院長室

« 2月 2024 11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

民間療法

有名人が癌で亡くなると、しばしばその方がどんな治療法を

していたのかという報道がなされます。小林麻央さんの時も

今回のさくらももこさんもそうですね。

 

そしてそういう報道がされる場合のほとんどが、いわゆる

「民間療法」へのやんわりとした批判です。民間療法とは

保険で認められている抗がん剤、手術、放射線の3大療法以外

を指すことが多く、つまり治療効果の優劣とは無関係である

ことが重要です。

 

記事では「正しく3大療法を行わず、根拠の不明確な民間療法

に走ったがために死期を早めた。」的なことが書かれていますが、

これはもう噴飯もので、さくらさんに至っては過去に3大療法

を施行したけど治療の副作用に耐えたのにも関わらず再発した

わけで、その絶望は想像するだけで痛ましいです。論じるべきは

「果たして3大療法だけで癌に立ち向かえるのか?」である

はずです。

 

3大療法の効果に疑問を感じる人が多いからこそ「民間療法」

がもてはやされるわけで、アヤシゲな治療法までも礼賛する

つもりは毛頭ありませんが、少なくとも3大療法の欠点を

冷静に分析することは絶対に必要だと思います。そして産後

女性の死因第1位が自殺であることがニュースになっていま

したが、2位は癌でした。これもとても異常なことと認識

しなければいけません。だって産後の女性ってことは若い、

ってことですから。

 

なぜ再発するのか、なぜ若年層にも増えているのか、いくら

でも議論する余地があるのが現在の日本の癌医療だと思います。

2018年9月6日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

脂肪を燃焼!

よく耳にする響きですね。これを謳えば商品の売り上げが何割か

あがる、のかな?脂肪を分解!ってのもありますね。どう違う

のでしょうか?

 

分解はその名の通りバラバラにすること、燃焼はカロリーとして

利用することです。なので正確には脂肪を分解して燃焼させる、

となります。連続した現象なわけです。ということは脂肪を

燃焼と言っても分解ができていなければ無理な話だし、分解と

言っても燃焼できなければまた合成に回ります。

 

そして分解にも燃焼にも栄養素が必要です。肥満を解消するには

適切な栄養素を摂ることが重要なんですね。もちろん断食をすれば

痩せますが分解や燃焼に必要な栄養素が不足している方は効率が

悪いですし、効率が悪いということはカロリーが作られにくい

ということなので、むしろ不調になります。

 

では低脂肪食はどうかというと、これもほぼ意味がありません。

内臓脂肪と食事中の脂肪量はあまり相関しないからです。内蔵

脂肪を合成させるのはインスリン刺激です。インスリンは血糖が

上昇した時に分泌されるホルモンですから、結局血糖値の

コントロールがうまくできなければ痩せない、ということです。

 

糖質制限をしても痩せない人の理由も分かりますね。それこそ

分解と燃焼の栄養素が足りていない証拠です。また、脂肪は

カロリーになる以外にも重要な仕事をしています。まだまだ

誤解が多いと感じます。今月の健康教室ではこの辺りのことを

お話します。奮ってご参加ください!

 

2018年9月3日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

清暑益気湯

せいしょえっきとう、と読む漢方薬です。暑気あたりに使用

するとされているので、この時期よく使う処方ではあるん

ですが、今夏は猛暑のせいか品薄、品切れ、使用制限、という

事態がありました。

 

ウチでもよく使う処方ではあるのですが、この薬には

ニンジンとオウギという生薬が配合されており、主とする

効能は消化不良や食欲低下です。つまり正確には暑気あたり

によって胃腸の機能障害が出ている時に使う薬なんですね。

 

なので、これを「おお、熱中症の漢方薬があるのか!」なんて

ノリで使っても効かないことがあるわけです。熱感が強くて

脱水症状が出ている時は当然輸液が先決ですので、漢方薬に

こだわって治療を遅らせてしまう、という事態も想定され

ます。ちなみにそういう時には白虎加人参湯という漢方薬

がありますので、使うのならこちらでしょうね。

 

