引いてみろ!…と言いたい所ですが、さて、それがベターな
対策でしょうか?
まあ実際に押したり引いたりしているわけではなく、視点を
変えてみたらどう?っていう意味の格言なので、それはその通り
だと思います。しかしながら、こと切迫した状況においては
早くなんとかしたい!との想いが強すぎることの方が問題
だったりもします。
つまり押してダメならすぐに引きたい!という場合は、視点
はむしろ変わっていないことがあるんですね。なので僕は
敢えて、押してダメなら「止まってみる」と提案したい。
観察する、と言い換えても良いかも知れません。
医療の場合で言うと、長年の困った症状にあれやこれや
良いと言われるもの端から全部やる、みたいな状況でしょうか。
これは気が焦るばかりであまり良い結果をもたらすことは
ありません。却って悪くなることもあります。止まって
一息入れられると、気付かなかったものが見えることも
あるんですよね。
そのタイミングで状況を把握、分析して次の一手を考察する、
この方がゆとりが産まれます。まあ状況が複雑であるほど
この行為の繰り返しにはなってしまいますが。でも少なく
とも冷静さを保つことは消極的な策ではないと思います。
そういう意味では栄養療法的な分析は客観的な判断の助け
になるので、治療でも優先順位が高いと思います。しばしば
言うように、ウチでは栄養療法や漢方診療が好きだからやって
いるわけではなく(笑)、あくまで客観的指標になるから
採用しているだけです。
「押してダメなら、止まってみる。」はなんかパンチ弱いから
「押してダメなら、引いて、観る。」ってのもイイね。(^ ^)