院長室

« 2月 2024 11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

湿潤療法のキモ

5月に運動会を実施する学校も増えてきたようですが、

暑くなって薄着になりますのでその分、子供も大人も

ケガが増えますよね。

 

ウチでも古くから夏井先生が考案された湿潤療法を

実施していますが、どんな被覆材を使用するか迷う

場面があります。次々新しい被覆材が開発されるのは

喜ばしいですが、新しいものが必ずしも適している

わけではないので、まずキズを見極めることが大事です。

 

とにかく湿潤療法のキモは「創傷治癒機転の邪魔を

しないこと」です。消毒薬やガーゼは邪魔なので使用

しないのであって理由もなく嫌っているわけではあり

ません。被覆材もそれぞれの長短所がありますから、

何を使うと創傷治癒のマイナスにならないか、あるいは

プラスになるのか、が選ぶコツです。

 

キズパワーパッドは湿潤療法のツールとして有名ですが

これはハイドロコロイドという素材で、浸出液の吸収力

はあまりありません。ヤケドはジュクジュクの多いキズ

の場合では、過湿潤環境にしてしまう恐れもあるので、

使わない方が良いでしょう。ジュクジュクの少ない

擦りむきキズには適しています。

 

一般には受傷当初は浸出液が多いので、ある程度吸収

しつつキズを乾燥させない素材が好まれます。すると

やはりプラスモイストが最も使用頻度が高くなります。

ヤケドの場合はさらに吸収力の高いズイコウパッド

が使いやすいです。市販もされているので、家庭に

備えておくとイイですね。(^ ^)

 

って、全部夏井先生のサイトに載ってんだけどさ。(笑)

2018年6月7日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

デトックスの季節

夏は発散、冬は貯蔵、と決まっているわけではないですが

自然界を観察すると確かにそんな傾向が随所に見られます。

人体も自然の一部とするならば、今の季節はデトックス向き

だと言えるでしょう。

 

デトックスは悪いものを出す、というような意味で使用

されますが、我々にとって悪いものは昔に比べ今の方が

増えているかも知れません。有機溶剤や重金属、トランス

脂肪や精製糖など、代謝を狂わすものに囲まれていると

言っても過言ではないでしょう。

 

これらをちゃんと排出できればいいですが、排出するの

にもエネルギーが必要ですから、そもそもエネルギー産生

能力に問題があれば当然悪いものは貯まる一方です。

そしてさらにエネルギー産生が落ちて…という悪循環。

 

手軽にできるデトックスはやはり汗を出すこと。運動でも

岩盤浴でもいいです。ただし悪いものだけではなく身体に

必要なものも抜けていきますから、必ず必要なものは

補給しなければ行けません。特に亜鉛やマグネシウムは

重要です。

 

栄養素的にはグルタチオンがその役目を担います。体内で

合成できる成分ではありますが、前述のようにエネルギー

不足の方、悪いもの漬けの方(^ ^;)は補充した方が良い

でしょうね。あとはアーシングもデトックスの一種です。

この場合の対象は電磁波です。電磁波対策後進国の日本

ではイマイチ流行りませんケド。この季節は良い機会です

のでいらないものを体外に吐き出しましょう!

 

2018年6月4日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

塩対応

握手会に行ったのに素っ気ない態度を取られてショック!

でも媚びない所がまたイイ!…のしょっぱい対応ではなく、

読んで字の如く塩分のお話です。

 

診察ではしきりに天然塩摂取をお勧めしていますが、これは

ナトリウム以外のミネラルをしっかり補給したいから。

精製されて塩化ナトリウムだけになった塩は取りすぎ注意

ですが、未精製のものは逆に血圧を下げたりと有用な場合が

多いです。現代人は特にマグネシウムが不足しやすく、不足に

よって多彩な症状が出るので塩はマグネシウム重視に考える

のが良いでしょう。

 