毎年この時期には品薄になることがしばしばなのですが、

今年のように顕著だと正しく使われているのかな、と不安に

なったりもします。ネットの情報でも「○○病にこの漢方!」

とかありますが、少なくとも「○○病の△△症状に〜」くらい

は書かれていないとちょいとアヤシイ。却って不調になる

可能性もあるので安易な服用には十分気を付けて欲しいです。

 

漢方薬に限りませんが、クスリは正しく使ってはじめて

薬です。誤った選択や、間違った服用法ではリスクにしか

なりません。あ、いやこのオチを言いたかっただけでは

ないっすよ。ホントだって。

 

 

2018年8月30日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

予約制はムズい

電話の問い合わせなどで、「診療の予約をしたいのですが」と

聞かれる事があります。既に受診されている方からも予約制に

してくれたら、と言われることもあります。さて。。。

 

予約制については事あるごとにスタッフとも検討しているの

ですが、なかなかに難しいのが現状です。栄養療法をやっている

とどうしても診察時間は長くなるので、他の患者さんをお待たせ

することになります。空いていると「ラッキー」と言われたり

するのも本当は心苦しかったりします。

 

もしも予約制にすると、診られる人数が制限されるため経営的

には単価を上げざるを得ません。つまり予約料、という形で

別料金が発生します。またキャンセルや変更がつきものなので

調整のためスタッフの負担は増えます。

 

個人的に一番予約制に踏み切れない理由は診療内容の制限です。

例えば「栄養療法の検査結果説明だけは予約診療に」とすると

確かに患者さんもこちらも楽ですが、同時に「予約診療でない

方には説明しにくい」という弊害が産まれます。患者さんに

質問されて「いや、それは予約診療の範疇なので」と断るのも

嫌です。

 

栄養療法専門クリニックなどでは予約診療は当たり前なので、

多分そうするのが時代の流れなんでしょうけど、もう一つ、

僕は「専門家になりたくない」というポリシーもあります。

専門=それ以外知らん、みたいになっちゃうのが嫌なんすよ。

自分でも知らず視野狭窄になりそうだし。

 

どう?ムズいでしょ?(笑)そんなわけで、ウチでは善後策

として診察時間が長引いて患者さんをお待たせしている時は、

一旦診察を切って、診察順を変えて対応しています。今の所は

これが妥当かな、と思っています。どうぞご理解ご協力のほど

お願い申し上げまする。m(_ _)m

2018年8月27日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

今月で満2年

明日、明後日と健康教室がありますが、この企画を始めて

今月で2年となります。意外と早く感じてます。

 

ここ最近は2年前のネタを再演したりしてますが、これは

ネタ切れではなく(笑)、2年前とあまり医療の現状が

変化していないという表れでもあります。そもそもこの

企画は、医療機関を受診しなくても、薬を飲まなくても

正しい知識と実践力があれば色々な治療や予防が自分でも

できまっせ、という事を伝えたくて始めました。

 

それを周囲に伝えてもらえれば、医療費削減にもつながる

のではないかとも思っていますが、いかんせん日本の医療

や情報を伝えるメディアが「脅して買わせる」構造なので

焼け石に水的な部分もあります。まあスポンサーがあれば

関連商品の消費を促すような内容構成になるのは仕方ない

ですけど。

 

でも少しずつでも変化はあると思います。事実、栄養療法を

実践する医師は増えていますし、薬や添加物の危険性に

警鐘を鳴らす記事なんかも見かけます。○○がダメ!とか

危険!とだけ声高に言うのもバランス感覚がないなとは思い

ますが、それでも日本の逼迫した医療情勢を見直すことには

繋がるでしょう。

 

そんな一助としてのこの健康教室は、やはりこれからも続けて

いきたいと思っています。話してるだけだと疲れるので(ええっ)

筋膜リリース法などを覚えてもらう実践編もありかなー、

なんて考えています。テーマや開催日時など、希望があれば

どしどしお願い致します!

2018年8月23日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