院長室

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ワクチンは切り札か

コロナウィルスのPCR検査陽性者数は右肩下がりで、重症者

も順調に減っているのに何故か緊急事態が続いておりますが、

これからはワクチンが話題の主役になっていくでしょう。

 

健康教室でも少し触れましたが、ワクチンは抗体産生を促す

ためのツールなので、直接的な感染予防効果はありません。

感染した後に発症を抑制するとか、症状を軽減するのが

役割だからです。まあ症状を抑えられる結果、人に感染させ

づらくなれば感染予防と言えるかも知れませんが、いずれに

しても間接的な効果です。ちなみに発症してから打っても

治療効果はありません。また抗体ができたとしても数ヶ月で

消えるようです。

 

さて、こういう性質であるワクチンをあたかも「感染予防」

ツールのように喧伝し、切り札であるかのように祭り上げる

のは却って誤解を招くことになり危険な気がします。非接種

者への同調圧力や排除に繋がったら最悪ですね。

 

ではどういう人に接種を勧めるべきか。それは発症したら

重症化する可能性が高い人と、感染者と接触する機会の多い

人です。前者は高齢者や有基礎疾患者で、後者は現在治療に

あたっている方や高齢者施設で勤務する職員などです。

 

逆に重症化や死亡例のない小児は何のメリットもないので

接種する妥当性は低いです。妊婦や授乳者もそもそも安全性

不明とされているので対象から外れるでしょう。現在、医療

従事者の優先接種が始まろうとしていますが、ウチみたいな

低リスクのクリニックよりも高齢者施設の職員を優先すべき

と思います。

 

ワクチン賛成 vs 反対、ではなく上記のようなことを考慮に

入れて個人で判断すべき事案です。特に日本は幸せなことに

世界的に見て特に死者が少ないわけですから、その余裕が

あって良いはずです。ワクチン開始が社会を明るい雰囲気に

するのなら喜ばしいですが、“マスク警察” みたいにギスギス

してしまうなら逆効果とも言えるでしょう。

 

…ってエライ人が発信してくれないかなぁ。(^ ^;)

2021年2月25日 木曜日

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栄養療法その前に

栄養療法は薬物使用でなく、食事を見直すことで身体を作り

変える治療法です。何を食べればよいのか、あるいは何を

食べない方がよいのか、ということが治療の骨格となります。

 

まだまだ広く認知されているとは言えないですが、いわゆる

難治と言われる疾患や病態に何か解決の糸口を提供できれば、

という思いで続けています。栄養療法ではサプリメントを

使用することが多いですが、これはあくまで食事の補助的な

位置づけです。あるサプリメントを摂ったからと言って急に

症状が緩和されるわけではありません。

 

まあそれでも例えばビタミンDの摂取で花粉症が楽になった、

ビタミンB群補給で睡眠の質が良くなった、などの声は頂き

ます。これはあくまで不足が判明し補給したからであって

誰にでも同様の効果があるわけではないことは知っておく

べきでしょう。

 

しかし、栄養の補給で症状が改善するという経験は不思議に

感じますよね。僕も不思議です。(オイ) つい多くのサプリメント

を摂取したくなりますが、栄養は吸収されてナンボです。

摂った栄養が全て吸収される保証はありません。サプリメント

においても内容量以上に吸収効率が重要視されます。腸内

環境が話題に上るのもそのためです。

 

と言うことは、実は何より大切なのは何を食べるか以前に

“どう食べるか” なのですよ。非の打ち所のない食材でも、

早食いと過食をしてしまっては腸を傷めるだけで吸収効率は

落ちるでしょう。良かれと思って食べ過ぎてしまう、または

時間がないのでかき込んでしまう、という習慣は是非とも

避けるべきです。対策としては「よく噛むこと」です!

2021年2月22日 月曜日

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「ヤクザと家族」/「すばらしき世界」

相変わらず時短営業中の映画館ですが、意外とお客さんは

戻ってきているようで何よりでした。そして相変わらず邦画

ばかりですが、これも意外とアタリが多いので素敵。(^ ^)

 

まずは藤井道人監督の「ヤクザと家族」。ヤクザの世界しか

知らない主人公にとっての家族とは?というテーマなんですが、

抗争や暴力表現に目を奪われて若干ブレる感じ。古い硬派な

“極道” から暴対法下で生きづらい現代のヤクザまで色々と

描かれていて飽きさせない演出ですが、個人的にはもっと

“家族” に振っても良かったかなと思う。

 

主人公を演じる綾野剛さんは10代から30代までのおよそ

20年間を見事に演じており、これは一見の価値アリ。また

本作では1999年、2005年、2019年と3つの時代

が描かれるのですが、時代ごとにスクリーンの枠を意図的に

変える演出も面白いです。マニアック過ぎるけど。(^ ^;)

 

組の “オヤジ” を演じる舘ひろしがヤクザっぽくないとか、

ヒロインに惹かれる場面が安直だとか、まあ細かい不満は

あるものの、これが監督の完全オリジナル作であることは

高評価です。今後が楽しみです。

 

