院長室

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「ジャッジ!」

洋画の次は邦画、アクションの次はコメディ、と大変バランスの良い視聴ペース

です。だからなんだ。

 

CMを見る限りかなりの地雷臭がしたのですが、いや面白かった!妻夫木聡演じる

主人公は鈍くさいけど純粋な広告社の社員。世界の人を感動させるCMを作ることを

夢見ていますが、現実はそううまくはいかない…というお話。妻夫木さんは3枚目

を演じさせたらピカイチですね。あのバランスの悪い体型が一役買ってるんかな。(失礼)

 

この映画そのものがCM業界出身の監督、脚本家によって作られていますので、CM

製作現場の描写はリアリティがあってとても面白いです。「へーへー」連発。(古い)

テーマも単純で使い古されたものですが、あまり知られていない業界が舞台なので

何か新鮮に感じます。スクールウォーズのノリでクリケットの映画作るみたいな感じ

かな。(笑)

 

そして大変くだらないギャグの応酬。この辺は好き嫌いが分かれそうですが、吉本

新喜劇が好きな僕にはツボでした。そして異常に豪華な共演陣。ヒロインは北川景子で

上司役に豊川悦司、重要な協力者にリリー・フランキー、ライバル日本人に鈴木京香

そしてちょい役に松本伊代(!)や加瀬亮、風間杜夫ととんでもない。北川さんの

ステレオタイプなツンデレっぷりはやや冷めますが、みなさんさすがにお上手。この

ギャグと配役を見ると、どうも監督さんは宮藤官九郎や三谷幸喜を意識しすぎてるん

じゃなかろうか?と勘ぐってしまいます。この面白さなら、変に飾らなくてもよかったのに。

 

いやしかし、かように見所たくさんの王道娯楽映画です。伏線の回収も見事で、感心

しました。細部に拘らず素直に観ればメッチャ楽しいでっせ。(なぜ関西人?)

2014年1月23日 木曜日

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「大脱出」

新年1発目の映画レビューはやはりB級超大作(そんなコトバあんのか?!)、

「大脱出」です。我らがスタローン師匠とシュワちゃんが脱出不可能な監獄から

脱出しちゃうよ?!というお話。CG技術の進歩がめざましく、俳優さんの筋肉

までもが人工的に造れてしまう世の中で、モノホンの迫力を堪能できます。

 

まあ「エクスペンダブルズ」シリーズでこの上ない豪華な共演を実現しちゃってる

ので今さら師匠とシュワちゃんが共演しても話題性には乏しく、またサスペンス

としてはツメが甘いので、映画としての完成度は今ひとつですが、とても楽しい。

うん、これは新春お祭り映画だな。

 

わざと収監されて脱獄し、セキュリティの穴を指摘するというクレイジーな仕事

の主人公が難攻不落の監獄からの脱獄という仕事を依頼されるが、それは罠だった…

という素敵B級映画です。(そんなコトバ…略)

序盤から中盤までは結構緻密なプロットを伺わせて、おっ?これはスタローン師匠

新境地なの?!と思わせといて、ラストシークエンスではスタ&シュワによる、

お決まりの無敵+大殺戮。(笑)

なぜか10人くらいに一度に撃たれたって当たんないもんねー。なぜかちょうど良い

場所に大爆発するためにしか見えない油缶があるもんねー。とても楽しい。

 

まあこの2人のツーショット見せりゃ、それだけで客入るんじゃね?!的な安易な

発想が伺えますが、見事にそれに釣られているので文句は言えますまい。次が

あれば必ず行くし。(笑)ちょいと爺さんですが日本でも小泉&細川タッグという

魅力的ながコンビが誕生したことですし、今年はビッグなツーショットが流行るかも?!

