸喜監督と北野武監督までパロったのか?!

と思ってしまいます。そこまで深みはないですが、こういうドアホウ(喝采)な

作品もよいですね。

 

いやしかし、2本とも良かったけど別の日に観るのをオススメします。温度差が

ありすぎて鑑賞後のテンションがハチャメチャになります。(^ ^;)

2013年10月31日 木曜日

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「トランス」

「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督最新作です。映画館に行く前は

「そして父になる」を観る気マンマンだったんですが、「トランス」がもうすぐ

終わってしまいそうな気がしたので急遽変更。そんな基準なら「R100」観ろよ、

というブラックなツッコミはなしの方向で。

 

オークション会場で強盗団にまんまと高額な絵画を盗まれるが、強盗団が中身を見る

と空だった…さて絵は一体どこへ?!というお話。クールな演出でスタイリッシュな

サスペンスが展開される…と思いきや話はあらぬ方向へ。現実と夢想が交錯しまくる

ので混乱必至です。題名からしてアンフェアでも何でもないんですが、サスペンスで

これやるともう何が何だか分からなくなってしまいます。R15指定なのでエグい場面

も多々ありますが、必要なエグさでもあるのでこれは仕方ないでしょう。

 

まあでもこの監督の演出がセンスフルなのは相変わらずで、かつ挑戦的である点も

衰えていません。傑作「スラムドッグ〜」もラストシーンで観客を欺くかのような

演出をしましたしね。だからつまりこの映画はダニー・ボイル初心者はやめた方が

よいです。多分イライラして終わります。(笑)なぜ冒頭のクールなノリで最後まで

作らなかったのか…うん、監督自身がつまらないからだな。(^ ^;)

 

そして夜は大学時代の友人と久しぶりに会って食事。というか飲み過ぎ。最近、あまり

飲酒しなくなっていたので応えましたよ。(+_+)勤務医の彼はそろそろ開業を考えて

いると。そのための準備だとかお金のやりくりだとかの苦労を聞くと、僕は恵まれて

いるな、と改めて思います。特に負債を負わずに開業できちゃってるし、自分の好きな

診療内容で通しているし。医局のしがらみもないし。(笑)

 

何か還元しなければいけない感に駆り立てられたので、もうすぐ引退らしい共通の恩師

を豪勢に温泉旅行でも連れて行こうと計画しています。

2013年10月24日 木曜日

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「エリジウム」&「サイドエフェクト」

久々の映画鑑賞はこれまた久々のダブルヘッダー。眼が痛い。頭も痛い。

 

まずは「エリジウム」。前作「第9地区」がぶっちぎりに面白かった

ニール・ブロムカンプ監督作品です。かなり期待していましたが、まあ

2作目のジンクス?か平均並みでした。富裕層は宇宙コロニーに住み、

大多数の貧困層は地球で厳しい暮らしをする、という差別を扱ったあたり

は前作と同様ですが前作はなんせ対象が宇宙人でしたからね。(笑)

今作は人間同士の貧富の差なので、まあよくあるテーマに成り下がって

しまいました。主演のマット・デイモンさんや敵役のジョディ・フォスター

さんも熱演していますが、テーマにあまり新鮮味が無く脚本がご都合主義

すぎるので、どうも乗り切れないんですよね。この監督も日本の特撮や

アニメのファンらしく、メカニックや武器なんかは前作同様、カルトな

感じで良いです。手裏剣型時限爆弾とか結構バカです。(笑)

 

対して「サイドエフェクト」は拾いモンでしたね。抗鬱剤で夢遊病の副作用

が出た際に起こした殺人は罪になるのか?!という医療サスペンス的触れ

込みでしたが、いやはやどうしてそうは単純ではない、という魅力的な

映画です。主人公は殺人を犯した女性の主治医である精神科医ですが、彼も

精神的に追い込まれて行き、え?これサイコ映画なの?と観客にジャンルさえ

も疑わせるという技巧的な演出は「エリジウム」と対極を成すと言ってもいい

でしょう。そのおかげで、2作とも同じくらいの上映時間なのですが、

こちらの方が断然緊張感があります。内容は「エリジウム」の方が緊張感が

あるはずなんですけどね。(^ ^;)

主演はジュード・ロウさん。もはや美青年と言える歳ではないですが、やはり

カッコいいです。他のキャストも良かったです。

 

洋画のダブルヘッダーをすると途端に邦画が恋しくなりますが、この週末から

「そして父になる」と「謝罪の王様」が始まるではないですか。いいねぇ。

「許されざる者」はオリジナル版が大して好きでもないのでスルーです。

2013年9月26日 木曜日

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「パシフィック・リム」

巨大ロボットと怪獣が派手に戦う。ただそれだけ。だがそれがいい。予想通りの

そんな映画でしたが、こいつぁ熱い。なんせリアルマジンガーZ vs 東映怪獣軍団

ですからね。登場する怪獣もそのまんま「KAIJU」という表記だし、その造形も

ギロンやギャオスじゃん!的なオマージュたっぷりなもので、ロボットに至っては

なんとパイルダーオンしてしまうという、全編日本のアニメ・特撮贔屓の確信犯的

映画です。意味わかんない人ゴメンナサイ。(^ ^;)

 

とにかくバカでかい怪獣が街をメッタメタにして、それに対抗する手段として

人が乗り込むタイプの巨大ロボットで応戦するわけですが、ロボットってそもそも

人の代理で戦う目的だから、パイロットがわざわざ危険を冒して乗る必要ないん

じゃね?とか、必殺技を出す時にいちいちでかい声で技名を叫ぶ必要あるのかね?

とか、とりあえず人型にする意味って何さ?とかいう触れてはいけない疑問(笑)

にもちゃんと一応の答えを用意しており、ストーリーなんてないんだけど、工夫は

すごくしてます。

 

準主役の菊地凛子さんの存在感もかなりのもので、ちょっとしたアクションもそつ

なくこなし、普通に日本語でしゃべってます。(笑)上司のアメリカ人もちょいちょい

片言の日本語をぶち込んでくるので気が抜けません。ここまで日本に気を遣ってもらう

と却って気が引けるというか…。(^ ^;)芦田愛菜ちゃんの演技がもてはやされて

いますが、まあそれも気を遣ってのことということで。

惜しむらくは派手な「KAIJU」の造形が、デカすぎてよく判別できないという所。

ここは結構痛い。肌質も一定なので、今ひとつ差が分からないのですよ。こういう

おバカ映画(褒めてます)には敵のカッコよさも大事な因子ですからね〜。

 

例によって「3D字幕」を求めてわざわざ名古屋の109シネマまで汗だくになって

行ってきましたが、その価値は十分にありました。眼も派手に痛くなったけど、

熱い(イタイ?)オトコノコには必見の映画です。

2013年8月15日 木曜日

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