院長室

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治療は一つずつ

漢方薬治療や栄養療法をやっていると、標準治療では効果が

出なかった方や、副作用で続けられないと言ったいわゆる

難治状態に陥っている方がしばしばみえます。僕は標準治療を

否定はしていませんが、効果が出ない時に違う視点で切り込む

こと、多くの選択肢を持つこと、が大事だと思っています。

なので、難治状態の方にあまり馴染みのない治療法を提案する

ことが自然と増えます。

 

漢方薬治療や栄養療法はそれぞれ論理的なので、標準治療でなく

ても医師も患者も納得しやすいことが利点です。何かよく分か

らんけどこれ飲んでみて、的なノリで方針を決めません。(笑)

逆に言うと、その論理が症状改善に寄与したかどうかがとても

大事な部分になるわけで、再診以降の診察ではその確認作業が

主と言っても過言ではありません。

 

難治状態になっていると、当然病歴も長くなるわけで苦痛の時間が

長い分、早く解放されたいという思いも強くなります。すると、

良いと言われるものは全部試したいという心理にもなり得ます。

ここは診察していてとても強く肌で感じるのですが、新しい治療

を2つ以上同時に始めることはお勧めしていません。なぜなら、

論理の確認作業が困難になるから。

 

ルービックキューブ(古い ^^;)も達人が恐ろしい速さで完成

させると感動しますが、自分では再現できません。でも実際は

ちゃんと完成させる手順がありますから、その手順を踏めば誰でも

完成できるはずです。治療もあっと言わせるような感動もアリ

ですが、手順が分かる方が応用もできるし患者さん本人でできる

ことが見つかるかも知れません。…うん、なんか例えがヘタな

気がしてきた。まあよしとしよう。

 

一つの治療法で何が変わって何が変わらないのか、ここを教えて

もらいながらより良い方法を練り上げていく、というのが僕の

理想とする治療です。患者さん本人は大変つらいと思いますが、

できれば確認作業を一緒に楽しみながらやっていただけると

嬉しいです。

2017年3月6日 月曜日

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ハリとツヤと

今月から健康教室が月に2回の開催になります。内容は

同じなので、ご都合のよい方を選んで参加頂けるように

なります。基本的には第3火曜日と第4金曜日ですが、

開催曜日などの要望があれば是非聞かせて下さい。

 

さて、今回のテーマは「シワとたるみ」です。お肌の問題

は大きな興味の対象だと思いますが、「肌の手入れ=塗る」

と捉えがち。でもやはり肌も臓器ですので、食事の影響を

大きく受けます。しかも皮膚の構造は表面の表皮とその下の

真皮とではかなり違っており、役割も違います。そして必要

な栄養素にも差があります。例えば「ツヤ」は表皮だし、

「ハリ」は真皮が大きく関与します。

 

ただ外用剤も全く無意味というわけではありません。乾燥

対策としてのワセリンはこの時期は特に有用ですし、ホット

パックで温めて血流を改善することも意義があります。ただし

日焼け止めの常用やクリーム剤はあまりオススメしません。

ビタミンD合成を阻害し皮脂を溶かすからです。この辺りは

以前の健康教室で触れました。

 

今回は特に真皮についてを栄養的側面からお話しします。

「ハリ」ですよ、奥さん。(笑)僕もしばしば年齢よりも

若く見えると言われまして、もう数年サプリメントを飲んで

いるからね!と栄養学的なアピールをしたいのですが、実は

中学生の時から同じ顔なので、あんまり関係ない症例かも

知れないから黙ってます。(笑)

 

 

2017年3月2日 木曜日

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栄養療法、その前に

栄養療法はその方の栄養の過不足を見つけ出して食事指導を行う

治療法です。「へー、そんな不足が隠れていたのかー。」と患者さん

は、時に僕も一緒に驚くわけですが重要なのはそれが吸収できるか

どうかです。

 

不足した栄養素を見つけて、せっせとサプリメントを飲んでも

吸収されなければ身にならないどころか、害になることもあり

ます。なので、僕たちは食事指導の中で必ず「食べ方指導」も

します。

 

特にやってはいけないのが「早食い」。僕も勤務医時代はそうで

したが、いかに短時間で食事を済ませられるかも大事なスキル(?)