スタローン師匠にはこの映画で少しでも多くお金を貯めて「エクスペンダブルズ3」で

また豪華絢爛驚天動地の共演を実現させて欲しいです。(^ ^)

2014年1月16日 木曜日

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「ゼロ・グラビティ」

毎年、だいたい年間で劇場・DVD併せて50本くらいの映画を観ますが、

この時期になると自分が観た映画で本年ベストは何かなーと鑑賞リストを

ニヤニヤ見ながら考えるのが楽しみだったりします。(暗いねー)

 

そんな楽しみを吹っ飛ばす勢いが本作にはありました。宇宙空間で作業中に

母船が大破し残り少ない酸素で無限の宇宙に放り出されてしまう…という

SFアドベンチャーっぽい設定ですが、むしろこれは「無」という密室に

閉じ込められたシチュエーションスリラーです。めっちゃコワイぞ、宇宙!

子供っぽい宇宙への憧れは綺麗に粉々になるでしょう。(笑)

 

無情で無慈悲、でも何者にも侵害されない宇宙から、しがらみや忘れてしまい

たい現実の待つ地球への帰還、それと絶望と希望をうまくシンクロさせる

脚本も見事ですが、特筆すべきは懲りまくっている映像でしょう。一体

どうやって撮ったのさ?!という映像の連発です。アルフォンソ・キュアロン

監督は前作「トゥモロー・ワールド」でも度肝を抜く映像を見せてくれました

が、今作はさらにその上を3段飛びで行く感じ。臨場感がハンパない。まるで

ユニバーサル・スタジオのアトラクションの様。行ったことないけど。

 

主要登場人物は2人ですが、実質主演のサンドラ・ブロックさんの独壇場です。

そしてその演技は圧巻。助演の名優ジョージ・クルーニーも味がありますが、

今回ばかりは引き立て役。なんと管制塔の声のみの出演でエド・ハリス。

エンドロール見てびっくりしましたが、そんな所にまで凝ってどうすんの。(笑)

 

そんなわけで楽しい映画ではありませんが、90分間に見所ばかりがギュッと

詰まった大作です。ちなみに原題は「Gravity」。映画を観終わると、わざわざ

「ゼロ」をつけた人のセンスのなさを感じることでしょう。

2013年12月19日 木曜日

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いまさら鑑賞記

おっ、最近映画観ずにマジメに仕事しているんだな!と思った皆様、んなわきゃないだろ〜

と思った皆様の勝ちでございます。(笑)とは言え、あまり劇場に行けないのも事実で、

こつこつマジメに自宅鑑賞していましたとさ。では、いきます。

 

・「半分の月がのぼる空」

入院中に出会った少女との淡く、切ない恋物語。普通こんなジャンルはかゆくて観ていられ

ないのでまず選ばないんですが、なんせ我らが大泉洋ちゃんが出演しているので、それだけの

理由で観ました。…いや、やられた!これは面白い。ネタバレ厳禁の映画なので、書くことが

できませんが、洋ちゃん好きならずとも大した感動作なのでどうぞ観てください。

…っていうかDVDに同梱されている特製ブックレットが盛大にネタバレなので先に見ませぬよう。

 

・「50/50」

突然、癌を宣告された働き盛りのマジメな青年とそれを取り巻く人々のお話。これもまあよく

ある設定なのですが、主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットとヒロイン役のアナ・ケンドリック

観たさにチョイス。(またそのノリかよ)

ちょいとナメてましたが、過剰なお涙頂戴的展開でなくむしろ癌を受け入れようとするポジティブ

な演出に膝を叩きました。しかも実話がベースらしく感動に拍車がかかります。良質な人間ドラマです。

下品な会話が多いですが。(^ ^;)

 

・「キャビン」

若いちょっとおバカな男子と女子達が、都会から離れた古びた別荘にバカンスに行って次々と惨殺

される…というこれまたよくある設定の映画。スプラッターとかゾンビとかは(怖いので)観ない

ジャンルなんですが、釣りまくる宣伝に釣られてみました。…いや、やられた!(また?)

