院長室

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神経障害性疼痛

最近やたらとCMで宣伝されており、患者さんからもよく質問される

神経障害性疼痛について。神経は中枢神経と末梢神経に分かれますが、

ざっくりと脳〜脊髄が中枢神経、脊髄からの枝分かれが末梢神経と言え

ます。CMで言うところの神経障害性疼痛はこの末梢神経の痛みで、これに

効く薬が出たよ、という話です。


末梢神経は脊髄から枝分かれして手足に行きますから、例えば坐骨神経痛

と言われる症状や、頚や腰のヘルニアによる痛み、帯状疱疹後の痛み、

などが該当します。これを分かりやすく言うとCMのように「ビリビリ」

「ジンジン」「チクチク」した痛み、なんて表現になるわけですが、実は

万人向けの薬ではありません。


ファイザー社がCMのスポンサーなので、具体的にはリリカという名前の

薬を指していると思われます。この薬は確かに今までにない効き方をするの

ですが、結構な確率でめまいなどの副作用が出ます。ですから現場では標準の

薬を試して無効だった場合に選択される事が殆どです。選択する場合も少量

から開始して副作用が出ないか見ながら増量します。もっとも、帯状疱疹後

神経痛や三叉神経痛といった難治性疼痛には、通常の痛み止めはほぼ無効なので

最初から選択される事もあります。


まあ黒板の前で金ぱ…じゃなくて武田鉄矢さんに紹介されれば妙な説得力が

出てしまいますが(笑)、少なくともこれまでの標準治療に取って代わるような

薬ではないです。ウチでも使用することがありますが、まずは標準治療、

そして漢方薬、それでもダメならリリカ、という順番にしています。

2014年2月17日 月曜日

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「アメリカン・ハッスル」

初めて朝イチ上映の「モーニングショー」ってのに行きましたが、割引が

あるせいか結構人がいました。僕の定位置を取られていてちょっと悔しい。

 

「アメリカン・ハッスル」は1970年代にあった事件を元にした映画です。

FBIが捕まえた詐欺師と協力して汚職事件を暴こうというお話。こう聞くと

いかにもクールな頭脳戦を期待してしまいますが、どちらかというと真っ当な

人生を歩めない男女の愛憎劇、といったところ。事実を元にしているせいか

脚本は随分と工夫されていますが、そのせいで少し登場人物の人間関係が

分かりにくくなってしまっています。サスペンスとしてもそんなに捻りが

あるわけでもなく。

 

ただ出演陣は大変素晴らしい。主演のクリスチャン・ベイルはいつもの如く(?)

体型から変わっちゃってます。今回はブヨブヨ腹のハゲおやじ。(笑)よくも

まあいつもいつもこんなに変われるもんだ。しかしながら「ザ・ファイター」

でもそうでしたが、基本品がある人なので、色々いじってもあんまり汚らしく

見えないんですよねぇ。(^ ^;)やっぱり寡黙な紳士がよく似合う。その他、

エイミー・アダムス、ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、

と中心人物の演技は眼を見張るものがあります。ついでにロバート・デ・ニーロ

もオイシイ役所で出てます。(^ ^)

 

この手の映画はどうしても当時を肌で知らない人には入りにくい感があります。

そんなに昔の出来事ではないから余計な説明は省かれるし、そもそも事件を

知らなければついて行くのにやっとだったりします。そして国も違うとなると

結構しんどい。三島由紀夫事件の映画を現代の海外の人に観せるようなもの

でしょうか。ま、でも僕みたいなクリスチャン・ベイル好きには楽しい映画です。

2014年2月13日 木曜日

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1ヶ月経ちました。

医院・クリニックを統合して約1ヶ月、年末に不安視していたことは概ね

クリアできて、あとはこれから細部の肉付けをしようかという段階に来ました。

一番大きく変化したのは患者さんの導線です。入口と出口が別のクリニックって

あまりないせいか皆さんまだ慣れない様子。(^ ^;)プチ迷子になる方も

しばしば…。また受付と処方カウンターも別になったので、受付して診察した

情報が処方カウンターにタイムラグなく送れないといけません。処方カウンターで

「あ、そう言えばあの薬も欲しかったのよ。」が地味に効きます。(笑)


