「ココナッツオイルで認知症が治る!」と聞いたらどう思いますか?
大半の方は、何いってやがんでぇ、べらんめぇ!と自然と江戸っ子に
なってツッコむことでしょう。(そうか?)
僕も普段の診療で認知症を扱う機会がないこともあり、調べもせず
先入観だけで江戸っ子になっていました。(笑)それが、ちょっと
機会があって調べてみたところ、実はかなり説得力のある、まさに
栄養療法の範疇のお話だったのです。
我々の細胞はグルコース(=糖)を原料にエネルギーを産生して諸活動
を行っていますから、何らかの理由でグルコースの利用障害が起きれば
細胞の機能障害に繋がります。脳細胞はその最たるもので、糖を大量に
消費する臓器ですから、低血糖状態では精神症状がでやすいわけです。
ただ、糖はすぐに枯渇してしまうので、飢餓に陥らないように糖の代わり
に使えるエネルギー源があります。それがケトン体です。
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は体内でケトン体に変換され、
脂肪として蓄積することなく、エネルギー源として使用されます。これが
認知症の改善に繋がっているようです。完全に死滅した脳細胞はケトン体の
利用すらできませんが、低血糖にあえいでいる状態ならば速やかに回復
するというわけです。
これは認知症に限らず、低血糖状態が根底にある病態であれば全てに応用
できますから、副腎疲労なんかにも有効かも知れません。ココナッツオイル
に関する書籍は結構出ていますので、皆さんも是非試してみて下さい。
もし効果があったら、こっそり教えてくださいね。(笑)