これまたネタバレ厳禁な作品ですが、これ考えた人、バカです。(注:褒め言葉)往年のB級ホラー

映画を彷彿とさせる展開が既にミスリードで、あとはもうやりたい放題。ツッコミ所も多いですが、

伏線の回収も上手で発想はまさに幼稚園児ですが(注:褒め言葉)映画としてしっかり成り立ってます。

あーラストを言ってしまいたい。(笑)

 

・「クロニクル」

ひょんなことから超能力を身につけてしまった3人の高校生のお話。またしてもB級くさいチープな

設定ですが、まあそれが好物なのでカンベンしてください。(^ε^)

いやしかし、その超能力を使うシーンが楽しくてオトコノコ心を激しく揺さぶります。前半の、超能力を

使うことに浮かれている楽しげな展開から、その力に溺れていく後半までまさにジェットコースターで

ワクワクが止まりません。これはリアル幻魔大戦だ!ハンドカメラの映像をそのまま使う手法が随所に

挿入されているのがまたウマイ。そしてこんな濃密な内容を85分に収めたセンスに脱帽です。

 

・「きっと、うまくいく」

あえて言おう!号泣したと!しかも3回!

映画大国インド発のコミカルな人間ドラマです。異常に評判が良かったのでスルーしようかとも思ったの

ですが(←あまのじゃく)、いや、観て良かった。あぶねー。尺は170分と長く「クロニクル」が2回

観られちゃうわけですが、映画3本分の感動を味わえます。インド映画お約束のミュージカルシーンにさえ

抵抗がなければ、これは全ての人にお勧めしたい。学歴や成績優先の現在のインドの教育現場への風刺映画

ではあるのですが、もっとシンプルに「やりたいことやれよ!」という強烈なメッセージを投げかけます。

既にインドで上映されてから3年経っていますが、これからも語り継がれる名作だと思います。あぶねー。

2013年12月9日 月曜日

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「清須会議」

三谷幸喜×大泉洋!と聞いただけでジャンルを聞くことなく公開日に並んで

観たいと思ったくらい興奮して待っていました。もうね、完璧。三谷監督も

洋ちゃんもキャリアベストの作品になったのではなかろうか。

 

舞台は戦国時代。織田信長が本能寺の変で明智光秀に討たれ、その光秀も

秀吉に討たれた後、織田家の後継者をどうするか、というお話。それを決める

ために清須で会議が開かれるのですが、そこには各々の思惑が絡まり…。

清須会議は話し合いで歴史が動いた極めて稀な事件なんですが、いかんせん

地味なのであまりスポットは当てられず、大河ドラマでもさらっと流される始末。

そこをわざわざ映画にするなんて、三谷幸喜さんにしかできない所業でしょう。

 

我らが洋ちゃんは秀吉を熱演。柴田勝家役の役所広司さんが主演ではありますが、

もうダブル主演と言ってしまってもいい活躍でした。その他のキャストも、まぁ

豪勢でエンドロールを見て初めて「あの人も出てたんかい!」となります。(^ ^;)

天海祐希なんて台詞ないし。(笑)これもまた三谷幸喜さんにしかできない荒業

でしょう。

 

さて、しかしながら最近の三谷作品を期待してしまうと裏切られると思います。

芸達者ばかりの映画で、台詞から小物までこだわっていて、三谷脚本なんですから

抱腹絶倒間違いなし!と思われてしまいますが、実はとっても真面目な歴史映画です。

日本史の特徴でもある「血統第一主義」による不幸や切なさを如実に描いています。

合戦もなければ斬り合いもないこの映画で、このテーマを描ききるのは実は偉業

なんじゃないかと思うわけです。

 

最近の三谷作品はあざとい笑いが多くて薄っぺらい印象があったんですが、本作は

監督の本気さを感じられました。さすがに若干の予備知識がないと厳しいので、

Wikipediaなんかで予習しておくとすんごい面白いと思います。(^ ^)

2013年11月14日 木曜日

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