はりの部屋

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ニンニクは摂った方がいいですか?

ニンニクは健康食品としてよく宣伝されます。実際、身体に良いからと毎日摂っている方もいらっしゃいます。

しかし、自分の身体の状態を把握した上で摂らないと逆効果にもなりかねません。

 

ニンニクは、「陽」の要素が強い食べ物です。

「陽」は、活動的、熱といったイメージです。そのため、

ニンニクを摂取する→体内に「陽」の要素を入れる→活動的になる

といった働きがあります。

 

ここで注意してほしいのが、

「陽」の要素を入れて活動的になること=健康

ではない、ということです。

 

例えば、のぼせ、頭痛、肩こりなどがある方の身体は、陽>陰の状態になっていると考えられます。この状態で「陽」であるニンニクを摂取すれば、陽>陰の状態を助長してしまいます。一時的には活動的になるかもしれませんが、本来は陰をしっかりさせないといけないので、後からしんどくなる場合があります。

 

ニンニク以外に栄養ドリンクも同様です。

健康に良いといわれるものが、自分にも当てはまるわけではないことを意識しておくことが大切ですね。

2019年6月1日 土曜日

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身体は正直

ストレスフルな生活をしている方のお話し

 

「疲れてくると辛いものが食べたくなるのよね~」

さらに、疲れがピークになると

甘いものが無性に食べたくなるとのこと。

しかも、普段は甘いものが好きではないのに…。

 

なぜ、摂りたい味が変化するのでしょうか?

 

辛みは散らす性質があります。

体内では、気血を巡らす働きです。ストレスや疲れがたまると、気血は滞りやすくなります。そのため、滞った気血を巡らそうと辛みを欲するようになります。

また、甘味は緩める働きがあります。

過度のストレスで緊張した心身を緩めようと、甘いものを摂りたくなるわけです。

 

欲する味からも、自分の身体の状態を推測することができます。

甘いものがやめられないって方は、ストレスが溜まっているサインかもしれませんよ。

2019年5月6日 月曜日

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草むしりで気付いた大切なこと

先日、1ヵ月ぶりにお墓参りに行ったら雑草がしっかり育っていました。

草むしりをしていると、草や土の中からテントウムシやヤスデ、クモなどいろいろな生き物が出てきました。ナナホシテントウなんて久しぶりに見たので、昆虫大好き少年だった僕はテンションが上がってしまいました。

 

そこで改めて感じたのは、「土って大事」ということです。

土が豊かだから草がよく育つ。すると葉っぱや根っこをエサとする生き物が集まってくる。生き物が生命活動をする上で土って大切な役割を担っているんですね。

 

東洋哲学の中に五行学説というものがあります。これは、世界を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けて捉える考え方です。

 

5つの要素の特性を簡単にまとめると

木…植物が上・外に向かって伸びていく様子。万物が生じる春の象徴。

火…火が燃え上がる様子。万物が成長する夏の象徴。

土…種をまくと、収穫をもたらす土壌の象徴。季節の変わり目の象徴でもあり、四季それぞれとかかわる。

金…変革するもの。収穫の季節、秋の象徴。

水…潤し、下へ流れるもの。貯蔵する冬の象徴。

こんなイメージです。

 

人も自然の一部ですので、肝・心・脾・肺・腎の五臓もこれらに当てはめことができ、土に該当するのが「脾」です。

脾はお腹(とくに胃)と深い関係があり、飲食物を消化・吸収しエネルギーや栄養を作り出す働きがあります。まさに土が生き物を育むように、私たちの身体や生命活動の元を作り出しているんですね。

こんな大事な役割を担っている脾に負担をかけては、健康な身体を保つことができません。昔から「腹八分に医者要らず」といわれるのも、納得できますね。

とくに「土用」の時期は、食事の量や質に気をつけて脾に負担をかけないようにしてくださいね。

2019年4月20日 土曜日

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もうすぐ土用です

4月17日から5月6日の立夏まで土用に入ります。

立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を土用といい、次の季節に向けて身体が準備する期間です。そして、この時期に活躍するのが五臓の「脾」です。

 

脾は胃とも関係が深いため、飲食物の消化・吸収にも関わります。そのため、夏に向けて一生懸命に身体を整えているのに、消化・吸収でさらにがんばらないといけない状況になると脾は疲弊してしまい、食欲不振、むくみ、体が重だるい、などさまざまな不調を招きます。

 

また、肺の経絡は中焦(ちゅうしょう、胃の辺り)から始まるため、脾や胃の影響を受けます。食べ過ぎて脾・胃に熱を持たせれば、経絡を通して肺にも熱が伝わりさらに全身にも伝わっていきます。その結果、身体は陽>陰の状態となり、今度は腎が陰を増やそうとがんばって疲弊していく……、といった具合に問題がどんどん大きくなっていきます。

 

昔から健康には腹八分目がよい、と言われるのがこのことからも分かりますね。

 

ということで、土用に入ったら普段以上に飲食に気をつけてください。

具体的には、

 

・食べ過ぎない(腹八分目より少ないくらいでOK)

・酒を飲み過ぎない(理想は飲まない)

・脂っこいものや味の濃いものを避ける

・にんにくやショウガなど身体を温める食材を避ける

 

などを意識してみてください。

 

 

 

2019年4月6日 土曜日

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上咽頭炎を東洋医学で考える

上咽頭炎の治療にみえる方が当院でも増えてきました。

 

上咽頭炎では、

・のどの不快感

・鼻づまり

・朝、痰がからむ

・後鼻漏

・長く続く咳

など、のど周辺の症状が主ですが、その他にも

・頭痛

・首こり、肩こり

・めまい

・IgA腎症

などとも関係することがあります。

 

これらを東洋医学的に捉えてみます。

 

まず炎症という字(火が二つ)からも分かるように、陽の症状です。さらにのどは身体の上部に位置するため、陽の部位となります。

陽の部位に陽の症状が出ているので、首こりや肩こり、めまい、頭痛なども当てはまりますね。

身体は陽>陰の状態といえます。

 

次に経絡の流れでみてみると、のどには肺や大腸、胃、腎など複数の経絡が通っていますし、大腸と胃の経絡は鼻にも通っています。そのため、何らかの要因でこれらの臓腑に負担をかけると、その経絡の通り道である鼻やのどにも影響を及ぼすのです。

このようにみていくと、一見関係なさそうなIgA腎症も関係してくることが納得できます。

 

あとは問診や触診などを通して、どの臓腑に問題があって症状が出ているのかを総合的に判断していき、はり施術と生活習慣の見直しによって、陽>陰の状態を改善させていきます。

 

また、上咽頭炎を悪化させる原因に、ストレスや睡眠不足も挙げられます。これらは陰を減らし、陽を増やす要素があるため、このことからも陽>陰ということが分かります。

 

生活習慣の見直しとしては、

・就寝時間を早くすること

・食べ過ぎなどで胃に負担をかけないこと(胃の経絡が鼻やのどを通っているため、影響します)

から始めてみてください。

 

2019年3月30日 土曜日

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