だったりします。サンドイッチを喉に詰まらせながら手術室に

走る、なんて今から思うと自殺行為ですが(^ ^;)、営業職の方や

夜間勤務のある方も食事に十分な時間をかけられていないのでは

ないでしょうか?

 

消化吸収をしっかり行うためには、まずは咀嚼がスタートですね。

そして咀嚼されることで唾液が分泌され、それがサインになって

胃酸が出て、消化酵素が出て、…と順番に消化の手順が進んでいき

ます。なので、最初の咀嚼を疎かにすると消化の準備が整っていない

消化器官に食べ物を放り込むことになります。消化が進んでいない

食べ物は我々にとってまだ異物ですから、吸収されないどころか

アレルギーの対象になる可能性すらあります。

 

忙しい方は、それだけエネルギーを消費しているわけで、むしろ

消化吸収が良い状態の食事をしなければ、食べているつもりでも

必要なエネルギーを確保できていないかも知れないです。ほんの

少しのことでエネルギー効率をあげるのが「ゆっくり良く噛んで」

食べることです。ちなみにスムージーや自作ジュースなんかも

同じ理由から「噛んで」飲みましょう。

2017年2月27日 月曜日

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ツムラの入浴剤

気温の差が激しくなってきたと言うことは春が近いと

言うことでもあり、同時に体調を崩しやすい時期でもある

ということ。まだまだ冷えは油断なりませぬ。

 

ウチでは漢方薬を主に対処していますが、漢方薬と言えば

ツムラ、ツムラと言えば実は入浴剤だったりもします。では

漢方薬と入浴剤を合わせたようなものがあるのかも?と

思ったらやっぱりあった。(「バスハーブ」で検索!)

 

amazonの評価も高く、実際に僕も使用してみましたが、入浴後

のポカポカ感がかなり持続します。問題点があるとすれば

生薬のニオイがするところと、防腐剤と着色料が入っている

ところでしょうか。

 

防腐剤や着色料で皮膚のトラブルがあった方はもちろん適応外

ですが、このテのものには致し方ない部分もあります。僕は

普段から風呂上がりには冷水を浴びてから出るのですが、

それでもしっかりポカポカ感はあったので、不安であれば

浴槽から出て、軽く流してから上がるといいと思います。

 

またニオイに関しても標準使用量の半分くらいから始めると

スムーズになじめると思いますし、1日おきとかでもよいかも

知れません。生薬配合から見ると、温めるだけでなく乾燥肌や

筋肉の張りなどにもよさそうなので、入浴剤に抵抗がない方は

是非試してみてください。

2017年2月23日 木曜日

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仙腸関節が犯人だ!?

先日、原因不明の腰痛には仙腸関節の異常が関連している

という内容のテレビ番組がありました。この類の話は以前

にも特集されているので、特別新たな知見ではないのですが

継続して情報発信することは意味があると思います。

 

僕も長年仙腸関節の治療に携わっていますが、確かに画像

検査で異常がない場合に驚くほどの効果を挙げることも

あります。テレビでは注射治療を紹介していましたが、

整体やカイロなどの徒手治療でも改善することがあります。

 

最近ではエコー観察下での注射の方が主流になりつつあり

ます。視覚的に確認しながら注射した方が狙った部位に

効率的に薬液を注入できますし、また、やってみると仙腸

関節内ではなく、仙腸関節を繋ぐ靱帯への注射でも効果が

出ることが分かります。

 

驚くべき事に、痛み止めや炎症止めの薬ではなく生理食塩水

を注入しただけでも改善することがあり、これは靱帯や

筋膜の滑りの悪さで痛みが誘発されていることの証明に

なっています。仙腸関節が腰のみでなく、他部位の痛みの

原因になっていることもあるので、このような注射や徒手

治療の発展が痛み治療の新たな選択肢になるかもと期待

しています。

 

ただ、やはり原因治療になっているのか?の視点はとても

重要です。注射や徒手治療を繰り返す中で、最終的に治療

不要になることもありますが、多くの場合は生活習慣の中の

姿勢や癖に起因します。ここでも治療と予防のセットで

考えることが大切ですね。

2017年2月20日 月曜日

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