にがり液はマグネシウム量が多いので有用ですが、味が

辛かったり、便通がゆるくなることもあるので、まずは

普段使いの塩を未精製塩にするのがベターだと思います。

岩塩も良いですがナトリウム以外のミネラル配合が最も多い

のは沖縄産のぬちまーす®という商品です。値段もお手頃

なのでオススメです。

 

それからミネラルウォーター。日本のミネラルウォーターは

軟水でミネラル量が少ないので海外製のものがいいですね。

最も配合量が多いのはゲロルシュタイナー®です。炭酸水

ですけど。マグネシウム入浴剤のエプソムソルトも良い

です。マグネシウムは皮膚からも吸収されるので、暑いから

と言ってシャワーで済まさず湯船に浸かりましょう。

 

これから発汗が増えると益々マグネシウムは失われるので

これらのツールをうまく組み合わせて、塩分に神対応!

を心掛けましょう。お後がよろしいようで。

2018年5月31日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

温シップと冷シップ

時々書いていますが、安易なシップの使用は実は逆効果に

なることもあるんです。温と冷とどっちが良いですか?

としばしば聞かれますが、どっちもダメ、なんてことも

あります。

 

そもそもシップは皮膚から痛み止めの薬を浸透させる

ツールですから、広く肩こりや腰痛、捻挫や突き指など

に使用されています。そうCMしてるんですから当然

ですが。(^ ^;)で、この痛み止め成分は血管を収縮

させる効能があるので、血流悪化=冷やす薬だとも

言えるんです。

 

では温シップならいいんじゃ?と思うかも知れませんが

これはカプサイシンの効果で温「感」を与えているだけ

で、実際に体温を上昇させるほどの効果は望めません。

冷シップもメンソールで冷「感」を付加してるものなの

で冷やす効果は弱いと言えるでしょう。

 

つまり、痛み止めを使う以上は冷でも温でも総じて体を

冷やす可能性があるわけです。捻挫で赤く腫れていたり、

患部が熱感を持っている場合はもちろん使った方が良い

ですが、冷え症で肩こりが…なんて場合は適応外だと言え

ます。これから冷房を使うようになるので注意が必要ですね。

 

やはり慢性に痛みが続く場合は温めて血流を良くする方が

結果が出ると思います。貼るカイロやホットパックは

夏でも活躍します。あとは汗からマグネシウムが失われる

とそれが原因で筋肉が凝りますので、エプソムソルトを

お風呂に入れてしっかり喪失分を補給するのも日常的に

やられるといいでしょう。エプソムソルトは睡眠改善にも

いいですよ。(^ ^)

2018年5月28日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

植物性 or 動物性

糖質制限を進めるに当たって重要なのがタンパク質摂取

ですが、タンパク質には動物性と植物性があり何となく

植物性の方が体に優しい、という認識あるようです。

 

具体的には肉や魚よりも大豆の方が健康的、という論です。

タンパク質だけを見ればこれは誤解で、植物性と動物性に

差はありません。でも違うんです。

 

タンパク質はそのままの形態では吸収されず、必ず分解

されてアミノ酸レベルまで小さくなることが必要です。

アミノ酸はタンパク質の最小単位で、これに動物性も

植物性もありません。なので差はないのですが、アミノ酸

の種類の配合量には差があるのです。

 

我々の身体は幾多ものタンパク質で構成されていますが、

このタンパク質は20種類のアミノ酸を色々と組合せて

合成されます。そして20種のうち9種は合成能力がない

ので絶対に食事から摂らなくてはいけません。

 

この9種類の配合割合が植物性と動物性の差になります。

ヒトは動物なので、やはり動物性タンパクの方がアミノ酸

の組成は近いです。そういう理由から、タンパク質摂取

の際に植物性よりも動物性を勧めるんですねぇ。

 

ただ、そう考えれば植物性タンパクであっても足りない

アミノ酸を補うことができればOKですよね。具体的には

メチオニンというアミノ酸が植物性タンパクには少ない

ので何らかの手段でメチオニンを追加できれば肉が

苦手な人でも大丈夫なわけです。タンパク質はアミノ酸

の視点が大事です。

2018年5月24日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