でも大きな混乱なく来られたのもスタッフの尽力です。患者さんの数が増えて

僕は身動きが取りづらくなってるので、スタッフが眼や耳を研ぎ澄ませて周囲

の情報を集めないと、途端に回らなくなってしまいます。研ぎ澄ませすぎて

ニラんじゃダメですが。(笑)とりあえず開幕は良い滑り出しで、スタッフそして

理解して協力してくれた患者さん達に感謝です。


開幕と言えば我らがドラゴンズの状態はなかなか良さそうです。吉見の出遅れが

功を奏してか大野が逞しい。ここに岡田、西川、福谷と言った若手、山内、山井の

中堅、山本、川上のベテラン陣、調子の読めないカブレラ(笑)、と先発の駒不足

は何とかなりそうな雰囲気。大野には12敗しても良いから15勝くらいして

1年間ローテを守って欲しいです。


野手は森野や和田が尻に火が付いたみたいで、見た目もスリムで調子よさそうです。

あと安定して結果が出せるのは大島くらいですが、平田が1年間活躍できたら

大きいですよね。高橋周と堂上直はやはり併用が無難か。やはり一番の不安材料は

捕手ですね。ポスト谷繁が出てくれば盤石でっせ。特筆すべきは工藤を獲得した

ことでしょう。さすが落合さん、さすがの慧眼。1試合くらい監督してくんない

かなー。(無理)今年は久々に楽しみだ!(^ ^)

2014年2月10日 月曜日

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漢方薬のしくみ

…なんてエラソーなタイトルをぶち上げてしまいましたが、漢方薬の仕組みは

実は分かっていません。ごめんなさい。


漢方薬の認知度が上昇しているのは事実ですが、ドクターからしても患者さんから

しても漢方薬はなんとなく神秘的なものとして捉えられている節があります。曰く、

「エビデンスのない得体の知れない薬」であったり、「色々な症状が取れる不思議

な薬」であったり。


漢方薬を科学的に分析する試みは以前からされており、実は海外でも結構盛んに研究

されています。漢方薬は「複数の生薬の集合体である」というのが定義ですから、

どんな漢方薬もいくつかの生薬から成り立っています。ではその生薬の有効成分が分離

できればなぜ漢方薬が効くのかが理論的に説明できるはずですよね。しかしながら

生薬一つも多成分系で、なかなかどの成分が主となっているのかが分からないんですね。


そんなわけで漢方薬はまだまだ科学的な薬とは言えません。だからこそ神秘的な印象を

与えてしまいますが、その処方手順は極めて論理的です。科学的な論証はさておいて、

生薬の効能をまず覚えることができれば、あとはその生薬の足し算が即ちその漢方薬の

効能となるわけですね。そしてどんな場面でどの生薬を選ぶかは古来からの診断学で

決まっています。なので、医師のセンスによる選択の余地はあるもののある程度は自動的

に薬は選択されます。


漢方薬の効能書きを見ると、「体力の虚している、やや色白の婦人の月経にまつわる

諸症状に用いる」とか分かったような分からないような、いや、やっぱり全然分からん

(笑)記載があるのですが、これは生薬の効能に起源があるわけですね。漢方薬を

単一の薬と思わずに生薬の複合物と見れば、そんなに不思議でもなくなります。

2014年2月6日 木曜日

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NO MORE 湯たんぽ!?

何故か今年は暖冬にも関わらず低温熱傷の患者さんが多いです。湿潤療法が

広まってウチを検索して来てくれる方が増えただけで、発生数は例年通り

なのかも知れませんけど。


低温熱傷はその名の通り、あまり熱いとは感じない程度の低温に長時間暴露

される事が原因です。一番長時間になるのは寝ている間なので、湯たんぽや

電気毛布がダントツに多いです。次が貼るタイプのカイロですかね。


低温熱傷と通常の熱傷が決定的に違うのはその深さです。低温熱傷の場合は

もの凄く深いところまで損傷します。皮膚はタンパク質の塊みたいなものです

から、一度熱で損傷されると元には戻りません。目玉焼きを冷やしても生卵に

戻らないのと一緒です。そして損傷された組織は不要な組織となり壊死します。

この壊死が1〜2週かけて起こるので、低温熱傷はしばらくしてひどく痛く

なったり赤く腫れたりするのです。


この過程は程度の差こそあれ、どうやっても防ぐことはできません。湿潤療法

はあくまで治療法であって予防法ではないのです。低温熱傷が壊死を起こすと

治癒まで3ヶ月ほどかかることも多いです。日常生活に支障を出さないのが

湿潤療法のよいところではありますが、通常の熱傷よりも断然跡は残りやすい

のは湿潤療法でも変わりません。


そうなると、いかに低温熱傷を起こさないかが鍵ですが、湯たんぽを使う時は

面倒でも眠る1時間くらい前に布団の中に入れておき、寝る時は布団から出す、

という方法が良いでしょう。間違っても抱いて寝てはいけません。(笑)

電気毛布も最弱の温度にしてかつ、直に寝ないことを徹底すべきです。間違っても

簀巻きになって寝ないよーに。そんなヤツいねー。


また明日から寒くなるようですので、是非ともお気を付け下さい。ちなみに僕は

もともと暑がりなのでそんなに防寒も必要ないのですが、どうしても寒い夜は

ハイネックのフリースを重ね着して寝てます。

2014年2月3日 月曜日

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