対して本当に僕と同年代?!と思ってしまうほどデビュー作

からずっと人間の負の側面を深くシニカルに描き続けている

老獪な(?)西川美和さんの新作「すばらしき世界」。偶然

にも本作も人生の大半を刑務所で暮らしてきた初老ヤクザの

出所後を描いた作品です。

 

まっとうに生きようとするも、何もかも思うように行かず、

暴力で解決する衝動に駆られながらも、冷たい世間と温かい

人々に影響を受けていく物語…と思っちゃあ、いけません。

なんせ西川監督ですからね。

 

これまで全作オリジナル脚本で勝負してきた西川監督が、

今回は佐木隆三さんの「身分帳」という小説を原案にして

います。とうことは「すばらしき世界」というタイトルは

西川監督によるものだということ。まさにこれがキモ。

最後の最後で背筋が寒くなりました。さすがだわ。

 

主人公を演じた役所広司さんも素晴らしく、また周りの

キャストも皆良かった。特に主人公と対比的に描かれる

仲野太賀さんが上手。ちなみに北村有起哉さんが上記

「ヤクザと家族」ではバリバリ極道のアニキを演じ、今作

では反社を蔑視する役所員を演じているのが面白い。

この役者さんもカメレオンだよねぇ。

 

両作ともにヤクザの悲哀を描くものなので、その時点で

ハードルが上がる人もいるとは思いますが、同じような題材

が監督でこうも違う作品になるか、という対比は面白いと

思いますよ。

2021年2月18日 木曜日

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癌は不治の病か?

もしも「診断は癌です。」と宣告されたらそれはもうショック

ですよね。僕は経験がないので想像ではありますが、きっと

ショックだと思います。では、なぜショックなのか?それは

癌が死を連想させるからでしょう。

 

癌にも様々な種類があり、現在では完治に至るものもあるので

必ずしも死に直結するわけではないですが、恐ろしい病である

ことは確かですし、日本の癌有病率は世界でも突出しています。

 

ではさらに突っ込んで、癌はなぜ人を死に至らしめるのでしょう?

大きくなるから?転移するから?再発するから?どれも癌の

特徴ではありますが、死因とまでは言えないです。

 

癌患者さんの終末期像って、ガリガリに痩せて食べられなく

なるイメージじゃないですか?そして点滴や酸素が必要になって、

結果的に心不全や呼吸不全で亡くなる。そう、実は癌の死因

は臓器そのものが破壊されることではなく、癌細胞に栄養を

横取りされた結果の栄養失調なんです。

 

ということは、癌細胞の栄養体系が分かれば栄養療法でも

立ち向かうことができる、となります。実際に癌と診断された

後も上手に “共存” して元気に過ごされている方もみえます。

もちろん外科手術や抗癌剤、放射線療法が不要なわけではあり

ませんが、そこに栄養という概念を付け加えた方が医療側も

患者側もハッピーなのではないかと思います。単に治療の

選択肢が増えるだけでなく、「元気」でいられるからです。

 

ここで誤解してはいけないのは「癌に効く栄養素」がある

わけではない点です。癌細胞に栄養を奪われないようにする

にはどうすべきか、が基本であり出発点です。そういう意味

ではいかに総合的に対処できるかがカギになります。

 

今後もまだ癌患者は減らないと思いますが、不治と諦める

ことはないです。栄養療法が福音になりますように。

2021年2月15日 月曜日

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物販の対象

当院では他院と比べちょいと変わった治療を提供している

都合上、ちょいと変わった関連品を販売しています。HPの

「院内販売」で提示しています。

 

また栄養療法で扱うサプリメントの販売もしているので、

物販のみを希望される方もちらほらみえます。ただ、これら

の商品は治療の補助として提案しているものなので基本的に

通院中の方に限定したものです。患者さんの紹介で来た、

という場合も診察をしていなければ原則お断りしています。

ごめんなさい。m(_ _)m

 

治療は何らかの効果を狙って行うものですが、その過程が

無視されると思ったような効果がなかったり、却って不調に

なったりします。これはどんな治療にも言えることですが、

ウチみたいに特殊なことをしていれば、その過程がさらに

重要になります。つまり病態の診断ですね。

 

糖質制限なんかでもまだまだ誤解が多いですが、これは

治療と効果を短絡的に結びつけている弊害かと思います。

「疲れにマグネシウム」や「外反母趾にインソール」は

間違いではないですけど、疲れと外反母趾の診断は置き去り

にされている、みたいなね。

 

あとは見ず知らずの人の治療に責任は負えない、という

面もあります。ウチの治療に興味を持って頂くことは

大変嬉しいのですが、だからこそまずは病態把握を重要視

して欲しいです。病態把握ができるから治療計画が成り

立ち、その治療補助に商品があるので。

 

…と大見得切っておいて、コロナの影響で欠品中のものが

あったりして御迷惑をおかけすることもあります。(^ ^;)

そちらも併せてごめんなさい。商品自体は自身で使って

みたり、コストを比べてみたりと厳選したものなので、

安心して使って頂けるものばかりです。

2021年2月8日 月曜日

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