院長室

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「イン・ザ・ヒーロー」

特撮ヒーローの中の人(スーツアクターと言います。通称スーアク)にスポット

をあてた映画です。何を隠そう大の特撮好きの僕にとって、この映画はまさに

どストライク、相性バツグンのお相手でした。

 

普通、スーアクさんを始め、照明さんや音声さん、美術さんなどアクション番組

の裏方にはあまり目が行かないものです。特にヒーローものは最近では若手イケメン

俳優の登竜門的な扱いを受けているので、余計です。それを逆手にとって熱血

ベテランスーアク(もうこの設定だけで泣ける ^ ^;)を主人公にした映画を作った

わけですね。実際には俳優さんとスーアクさんは仲が良いし、スーアクさんの掲示板

があるほどコアなファンもいるわけですが。

 

主人公を実際にスーアク経験のある唐沢寿明さん、裏方に気を遣わないイケメン

俳優役を仮面ライダー経験のある福士蒼汰さんが演じています。解説風台詞が多い

のは脚本の難点ですが、配役はこの上ないでしょう。彼ら以外にもちょいちょい

特撮経験者が出演しています。特撮の現場のウンチクてんこ盛りでもう一場面、

一場面が見逃せません。制作側の、特撮やアクション映画への愛やリスペクトが

溢れています。

 

惜しむらくは、「CGなし、ワイヤーなし、長回し」の前フリがハッタリで終わって

しまったこと。もしこれをやっていたらとんでもない映画になっていたでしょうけど、

50歳の唐沢さんにはちと無理ですわな。世界広しと言えどもこれができるのは

トニー・ジャーくらいですから。(笑)あとは脚本面での粗がまあまあ目立ちますし、

監督役の言動がアホすぎて今一つ緊迫したラストへの説得力に欠けます。が、まあ

そんなことは些末なこと、と思えるほどに気分の良い映画です。エンドロール中も

昔の番組の撮影現場が流れていて、楽しめます。ちなみに主題歌を歌う吉川晃司さん

も特撮に縁があります。CDは速攻ポチりました。(笑)

 

バブルス君や顔ペケ剣士映画に押されて上映会館は少ないですが、特撮アクション

映画ファンはマストな作品でっせ。

2014年9月25日 木曜日

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「フルスロットル」

イケメンで演技も上手く、アクションもこなせる、期待度の高かった

俳優ポール・ウォーカーさんが交通事故で亡くなったため、今作が彼の

遺作になりました。でも遺作でなければ観なかったかもなぁ、なデキ。

 

そもそも10年前に「アルティメット」というアクション映画が製作され、

そのリメイクが今作なんです。この作品の売りはパルクールという、

恐ろしく高い身体能力を要求されるアクションの数々でした。ノースタント

でこんなことできるんだ!と驚かされたものです。ダヴィッド・ベルさんが

創始し、自身が主演で演じてもいました。

 

ポール・ウォーカーさんがパルクールに挑戦?!というわけじゃなく、

なんとまたダヴィッド・ベルさんが同じ役をやるという、いきなりリメイク

の意味あんの?な展開。いまだに第1人者とは言え、そりゃあ10年前の

キレは無いわけですよ。ポール・ウォーカーさんファンに配慮してか、

カーアクションが増えて肝心のパルクールは少なめ。ムキムキ度が変わらない

のは凄いけど、それだけじゃあねぇ。(^ ^;)

 

そして脚本もほぼ当時のままです。脚本は、いまや珍作メーカーと化した

リュック・ベッソン。今作は輪を掛けてトンデモな展開なので、珍作に

寛容な人でなければ耐えられないかも。ここでもリメイクの意味あんの?

と問いたくなります。振り返れば「レオン」以外ほぼ珍作なので、これは

これでベッソンテイストなのかも知れません。「フィフス・エレメント」は

好きだけど。

 

まあそんなわけで、ポール・ウォーカーさんに特に思い入れがなければ、

素直に「アルティメット」を観ましょう。

2014年9月11日 木曜日

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「バトルフロント」

スゴ腕麻薬捜査官が安住を求めて退職し、娘とふたりで田舎に移り住む

んだけど、結局言いがかり的トラブルに巻き込まれ、降りかかる火の粉は

振り払っちゃうよ?!的な、まあよくある話。

 

よくある話なんだけど「スタローン×ステイサム!」という宣伝文句に

釣られました。スタローンは出演じゃなく脚本担当なんですが、そもそも

本作は「ランボー5」用の脚本の改変で主演もスタローンが演じる予定

だったそうです。確かに全編を通してスタローン臭がする。(笑)

その企画がナシになってジェイソン・ステイサムに脚本を譲ったんですと。

「エクスペンダブルズ」シリーズでの活躍ぶりからしても、随分とスタローン

さんに気に入られているみたいですね。

 

そんな訳で(?)本作のストーリーは至ってシンプル。娘との平安な生活

を脅かすヤツらをキレキレのマーシャルアーツでぶっ飛ばすだけです。

捕まって水責めの拷問を受けてもへっちゃらピーでボコります。(笑)

さすがに老齢の域のスタローンさんではこのキレは出せないでしょうから、

ステイサムさんで正解なんですが、まあまだ後継者と言うには早いですな。

スタローンさんの持つ、圧倒的迫力と漂う悲哀感にはさすがに敵いません。

 

惜しむらくは敵がことごとくアンポンタンなところ。ジェームズ・フランコ

演じる敵ボスは策を練り頭脳戦に持ち込もうとするのですが、手駒全員が

オツムが足りないので、全く思い通りに進みません。逆に可哀想になって

しまいます。(^ ^;)ウィノナ・ライダーやケイト・ボスワースと言った

かつての美少女キャラがすんげー汚れ役を演じているのも一見の価値アリ

でしょう。

 

いやしかしステイサムのロン毛の似合わないこと。テリー伊藤でなくとも

思わずキモいとつぶやいてしまうことでしょう。(笑)

2014年8月14日 木曜日

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「GODZILLA」

やられたな〜。スバラシイ怪獣映画でした。監督のギャレス・エドワーズ

さんは超低予算で「モンスターズ」というこれまた怪獣映画を撮ってまして、

これがバツグンに面白かったので、今回、今度は莫大な予算を与えられて

しかもゴジラを撮る、ってんだからそれはもう期待していました。

 

まず何を置いても、怪獣の迫力がハンパない。今風に言うとパねぇ。これは

ただデカいものを精巧に見せる、というのではなく研究された演出力の

賜物です。予算が莫大になっても「モンスターズ」で見せた工夫とセンスが

光っています。ゴジラが登場するのは物語も中盤になってからなんですが、

そのシーンはトリハダものです。凄すぎて若干泣ける&チビる。(笑)

 

監督はゴジラファンを公言していて、今作も初代ゴジラにオマージュを捧げ

ているそうなんですが、これがいけなかった。日本の宣伝の仕方も悪いの

ですが、思いっきり1954年版ゴジラを意識させたので、これを愛する

ファンに酷評されてしまいました。1954年版ゴジラは怪獣映画という

よりは文明による自然汚染をテーマとした社会映画なので、ゴジラは哀しみ

の象徴として描かれます。今作は勧善懲悪の善玉怪獣なので、随分と違って

しまっているわけですね。

 

まあ観てみると、1954年版に、と言うよりはゴジラシリーズ全般、しかも

ガメラシリーズも意識した作りになっているように感じました。敵怪獣なんて

ギャオス+レギオンだもの。(^ ^;)なので、初代ゴジラ映画として観ると

ガッカリ感を味わうことになるのでしょうが、怪獣映画として観れば珠玉の

デキだと思います。芹沢教授役の渡辺謙が日本語発音で「ゴジラ」と呼称する

ことに拘ったらしいですが、やはりゴジラは日本人にとって特別な存在なので

しょうね。

 

ちなみに海外での大ヒットを受けて既に同監督での続編製作が発表されています。

なんと、次回作にはキングギドラとモスラとラドンが登場するとか…!この

クオリティで作られたらまたトリハダ立ちまくりでしょうな。オムツ履いて

行かねば。(笑)

2014年7月31日 木曜日

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「女子ーズ」

いやぁ、やりたい放題ですなぁ。いつものことですが。どユルい

ギャグで一世を風靡…していない(笑)マニアックな福田雄一監督の

最新作です。

 

地球外から来る怪人たちに女子だけで結成された秘密の戦隊が立ち

向かう、という話。こういうアツイ題材は大好きですが、もちろん

福田作品なので、怪人に「5人揃うまで一瞬待って!」とお願いしたり

怪人が律儀に2時間待ったり、とまあ考えつく限りのユルネタをぶち

込んでくるわけですよ。いまや吉本新喜劇に匹敵する「お約束番組」

とも言える戦隊モノを愛を持って皮肉るのは福田監督だからこそ

なせる業でしょう。

 

しかしながら、わざわざ映画にするほどかぁ?という疑問はついて

まわります。何度も同じ展開を繰り返す題材なので、むしろテレビ

ドラマでやった方がインパクトあったように思います。視聴率は望め

ないでしょうけれども。要は「水曜どうでしょう 劇場版」は大して

魅力的ではないよね、ということ。意味ワカンネ?(笑)

 

キモの主演陣は桐谷美玲とか山本美月とかキレイどころを集めながら、

しっかりキャラを立たせているので、見た目に楽しい。事務所に配慮

してか(笑)、恒例のヘン顔はなし。でも代わりに言葉責め?アリ。

美女達に「う△こ」連呼させてます。(^ ^;)

 

ちなみに今年は指原莉乃主演の「薔薇色のブー子」という作品もあり

ましたが、こちらはヘン顔ありまくり。というかやり過ぎ。指原さんは

福田作品の常連で、これまでも散々いじられまくっているので、もうこれ

くらいやんないとファンが驚かないのかも知れんですな。かわいそうに。

楽しいけど。こちらの作品は2週間で打ち切りの刑にあうなど、ヤバめ

のデキだったのですが、そもそも福田監督は映画に不向きなのかも

知れないですね。これからもこっそり変な作品を作り続けて欲しいです。

2014年7月17日 木曜日

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